白馬岳(北ア) 8月!

日時  2010年8月8日〜9日
天気 8月8日  8月9日

登山コース(栂池平・白馬三山・白馬鑓温泉・猿倉)
 1日目
  栂池高原駅…(栂池ゴンドラリフト「イブ」・栂池ロープウエイ)…栂池自然園 ⇒  登山口 ⇒ 天狗平 ⇒ 乗鞍岳 ⇒  白馬大池 ⇒
   6時35分                                          7時20分                  10時10分(25分休憩)
  小蓮華山頂 ⇒ 三国境 ⇒  白馬岳山頂  ⇒ 白馬岳頂上宿舎(テント場)
            13時35分  14時30分(15分)    15時    
 2日目
  白馬岳山頂宿舎(テント場) ⇒  杓子岳山頂  ⇒  鑓ヶ岳山頂    ⇒    分岐  ⇒  白馬鑓温泉小屋    ⇒    猿倉
   5時15分             6時40分(10分)  7時55分(35分展望・休憩)     10時20分(60分温泉入浴・昼食)  15時

得意先が夏期休暇に入り、従業員に1日だけ休みをもらって白馬岳に登って来ました。
7日(土)夕方まで仕事をして近道・京二・京滋・名神・北陸道と高速を走り糸魚川で下りて松本街道を南下、
栂池高原に日付が替わる前、なんとか着きました。
広い駐車場の端っこの所々には10台ぐらいの車が駐車仮眠しています。
私も適当な所に車を停めてシェラフの中に
朝5時に起きてトイレへ、ゴンドラリフトが動くのが6時30分なのに、もう準備している気が早い登山者もいます。
東方を見れば白馬三山や唐松岳のモルゲンロード、 この景色を見たら、気持ちも高ぶっていたたまれなくなるのは当り前かな
もう少し寝ようと思いましたが、私も目が覚めてしまいました。
朝食を十分摂ってゴンドラリフトの乗場へ、6時半過ぎゴンドラリフト「イブ」で栂の森駅に リフトから見る山々は少しずつガスに覆われ
栂池ロープウエイを乗り継いで自然園駅に着いた時には、周囲はガスで真っ白け、霧雨も降りだした。
先程までのテンションもさがり気味、栂池ヒュッテとビジターセンターの間にある登山口まで歩きます。
濡れた笹が茂る道を登り、周囲にはダケカンバの木が目立つようになってきました。
急坂を詰め木道を少し進むと平坦な湿原の天狗原に出ます。
ガスで周囲は全く望めません。案内板の写真だけ撮って先へ、雪渓を越えて急坂を登り大きなケルンがある乗鞍岳山頂に到着。
ケルンの近くの石に座って多くの登山者が休憩しています。私もチョコとポカリで一休み
歩き難いゴロゴロした岩の道を下って左に白馬大池が見え湖畔の道を進むと白馬大池山荘に着きました。
山荘の前にはテント場があり、ここでも多くの登山者が休憩しています。
風が吹き始め雨もしっかりと降りだして、じっとしてたら寒いです。
私と同年配の名古屋から来たご夫婦とお話し、今日は白馬山荘に泊まるとの事。
いつもご夫婦一緒に北ア・南アを歩かれてるらしい、羨ましいです。
トイレを済ませ行動食を摂って先を行きます。
なだらかな登りから稜線へ、強い風でポールを支えにして稜線を進みます。
ハイマツの茂みの中からライチョウが出て来て、雑草(高山植物)の穂先のタネ?を啄んでいます。
栂池高原の駐車場から白馬岳    ゴンドラリフトより
    白馬岳、不帰ノ嶮、唐松岳
栂池ヒュッテ・栂池山荘 天狗原への木道
天狗原(2180m) 乗鞍岳山頂(2436m)に立つケルン    白馬大池
   右の赤い屋根が白馬大池山荘
ライチョウ

強風はガスを吹き飛ばし、視界も徐々に良くなって小蓮華岳への登りから雪倉岳が望めるようになりました。
登山道沿いには高山植物の可憐なお花が咲いていて楽しい歩きです。
なだらかな山頂の小蓮華岳を越えて長野・新潟・富山の三県が隣接する県境の三国境に着く頃には、明るくなり青空も少し…
露出した岩肌の尾根を登ると白馬岳山頂です。
山頂にある展望盤は昭和16年富士山の強力小見山正が担いで運び上げた。そのことを小説化したのが、新田次郎著『強力伝』
展望盤50貫(187kg)を一人で 本当に?
1、2泊のテントを担いでの縦走でも精々20キロそこそこ、況して登山道も整備されていない時代、人間の体力では信じられない話です。
山頂からは、杓子・鑓ヶ岳や今歩いて来た小蓮華岳への稜線、鉢ヶ岳・雪倉岳が望めました。
天気がよければ北アルプス全体を見渡すことができる筈、まぁ〜ガスと小雨の中を歩き始めたことを思えば、良しとしなければ…
下山途中には白馬山荘開業をした松沢貞逸碑、日本一の規模を誇る白馬山荘の横を通り、そして白馬頂上宿舎のテント場に到着。
既に多くのテントが張られています。受付を済ませ適当な所を選んで設営し登山靴を脱いで足を伸ばします。
ここでビアをゴクゴクと飲むのが楽しみで歩く人が多いですが、私はコーヒーを飲んでひと息 ホッ!
夕食はレトルトカレー、ご飯はいつもの様にお米から炊きましたよ! 食後にコーヒーをもう1杯。
あとは寝るだけ、これまたいつもの様に好きな音楽を聴いていたら、そのまま寝てしまいました。
明日は、朝5時出発、杓子・鑓ヶ岳を登り天狗の頭から難路の不帰嶮を越えて唐松岳へ、頂上山荘でテント泊し八方尾根を下りる予定です。
唐松岳は去年に五竜〜唐松を歩きました。
栂池高原で記入した登山届は2泊3日で提出、受付にいた人が初めてのルートで単独、悪天候なら無理せず不帰嶮は止めて鑓温泉に下りた方が
いいですよと言われました。
小蓮華岳への稜線より雪倉岳 小蓮華岳山頂(2766m) 三国境(2751m)で記念写真 白馬岳への登りから鉢ヶ岳・雪倉岳
 白馬岳山頂(2932m)で記念写真
 後は展望指示盤
白馬岳より雪渓と杓子岳・鑓ヶ岳 白馬岳頂上宿舎のテント場 夕食はレトルトカレー
オニオンスープ

4時前に起床、夜中にテントを叩く雨音で何度か目が覚めましたが、よく寝れました。
雨はまだ降っています。簡単に朝食を済ませ、ヘッテンの灯りを頼りに雨の中撤収。
テント場を5時15分出発、御来光は見れませんでしたが、杓子岳山頂に着く頃には雨も止み青空が広がってきました。
白馬三山は富山県側は緩斜面、東の信州側は急崖で非対称山稜と言うらしい。
山頂で東側に寄り過ぎると目が眩むほどの険しい絶壁です。
天気が良くなり立山や剱岳が望め気分のよい稜線歩きを楽しみ、鑓ヶ岳山頂では後立山連峰南部の山々が顔を出し、穂高や槍も望めました。
ただ低い所はガスに覆われて、唐松岳は望めても不帰嶮は雲の中です。
白い砂利道をジグザグに下り鑓温泉の分岐に着きました。
9時前、ここから唐松岳まで6時間弱、3時頃には唐松岳頂上山荘のテン場に着く筈。
10分ほど休憩と言うより迷いながら立ち止まり、どうしようかと悩む 唐松方向への稜線を行く人は誰も居ません。
鑓温泉から登って来た人が、低い所のガスの中は雨が降っていると周囲の人と話しをしているのが聞えました。
と言うことは、ガスに覆われた不帰嶮も雨、降っていなくても岩場は濡れて滑るし、不帰の二峰は岩壁が垂直にそそり立っていると事前に調べていたので、
そんな所をテントを担いでよう登るの、不安が大きくなって怖くなり、白馬鑓温泉から猿倉に下りる事にしました。
今、自宅でレポを作成していますが、なんであの時、思い切って縦走しなかったんやろと悔やんでいます。
急な斜面を下ります。
後を振り返れば、真っ青の空が広がり鑓ヶ岳の斜面に広がる緑のカーペットと白い雪渓、そして色とりどりのお花咲いています。
しかし、歩く前方は下からモクモクと雲が上ってきては消え、その中に入って行きます。
気温もグンと下り、やはりガスの中は雨が降っておりレインウェアーを着ました。
岩のクサリ場を通過し雪渓の谷に沿った道を進めば、建物が見えて白馬鑓温泉に到着、建物は雪崩地帯にあるので営業期間外は解体されるとの事。
お腹が空いたので、最近行動食に持参している長崎堂のカステラを3切れとチョコを食べました。
温泉が目的でここを訪れる登山者も多いようですが、誰も入浴していません。
白馬から同じルートで歩き、途中で記念写真を撮って頂いた東京から来た男性2人に「温泉に入らないのですか」と聞くと
「下に温泉があるし、登山靴を脱ぐのが面倒なので」との事。多くの登山者がここで休憩していますが、歩きの途中で温泉に入るのが嫌なんでしょうね
私は唐松まで縦走もしなく、鑓温泉の道を下りて来て温泉に入らないで帰ったらもっと後悔します。
『滅多に入れない標高2100mに湧く雲上の湯』 今日は雲の中の湯かな 
簡単な脱衣場と斜面にある露天風呂のみ、下がテン場と登山道、湯船で立てば下から丸見えです。他に女性用風呂と足湯もあるらしい
本当に気持のいい湯です。一人湯船で足を伸ばして山歩きの疲れを癒します。
杓子岳山頂(2812m)で記念写真 鑓ヶ岳山頂(2903m)    下から湧き上がる雲を
   バックに記念写真
鑓ヶ岳山頂より南方
ガスの不帰キレットと唐松・八方尾根
そして五竜・鹿島槍と続く
   天狗・不帰キレット、鑓ヶ岳、
   白馬鑓温泉の分岐
崩れ落ちる雪渓 小雨とガスの白馬鑓温泉小屋 白馬鑓温泉

食事と温泉で1時間ほど休憩して下山、雨は時たま強く降り道はドロドロです。
いくつかのガスの雪渓を慎重に踏み後頼りでトラバース、最後の雪渓を渡り終えた時、雪上を20センチほどの岩が凄いスピードで落石、怖〜ゾク!
周囲の樹木がブナに変わり、ダラダラと道を下ると猿倉の登山口に到着。 およそ10時間の歩行、よう歩きました。
猿倉荘の前では多くの登山者が休憩しています。
マイカーが駐車してある栂池高原まで帰らなければなりません
バス停を探していたら、タクシーの運転手が「何処までですか」と「栂池まで」と言うと「1人いますので相乗りしませんか」  「…はい」と言ってしまいました。
山口県から来られた40歳の男性で栂池に着くまで色んなお話しをしました。
私と同じコースの予定、白馬でテン泊、この方も不帰嶮はガスで覆われていたので縦走を諦め猿倉に下りて来たとの事。
鳥取の大山や蒜山の事を教えて頂いたり、この秋に大台ヶ原と大峯(八経ヶ岳)に登る予定とかで話しが盛り上りました。
栂池に着いてお土産も一緒に買いに行きました。私が行こうと思っていた温泉へお誘いしたのですが、今晩泊まる宿を先に探すらしく、ここでお別れ
私も唐松まで行く予定していたので明日も休み取っていましたが、宿泊してまで留まる余裕がないので温泉に入って帰ります。
ゴンドラ乗場下の『栂の湯』が近いし登山やスキーのアフターとして人気があるようですが、私は『元湯栂の森荘』へ
客は私だけ、広い湯船にきれいな湯、巨大な自然の石で造られた開放的な露天風呂も最高に気持ちよかったです。
体も気分もホッコリして帰路に
帰りは渋滞やSAで仮眠・夕食などで自宅に辿り着いたのが、日付けが替わって夜中の3時前でした。
ガスの雪渓を横断する道 猿倉の登山口 元湯栂の森荘

唐松岳まで縦走できませんでしたが、絶景とお花・雪渓の歩き・温泉三昧、十分楽しんだ山歩きでした。
 展望と温泉 お花畑