カメラ屋の処分市で発見。 いかにも後付けって感じのセレン部がカメラ全体を野暮ったく見せてますね。 ■ 状態確認 シャッターは切れますが、絞りは F22 あたりで固着してピクリともいいません。 当然シャッター速度優先 EE は効きません。 いろいろ触ってると何故かフィルムカウンター辺りがピクピク動いてます。 あれま、良く見るとこんなところに露出計指針が… 少し反応が悪いようですがとりあえずセレンと露出計が生きていることを確認。 ■ 絞り 後からの方が確実な気はしますが、まずは前から攻めて絞りにアタックしてみます。 前群を外してバルブで絞りにアクセス。 ジッポオイルを垂らしているうちに無事絞りが動き出す。 順に分解を進めると絞り開閉のレバー (?) が見えてきます。 絞った状態で手を離すとバネの力で自動的にすっと戻るのが正解のようです。 かなりしつこい粘りだったけど地道に粘り取りを繰り返す。 これで遂にマニュアル絞りもシャッター速度優先 EE も無事復活! ■ トップカバー 巻上げノブのようなものが背面にありますがこれは焦点調整用のノブです。 ここにある小ネジを緩めて回すと切り欠きが現れるのでこれを合わせてカバーを開けます。 このカメラよくあるハーフミラーではなくプリズムを使用しています。 気合の入った作りですね。 ■ 巻上げ 底部巻上げのカメラですがここの動きが少しギクシャクします。 三脚取付け部の円周形の皮の下にネジが隠れているのは キヤノネット と同様です。 洗浄と注油で幾分スムーズになるが巻止め機構が上手く動きません。 L 字型の部品が曲がっているようなので少しずつペンチで曲げて調整。 かなり微妙な状態の様子で何度も何度も巻上げ動作の検証を行います。 半ば諦め気分でもういいやという状態になった頃、突然ゴリッと巻上げに引っ掛かりが… カメラを揺すってみると上部でなにやらカラカラと音がします やれやれ。 トップカバーを開けるといきなり部品がポロリ。 露出計の下を確認してみるとバネ付きネジがポロリ。 2つのパーツの形状から元あったであろう形を想像して組み付け。 この後再度検証してみると巻止め機構が上手く効きはじめている。 という事は真の原因はこっちだったんだろうか? ■ 使う これはあくまでも個人手な感想なんで、そんなことないよと思われるかもしれませんが… このカメラ使い勝手は悪いです。 まず底部巻上げですが、いちいち右手をちょっと持ち替えないと巻上げできません。 焦点調整ノブも鏡胴からわざわざここに持ってくることのメリットが全く感じられません。 あと決定的なのは右手のホールド感が良くないです。 セレン枠や鏡胴の根元部分の大きな段差が指に当たり、違和感違和感。 多分これって私が基本的にカメラを右手で保持して左手でピント調整等の操作を行う。 こういう使い方が染み付いてるからでしょう。 こいつは左手でカメラをホールド、細かな操作は右手に集中という設計思想なんだと思います。 これに慣れると逆に普通の構成のカメラの方が使いにくくなるのかも。 作例があれなもんで判り難いですが、このカメラ良いですわ。 細かな使い勝手程度でぐずぐず言うな、結果 (写り) を見よ! って感じかな。 ■ おまけ情報 オート時、アンダー側測光範囲外になってしまうと目一杯絞られたまま動作してしまいます。 低輝度状態で目一杯絞られるこの動作は面白くないし現像してみるまで結果が不安です。 こんなにきっちり作りこまれたカメラで、それはないだろうと色々動作検証してみる。 結果、オート時はファインダー中央下部に ● 表示が現れる。 測光可能範囲外の状況ではこの指標が ● になる。 という事を発見。 入手時は、この赤表示用のプラ板の位置がずれていて上手く動作していませんでした。 ここを調整して無事正常動作を取り戻しました。 |