カメラ屋のジャンクコーナーでキヤノンの金属製カメラを発見! 即購入。 ■ このカメラ何? 買ってから調べんな! と突っ込まれそうですが改めて見てみると CANONET JUNIOR だって。 名前はジュニアですがサイズはビッグですね。 サイズ:130×79×63mmふむふむ、距離計無しのプログラムEEのみのカメラですね。 キヤノネット の廉価版ってところでしょうか? 状態は、シャッターロックが掛かってレリーズできません。 しかも何度でも巻上げができます。 妙に暗いファインダ内のゾーンフォーカス指針もピントリングに連動せず、全く動きません。 同じくファインダ内のシャッター速度指針表示は不安定ながらも動いています。 とりあえず、セレンとメーターが大丈夫なら何とかなりそうです。 ■ まずはシャッターロックを解除しよう シャッターロックは、どこかのギアの固着だろうと考えまずは底蓋を外す。 しばし、動作を観察してみる。 レンズの真下あたりの楕円形 (かな?) のカムが動けばシャッターロックが外れることが判明。 ただし、この部品が固着している形跡はない。 さらに観察、観察。 何気なく裏蓋を空けてフィルム室を見てハタと気付く。 「なんじゃ、このスプロケットわ?」 このスプロケットを巻上げ方向に手で回すと先の底部楕円カムが回ってシャッターロックが外れます。 (本来はフィルム巻上げ動作でこれが回る) そうです、こいつフィルムが入ってないとシャッターロックが掛かる仕組みだったのです。 これで、何度でも巻上げができてシャッターロックが掛かる件は異常なしと判明。 よしよし ■ その他不具合 ファインダ内距離指針は単なる部品の固着だった様で、何度か手で動かして無事復帰。 あとは、メーターの不安定動作を何とかしたい。 貼り皮を剥がしてレンズボードを外します。 この機種はレンズ側とボディー側とを結ぶ配線がなく簡単に分離できます。 これなら間違って配線を切っちゃう心配がなくて嬉しい〜 <-- 経験者 (笑) とりあえず剥き身になったメーターにジッポオイルを注射器で何度も噴射してみました。 これで不安定だったメーターも無事復帰した様子。 ジッポオイルやベンジン等はヘリコイド部に掛からないように注意してください。 グリスが溶け出してやっかいなことになる事があるそうです。 ■ 各部洗浄 ファインダー内が滅茶苦茶暗かったので掃除したのですがあまり改善されません。 そこで唯一触らなかったハーフミラーの蒸着面を恐る恐る綿棒で…… 「あうっ、蒸着がホコリと一緒に取れる」 結局ハーフミラーを外し完全洗浄後 (蒸着も取る) ハーフミラーフィルムで再生しました。 最後にレンズの汚れを取ろうと試みる。 まずはセレン外周のカニ目を外して…… プラスティックのイボイボ枠しか外れません。 ???何で??? と言うことは犯人はキサマだ! この3ヶ所のネジを緩めると、後はさくさく外れて無事レンズ清掃も完了です。 (距離指針連動ピンが外れますのでなくさないように) が、よく考えたら回転式の前玉を外す前に元の位置を覚えとかなきゃいけなかったですね。 あ〜あ、ピント調整が必要になっちゃった。 まあ、バルブがあるから良いか。 ピント調整はフィルム面に半透明のプラ板等を当てて無限遠や3m等でピントがくるよう調整します。 作業は当然シャッターを開いた状態で行いますのでバルブが無い機種は大変です。 眼が悪いし、ルーペもないし果たしてちゃんとピントが合うのか非常に不安。 他のカメラと、とっかえひっかえしながらの試写の結果はどうやら大丈夫な様子、ほっ で、肝心の写りの方ですが予想以上に良い感じです。 ひょっとしたら本家よりも… ■ ロゴ 1963年発売のカメラだそうですが、この頃からもうこのロゴなんですね。 ロゴ付近だけ見てるともっと新しい機種のような気がします。 ■ 試写追記 久々に2本ほどフィルムを通してみたんだけど… かなりの割合で水平がでてなかった、前夜の酒が残ってたのか (笑) |