FERNANDES
FGZ-1200S  '95

 
 
 今はもう低価格なものしかラインナップされていないFGZシリーズだが数年前まではこれくらいの高級機種が存在していた。この機種の最大の特徴はフルモードのサスティナー(フロントにハムバッキングタイプのリバーシブルPU)が装備されていることであるが、現在のサスティナーPUはシングルサイズである為、RLG−135SHなどのレスポールタイプには空のPUカバーを取り付けてハムバッキングPUに見せかけているのでPUカバーにPICKがあたると安っぽい音がして気になるがこのタイプは大丈夫。

 ウッド・マテリアルはボディTOPはフレイム・メイプルが奢られており(フレックが多く見られることからハードメイプルの可能性が高い。実は当時のカタログの記載でTOP材の厚さが当初の設計より薄く変更されている、高価の材を使った為に調整せざるを得なかったのか?)、ボディBACKとネックはプレーンなメイプルである。オール・メイプルのスペックから考えるとかなり高域のきつい音になりそうだがローズ指板の採用やパワフルで中低域のリッチなVH−400ピックアップをリアに採用して扱いやすいサウンドにチューニングしている。ヘッドには角度がつけられているがスカーフ・ジョイントを採用することによって強度とコスト面をクリアしている。

 コントロール部は3WAYセレクターの他に3つのノブはマスターボリューム、マスタートーン、サスティナーボリュームで2つのミニスイッチはサスティナーON/OFFスイッチ、モード切替スイッチ(NORMAL / HARMONIC / MIX)である。

 薄いネックとフラットなフィンガーボードはザグリの入ったFRT−5PROとあいまって弦を低アクションに設定でき非常に弾きやすい。またボディBACKには大きめのコンター加工が施してあり身体にフィットする。シャープなルックス(デザインにオリジナリティは全く感じられないが)に対してナチュラルカラーと上品なトラ目そして豪華なゴールド・ハードウェアはどんなスタイルの曲にもマッチするので、とりあえず一本持ってかなくちゃという場面では重宝する。