塩のひみつをさぐって
塩のひみつをさぐって (5年 感想文)
夏休みのある日、ぼくは料理を作ることが好きなので夕食の手伝いをすることにした。きゅうりの塩もみをしていてたくさんのしぼり汁が出てきたのでおどろいた。
母が、そのまま切って入れるとサラダがべたべたすることや野菜を塩でもむと水分が出ることを教えてくれた。
また、塩は味つけだけでなく人間にとってとっても大切なものだと言った。
そういえば、すもうの土俵入りのとき塩をまいたり、おそうしきのときに清めの塩をもらったりする。毎日きっとぼくの口に入っている塩。
でも今まで塩について考えたことがなかった。いったい塩にはどんなひみつがかくされているのだろうか。
ぼくは、夏休みに赤穂海洋科学館へ行った。
そこで、かん水といって濃い塩水からの塩づくりの経験をしてもっとくわしく知りたくなった。塩づくりの方法や歴史、そして母が言っていた「人間にとって大切なもの」を知るために図書館に行ってみた。そこで出合ったのが「塩 海からきた宝石」の本だ。この表紙には塩の結晶が写されている。それはピラミッドのような形できらきらと光っていてきれいだ。ぼくは、宝石には興味がないが塩の世界に引きこまれていきそうだ。
ぼくはさっそくこの間買ってもらったけんびきょうで赤穂で作った塩を観察することにした。科学者になった気分でわくわくしてのぞいてみると四角い形でとうめいの結晶が見えた。
ぼくは赤穂に行く前にあ治町の海水をくんできてにつめてみた。できた塩をけんびきょうで見たが結晶は見ることができなかった。なぜだろう。ぼくの中でぎもんが広がっていた。
そしてこの本を読んでいくうちに日本では昔から塩作りをするのにいろいろなくふうがされてきたことが分かった。それはたとえば、今でも残っている能登半島の揚げ浜式塩田だ。濃い塩水を作るため、長い歴史の中で多くの人の努力と苦労によって考えられてきたのだ。
そして、濃い塩水を煮つめてできたのがあの表紙の結晶だ。だからぼくが一回くらい煮つめて作っても結晶ができなかったわけだ。塩作りにこんな歴史があるとは。
塩と人間のつながりもわかった。ぼくは、剣道の時、いっぱい汗をかく。また、去年ひどいかぜをひいて脱水状態になって点滴をした。
これらのことは関係ないことだと思っていたが、体の中の塩には汗やおしっこといっしょに出て体温調節する働きがあり生理食塩水を点滴することで体を整えることができたのだ。
海水に多くとけている塩が、人が生きていくためにこんな大切な働きをしているなんてとってもふしぎだ。人の生命は海から生まれたという。ぼくは塩のひみつをさぐって塩の尊さを知った。
今、地球の自然がだんだんと破壊されてきていて、塩のふるさとでもある海も汚れているという。ぼくは『海からの宝石』をいつまでもみることができるよう、真剣に地球のことを考えなければいけないと思った。
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