アボカドの選び方・購入方法

アボカドを選ぶポンイトは、2つあります。2つの条件がそろわないと本当においしいアボカドとは言えません。
・よく成熟したアボカドであること(脂肪分の多さ)
・アボカドの保管状態がよいこと(適切な追熟)
皮が黒くなって、軽く握って弾力があるものは、食べることができます。しかし、そのアボカドが、十分に成熟し脂肪ものってから収穫され適切に追熟したものなのか、あるいは売れ残って長い時間をかけて熟したものなのか、それとも、熟しすぎて傷んでいるものなのか、いろいろ考えられますので、慣れていない方には注意が必要です。
私は、近所のスーパーマーケット4店を常時見まわっており、また、新しいラベルを求めて、有名デパートや小さな八百屋までアボガドを探しています。その経験から購入のポイントを以下に書いておきます。
ちなみに、アボカドの価格は、メキシコ産が品薄になる5月〜8月に、価格が高くなることが多いようです。
おいしいアボカドとは
(脂肪分について)日本人は特に、こってりとしたこくのあるアボカドを好みます。つまり、脂肪が多いアボカドです。アボカドは長く樹上で育てられたほど脂肪分が多くなりますが、長く放置させておくと、鳥や虫に食べられたり、自然に落下してしまいます。
また、アボカドは樹になっている状態では、はっきりと熟しているかどうか分かりにくい果物であるし、収穫できるようになってからも、ある程度の期間樹上に成らせておいて出荷調整ができる果物でもあります。また、収穫する季節によっても脂肪分の量は、変わります。そのため、売られているアボカドは、脂肪分の多さに、バラつきが出るのです。 早く収穫されすぎたものは、脂肪の量が少なく、これを追熟させて、やわらかくしたととしても、おいしくありません。追熟させて柔らかくさせるのにも時間がかかります。
品質が高いことで知られるあるブランドは、日本向けは最低20%の油分を確保するようにしているそうです。しかし、別のあるブランドでは、私の経験では脂肪分のバラつきがひどく、外れるとまともに追熟できないこともありました。
脂肪が少ないということは、水分が多いので、追熟させている間に乾燥する割合が大きくなります。乾燥すると全体的に小さくなりますが、ヘタの部分は縮まないので、脂肪分の少ないアボカドは、特にヘタと皮の間の隙間が大きくなります。つまり、売られている状態で、黒いアボカドの場合は、隙間の大きさが目安になります。まったく隙間がなければ、期待できます。
ただし、脂肪分の多い場合で、適切な保管状態であったとしても、保管期間が長ければ、隙間はできます。
(適切な追熟について)
アボガドは、樹上では柔らかくなりません。収穫されると熟成が始まり柔らかくなります。これを追熟といいます。ずっと収穫せずに放置しておけば、やわらかくなることもありますが、商業的には行われていません。また、輸送するためには堅くなければなりませんので、一般的には店頭に置かれているものは、まだ固いので、すぐに食べることはできません。ただし、追熟させて食べごろになったものだけを売っているお店もあります。
また、冷蔵しておけば、追熟を遅らせることができるので、店頭に長く置いておくことができますが、適切に管理されていないと、傷んでしまうこともあります。売れないで長い期間置かれている間に、人が押したりして、その部分が傷む可能性があります。
適切に追熟させるために必要な室温は、14℃〜24℃ぐらいです。27℃以上だと、高温障害により、ヘタの部分だけが追熟したり、柔らかくならなかったりします。つまり、夏季に、気温が27℃以上あるのにもかかわらず、冷蔵をしていない八百屋などでは買うのを避けるべきです。

アボガドはヘタのほうが早く熟してきます。ヘタの部分を触ってみて、ぶよぶよと、過度に柔らかいものは、酸化していて黒くなっていることが多いので避けるべきです。黒くなるのは酸化するためですが、皮の部分からは空気は入らないので、ヘタと皮の隙間から空気が入って傷んでしまいます。良いアボカドも、ヘタのほうがわずかに早く柔らかくなりますが、それでも全体的にほぼ均一に柔らかくなります。


ちなみに、左の写真は、新鮮な国産アボカドのヘタなので、隙間はありません。
ヘタがとれているアボカドで、ヘタが取れた跡の部分が黒くなっているものは、ヘタの周囲の果肉が黒く変色していることがありますので、買わないほうが良いと思います。ヘタが取れていても、取れた跡が白っぽければ、特に問題はないのですが、買ってから追熟させる段階で、素早く追熟させないと、ヘタの周囲が傷む可能性があります。

食べ頃になったアボカドは、たとえ冷蔵していたとしても、数日のうちに食べるべきだと思います。適期を過ぎれば、果肉が黒くなったり、黒い筋が現れてきます。
黒くなってから長期間、置かれたものは、皮が部分的に皺(しわ)になっていたり、全体的に皮に張りがなくなっていたり、ヘタの周囲が過度に柔らかくなっていたりします。
部分的にシワシワになっているものは、その部分の皮の下の果肉が、黒く崩れている可能性が大きいと思います。
よく成熟したアボカドで適切に追熟したものは、皮に張りがあり、つやつやとした感じが残っているものですから、全体的に皮に張りがないものはちょっと適期を過ぎた可能性があります。
ヘタの周囲が過度に柔らかいものは、確実に、黒く変色していると思います。


売れる店では新鮮なアボカドを常に仕入れることができます。しかし、売れない店では、売れないので悪い状態のものが多くなり、更に売れなくなるという悪循環を招くのです。つまり、アボカドは、よい店と悪い店がはっきり分かれる傾向にあると思います。
私の家の近くには、アボカドを置いてあるスーパーが4店ありますが、店ごとにアボカドを扱う特徴があります。おもしろいのは、大きな店だからといって、アボカドをたくさん置いてあるわけではなく、店の規模が半分くらいの店のほうが、たくさんのアボカドを扱っていたりします。アボカドをたくさん置いてある店のほうが、回転がよいので、良いアボカドを見つけることが多いですね。安くても小さいアボカドばかりを常に売っている店は、あまり回転がよくないようです。安くても小さいので割高になっているのです。
最近では、熟したものだけを常に置いて店もあります。例えば、大手スーパーの西友などがあります。また、右のような食べ頃シールを貼っている店もあります。追熟させることを知らない人もいて、固いまま食べてしまい、アボカドを嫌いになってしまう人もいるので、いいことです。
柔らかいアボカドを置いてある店でも、数個しかないような場合は、品物の回転が悪くて、売れ残ったために、熟したということが多いと思いますので、選ぶ場合は特に気をつけたほうがいいでしょう。つまり、味はともかくとして、熟したものを手っ取り早く見つけたければ、なるべく小さな店やはやっていない店を探せばいいと思います。アボカドは、24〜30個入りの箱で仕入れることが多いようなので、売れない店では、さばくのに10日ぐらいもかかっているようです。
セール品を選ぶ
![]() 上の2個はまだ固いアボカドです。同じ箱に入って売られていても、きれいな緑色のものや深緑色のものなどあります。左上のものは、ヘタの周辺に農薬散布に使った展着剤が洗浄されずに付着していて、水色になっています。 下の2個は、食べ頃になったアボカドです。茶色が強いものや黒くなるものがあります。上と下のアボカドは異なるブランドのもので、下のものはきれいに洗浄されています。 |
ただし、他と明らかに違う感じの、黒いものが少しだけあるのは、セールの前の売れ残りを混ぜたことが考えられるので選ばないのが賢明だと思います。ラベルがほかと違うもので黒かったら絶対に売れ残りで、しかも目立つように手前に置いてあったら、ほぼ間違いなく売れ残りですよ。
ごくまれに、安いものが大量に売られていることがありますが、黒くてぶよぶよとした感じだったら、絶対に買ってはいけません。卸業者が見切り品を放出することもあるのです。

アボガドは冷やしておくと熟成を遅らせることができるので、冷蔵ケースに入っていることが多いようです。大量に売る店では、だいたい通路に箱ごと置かれています。
この冷蔵ケースに入っていてる場合は、長期間置いてあっても、堅いままなのですが、ラップでパックされていないアボカドが長期間、冷蔵ケースに入れてあると、乾燥して、皮とヘタの間に隙間ができたりして、ヘタの周辺部分が傷んでいることがあります。
高級な店の場合は、透明ラップで包んでいることがあります。しかし、普通のスーパーがラッピングをしているのは、あまり売れないので、長期間保存する必要するがあるのかもしれないと思ってしまいます。