2003年1〜2月の道中記

01/11『東京トンコツ 十兵衛』

今年の食べ初めは、千石の「十兵衛」から。ラーメン(六百圓)とトッピングに玉子(百圓)を食する。

なにせこの店のすぐ隣が、あの音に聞こえし『千石自慢ラーメン』である。この日もあふれんばかりの人出でなので、それを嫌つて、この店に飛び込んだ次第。さほどの期待感は抱かなかつた。

出てきた豚骨ラーメンをみて好感觸を受ける。如何にも豚骨らしい白濁のスープに細い麺なのが、實に私好みのマッチングで良い。チャーシューも量があつて美味しいし、スープが鹽つぱくないのがさらに良い。實に完成度の高いまとまつたラーメンだ。

『千石自慢ラーメン』がある種の過剩性を押し出すラーメンとすれば、これはある種の求心的な質の高さを目指した、別の魅力を放つてゐる。較べても決して遜色はないと思つた。

01/17『江戸っ子ラーメン』

けふもごま味噌ラーメン(七百二十圓)と玉子(五十圓)にコーン(百圓)を食する。冬は美味しい。

01/19『タイラーメン』

環七沿ひの富士見町でタイラーメン(六百五十圓)を食する。タイ料理といふと、あの獨特な香辛料の效いた辛さを思ひ浮かべて了ふ。ココイチの5辛もかなりキツイが、それとは別の強烈な辛さだつた。果たして何が飛び出してくるのやら。

スープは鹽がベースだつた。幸いにも辛くない。卓上の香辛料入れから、あれこれお好みの辛さを選べるのだ。麺は細麺と太麺と中華麺の三種類。中華麺は細めだつた。そしてパクチーが一緒に添えられるところがタイ料理だ。鹽スープや麺と實に合ふ。妙味也。

鹽ラーメンは割かしさつぱりしてゐるものだけど、これは實に滋味豐かな鹽ラーメンだ。まことに素晴しい。タイ云々といふよりも、このやうな鹽ラーメンを食べさせてくれるところはまづないと思ふ。決して餘所では食べられない味。

01/22『江戸っ子ラーメン』

けふは久し振りに江戸っ子ラーメン(五百七十圓)と玉子(五十圓)を食する。あつさりした味。改めて手揉み麺の魅力を感じる。

01/29

水道橋驛前の屋臺にてラーメン玉子附(六百五十圓)を食する。吹き晒しのところに、容赦なく夜風が吹き込む。ラーメンはすこぶる美味しいけど、この冬一番の寒さは堪へる。店の主人と、冷藏庫の中のはうがまだ暖かいや、とこぼし合ふ。

02/01

お氣に入りである西巣鴨の『映月軒』が閉店して了つた。南大塚のあたりに移るみたい。

02/08:番外

『ココイチ』にて季節限定メニューであるカレーうどんを食する。とても美味しい。鰹がよく效いてゐる。

02/15『みちのくラーメン』

近所を徘徊してゐる屋臺(トラック)にて、醤油ラーメン(六百圓)を食べる。椅子がないので、腰を落ち着けるもなく、さつと出されたものをさつとかき込む。まるでそばを食べてゐるみたいだが、屋臺はかういふものと勝手に納得してゐる。