デセプション島上陸!
− スペイン夏基地訪問 −


 ここは夏だけの基地だそうで、総勢15人の隊員中、女性隊員が2名。
 構成としては、科学者と軍人が半々の割合だそうだ。

 観測内容としては、火山学、地震学、そして温泉が混じった水の中、どのような生き物が生息するのか等、海洋生物学を中心として調べているとか・・・。

 


スペイン基地 中央広場
んなのありか?(笑)
左側のテントは食料品を貯蔵庫、右側の建物は居住棟だそうだ。


PRAZA DE ESPANA
リビングと食堂のある、基地内では一番大きい棟。



 上陸早々隊員さんのお迎えが!
 「ともかく中に入れ、入れ」と案内され、何時に集合かも知らされる余裕のないまま、皆ドドッ!っとPRAZA DE ESPANAに上がり込む。
 どうやらここでは、すっかりスペイン基地隊員さんのペースだ(笑)。

 入り口脇の食料棚には、ペットボトル飲料や缶飲料だけでなく、卵や果物まで並んでいる。
 夏のみ滞在の基地だからなのかしら?
 想像していたより生鮮食料品があることに驚いてしまった。



そしてリビングの中は・・・

   
多いのか少ないのかは分からないが、
結構な数のビデオソフトがある。
内容としては、派手なアクション物が多かった。

モニターの上には、聖夜の馬小屋セットが・・・。

ビデオとは丁度反対側の位置の風景。
歴代の観測隊写真や、訪れた人達が贈ったプレート等が並んでいた。

白い机の下には音楽CD。
一番上にあったのは、エニグマでした。



 食堂の中には人がイッパイ!
 テーブルの上には、ビール、ジュース類、チョコレート、ナッツ類が「ありゃ、こんなに出しちゃって大丈夫なの?」というくらい並んでいた。
 白い砂糖衣の、ピーナッツ入りチョコレートは、スペインではクリスマスのお菓子だそうな。

 こ、これは・・・もしやして大歓待なんじゃぁないの??


 でも私がずっと気になったのは、電子レンジ?の上にあった巨大なパン!
 そしてその下にある生クリーム泡立て器のように見える機械。
 ついジロジロ見ていたら、「毎日パンは焼いてるよ。そしてこれがパンをこねる機械だ」と教えてくれた。

 試食したいナーと思っていたら、手振りで、「こっちのおっきなパンを写真に撮れ!」と言う。

 撮りました(笑)。

 カットした小さいやつを味見させてくれたのですが、味は・・・。

 客観的には美味しくないけど、でも、基地味なのが美味しい。
(^O^)/
 (変かもしれないけど、そう思う)


 裏手にあるキッチン、これがなかなかコザッパリとしていて機能的な感じ。
 つい、日頃の主婦感覚が先走りして、こんなところに目が行ってしまう。
 蓋の閉まっている棚にまで目をやったら、それを素早く察知した隊員さんが、すごーくでかーいチョコレートを取り出して、お土産にと渡してくれたのでした。

 ほんとにこんなに歓待してもらっちゃって良いのでしょうか・・・???

 

←これがパンをこねる機械だそうです。

 これはストーブだそうな!→

 後方にある人の足と比較して、その大きさが分かるでしょうか?

試しに動かしてみてくれたのですが、いやぁ、凄い凄いパワー!

まぁそのくらいの力がないと、夏でもやってけないということなんでしょうね。


 あ!これだけは書いておかねばならない、基地滞在中を通しての不思議現象が一つ。

 私にとって、やはり南極基地の隊員さん達はアイドル!
 そう言っても過言ではないくらい。
 だから一生懸命写真なんかも撮ってしまう。

 それが・・・どういう訳か、あちらも私達の写真を撮りまくるのだ。

 ほえ〜?何故ぇ〜?


 この基地は郵便局やお土産屋のある基地ではない。
 私達も天候さえ許せば、本当はここではなく、それら観光客喜ばせのあるイギリス基地へと向かうはずだった。
 だからかな?
 普段人が訪れる基地じゃないから、これほど歓迎されてしまったのだろうか・・・?


 私達がリビングや食堂で歓待を受けている最中、エクスペディション・リーダーのブラッドさんは、スペイン基地の隊員さんと情報交換。
 普段でも無線などで情報交換は出来るのでしょうが、実際に会って話をするのは非常に得難い機会でもあるのでしょうね。


 スペイン基地の隊員さん。
 後ろの額の写真は、スペインの砕氷船だそうです。



 ようやくPLAZA DE ESPANAを出て外を眺めると、皆、基地背面の山に登っていた。
 湾全体の写真を撮ろうとしてのことらしいが、こんな強風の中、よく登るなぁ・・・。
 外に出ている隊員さんも、呆れ顔で眺めている。

 でも、私も登った。
 ただし途中まで(笑)。
 あまりの風にめげたのだ。

 頂上まで行って降りてきた人の話によると、頑張ってもマトモに立っていられないくらいの風だったそうだ・・・。



山の途中から、基地全体を眺めて



 ディスコ号に戻ったら、WALLABYさんが基地でもらった缶ビールを蓋を開けずに持って帰ってきていた。
 WALLABYさんは、一口飲んだ途端にしかめっ面(笑)。
 私もお相伴に預かってお味見させてもらったのだが、完全に気抜けのビール。

 昭和基地の話で、“南極では数ヶ月もたつと、缶のような密閉ビールも気が抜けてしまう”と聞いていたけど、これがそうなのかー!!
 うわぁ、やっぱりここは南極だったんだぁ〜!!



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