追記:えらい騒ぎの実態


 そう、大揺れドレーク海峡通過中の客室付きバスルームは、私にとって、もっとも恐ろしい場所だったのでした。



 パソコン通信の方でも聞かれたのですが、トイレに座るも大変、でも立ち上がるのはもっと大変!
 そもそも、意図せぬ中腰は出来るのに、意図した中腰姿勢が出来ないんです。
 だから、ううっ!用を足した後、中腰でのペーパー作業が大変辛うございました・・・・
(爆!)


 シャワーノズルから噴き出すお湯は、自分の体に当たらないで明後日の方向に飛んでいくので、家で使うようにボディーソープやシャンプーを使ったことを、即!後悔しました。
 しかも石鹸分のヌルヌルが、壁やシャワーの混合配管に掴まっていることを限りなく難しい作業にしてくれるんです。
 “この状態で、あの熱湯配管にマトモに体当たりしたらどうなるだろう??”と、冷や汗もの。

 両手両足を使って揺れを堪えたいのを、片手はどうしてもソープ付きのボディータオルを掴まなければならず、脚を洗うともなれば、さらに片足を上げなければならず、残った片手片足
(しかもヌルヌル!)だけで揺れに対応しなければならないのでした・・・。
 その結果は、やはりどこかに体当たり。
 運の良いことに、シャワーカーテン側に体当たりしなくて済みましたけど、もしシャワーカーテン側にいっちゃってたら・・・。

 逆に、意識的に体当たりしなければならなかったのが、バスルームのドア。
 女同士とは言えども銭湯じゃぁあるまいし、さすがに一方的なすぽぽん状態を見られるのは恥ずかしく、バスルーム使用中はドアを閉めることになったのですが、このドアの閉まりの悪いこと!
 体当たりしてドアを押さえ、それと同時に鍵をドア枠側にねじ込まないと、キッチリ閉まってくれないんです。
 閉めるのも大変なら開けるのも大変なドア!
 湯気で掴み難くなったドアは非常に開け辛く、一度なんて“このまま閉じ込められている間に沈没したら、逃げられる可能性は0だわ”なんて、結構マジの恐慌状態。

 ・・・無茶な開け閉めを繰り返したせいかしら?
 帰途のドレーク海峡では、ドアストッパーもすっかり馬鹿になってしまい、大音響を伴いつつ揺れに合わせて勝手に開閉を繰り返すようになってしまいました。


 そうそう! 洋服
(特にパンツやズボン)を着るという行為が、これまた大変。
 脱ぐのは、ほっちらかせば良いことだけど、着るのは、まだ湿った肌でスンナリとは着れないのを出来るだけ素早く着ないと、それだけ揺れに対応できずに危険!・・・という状態が続いてしまうのでした。


 日数分の下着を持っていなかった私は、バスルーム洗面での洗濯を余儀なくされたのですが、こればかりは両手を提供しないわけにはいかず、洗剤でヌルヌルの下着を両手に持ったまま、堪えきれずに壁や便器に激突してしまったことが数度。
 洗面に溜めた洗剤入りのお湯も、勿論そこにとどまっていてくれるわけはなく、その時着ているものまで被災。

 結局私が旅行中にこさえた打ち身は、ほとんどがバスルームで作られたものでした。



 ・・・・にも関わらず、毎日シャワーを浴び毎日洗濯していたという、つまるところは、この異常事態を楽しんでいたということでもありますネ。(^^ゞ 


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