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  礼拝メッセージ 2025年4月6日/小坂叡華主任牧師

「赤いひも」   ルカ22章

モーセが死んで後、主は「わたしのしもべモーセは死んだ。今、あなたとこのすべての民は立って、このヨルダン川を渡り、わたしがイスラエルの人々に与えようとしている地に行け。あなたがたが足の裏で踏む所はことごとく、わたしがモーセに約束したとおり、あなたがたに与えている。」(ヨシュア1章2節3節)そこでヨシュアは最初に攻略する難攻不落のエリコの城壁を偵察するために2人の斥候を遣わしました。彼らは行ってまずラハブという遊女の家に入り泊まったのです。 ラハブの家は城壁の中に建て込まれており、多くの客を招き入れもてなす高級娼婦の家でした。様々な情報を得られる城壁の門の近くにあったと思われ、ラハブは知識と知恵に長けた女性でした。
エリコの王はイスラエルの斥候が来たと知るとラハブに使者を遣わし「あなたの家にはいった者たちを連れ出しなさい。」(2節)と命じますが、ラハブは彼らを屋上の亜麻の茎の中にかくまい逃がしたのです。

<ラハブは何故敵の斥候をかくまったのでしょう>
1)イスラエルの偉大な神を知っていた…ラハブは出エジプトをして来たイスラエルの民の戦いの噂を良く知っていました。勝利を導いていたのは偉大な神であると悟っていたので、「主がこの地をあなたがたに与えておられること」を確信して「あなたがたの神、主は、上は天、下は地において神であられるからです」(8~11節)と信仰告白をしたのです。

2)命がけの約束で家族の救いを得るため…「私があなたがたに真実を尽くしたように、あなたがたもまた私の父の家に真実を尽くすと、今、主にかけて私に誓ってください。そして、私に確かな証拠を下さい」(12節)自分の救いだけではなく、自分の家族の救いの約束を勝ち取ったのです。斥候との約束は「窓に赤いひもを結びつけること」「家族、親族全員をラハブの家に集めておくこと」(17節~19節)でした。

証拠の赤いひも
滅びの災いから救われた「過ぎ越しの血」(出エジプト12章13節)と、神の怒りから救われる「イエス様の十字架の血」(ローマ5章9節)を象徴しています。その後、イスラエルの民は城壁の周りを7日間13周歩くという神の奇跡の戦法でエリコの城壁は崩れ落ち、エリコの街は陥落しましたが、ラハブとその全家族は救い出されたのです。
ラハブは主の御心を悟り全家族が救われるという祝福を受け取りました。これはラハブの信仰による行いでした。

ヘブル書には「信仰によって、遊女ラハブは、偵察に来た人たちを穏やかに受け入れたので、不従順な人たちといっしょに滅びることを免れました」(へブル11章31節)と記されています。へブル書11章には信仰の勇者が列挙されていますが女性ではサラとラハブだけです。ラハブは異邦人(カナン人)で遊女ではありましたが後にイスラエル人に加えられました。ユダ族のサルモンと結婚し、ボアズの母となりダビデの家系から、イエス・キリストの系図に繋がるのです。ラハブの信仰は、神の祝福は必ず受け取るという粘り強く純粋な神への信頼です。
「あなたがたがキリストの弟子だからというので、あなたがたに水一杯でも飲ませてくれる人は、決して報いを失うことはありません。これは確かなことです。」(マルコ9章41節)
神のみこころを悟り斥候を助けた、ラハブの信仰を受け継ぎ家族の救いを熱心に求めましょう。キリストの弟子である私たちに良くしてくださる家族や友人、その人は神の報いに決して漏れることはないのです。


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