フレッシュ・クリーム 
1966年12月発売
曲目
エヌ・エス・ユー、スリーピィ・タイム、ドリーミング、スウィート・ワイン、スプーンフル、猫とリス、フォー・アンティルレイト、ローリン・アンド・タンブリン、アイム・ソー・グラッド、いやな奴

プロデューサー             :ロバート・スティグウッド
ボーカル、ドラムス           :ジンジャー・ベイカー
ボーカル、ベースギター、ハーモニカ   :ジャック・ブルース
ボーカル、ギター            :エリック・クラプトン
スタジオ盤は、ライヴアルバムのようなインプロゼンションの展開はなく、コンパクトな曲でまとめられています。
ここでのクリームは、アルバムの後半がブルースナンバーで統一されています。
ほかのオルジナルナンバーは、「スリーピィ・タイム」は別としてそれほどブルース色は感じられません。
エリック・クラプトンがボーカルをとっている「フォー・アンティル・レイト」が推薦曲です。CD盤には先頭に「アイ・フィール・フリー」が追加されています。

 
カラフル・クリーム 
1967年11月発売
曲目
ストレンジ・ブルー、サンシャイン・ラヴ、苦しみの世界、夜通し踊ろう、ブルー・コンディション、英雄ユリシーズ、間違いそうだ、アウトサイド・ウーマンブ・ルース、テイク・イット・バック、マザーズ・ラメント

プロデュース               :フェリックス・パッパラルディ
ボーカル、ギター             :エリック・クラプトン
ボーカル、ベース、ハーモニカ       :ジャック・ブルース
ドラムス                 :ジンジャー・ベイカー
セカンドアルバムでは「ストレンジ・ブルー」と「サンシャイン・ラヴ」がヒットしています。
ここでのクリームはポップス風のアレンジをしてファーストよりさらにブルースっぽさを感じさせないつくりとなっています。
クリームはもともとエリック・クラプトンによるグループという展開を予想されていましたが、実際にはジャック・ブルースの存在感は大きく、スタジオ盤ではジャック・ブルース色の濃いアルバムとなって反映されています。
このアルバムで好きな曲は「アウトサイド・ウーマン・ブルース」です。「ブルー・コンディション」もなかなかいい曲です。
当時は左右のチャンネルにギターとボーカルなどがきっちり分配された録音で。時代を感じさせます。

 
クリームの素晴らしき世界 
1968年6月発売
曲目
ホワイト・ルーム、トップ・オブ・ザ・ワールド、時は過ぎて、おまえの言うように、ねずみといのしし、政治家、ゾーズ・ワー・ザ・デイズ、悪い星の下に、荒れ果てた街
クロスロード、スプーンフル、列車時刻、いやな奴

プロデューサー             :フェリックス・パッパラルディ
ボーカル、トランペット、ビオラ     :フェリックス・パッパラルディ
ボーカル、ベースギター、ハーモニカ   :ジャック・ブルース
ボーカル、ギター            :エリック・クラプトン
ドラムス、ティンパニー、マリンバetc :ジンジャー・ベイカー
このアルバムは2枚組みでスタジオ録音とライヴ盤という構成になっています。
ディスク2の1曲め、「クロスロード」はロック史に燦然と輝くギタープレイのひとつとして、またギタープレイの教科書的な存在としてもあまりに有名 なLIVEです。この 曲はロバート・ジョンソンのブルースです。とくにクラプトンのギタープレイについては、プリングオフとハンマリングオンを多用しピッキングを少なくし流れるような歌い上げるようなフレージングは華麗のひと言につきます。
スタジオ録音の方に収められている「ホワイト・ルーム」は、ジャック・ブルースとピート・ブラウンによる曲で、クリームが残した名曲といっていいでしょう。

  
グッバイ・クリーム
1969年発売
曲目
アイム・ソー・グラッド、政治家、トップ・オブ・ザ・ワールド、バッヂ、スクラップ・ヤード、ホワット・ア・ブリング・ダウン

プロデューサー             :フェリックス・パッパラルディ
ピアノ、メロトロン           :フェリックス・パッパラルディ
ボーカル、ベース、ピアノ、オルガン   :ジャック・ブルース
ボーカル、ギター            :エリック・クラプトン
ドラムス、パーカッション        :ジンジャー・ベイカー
リズムギター              :ジョージ・ハリスン
このアルバムを最後にロック史に偉大な軌跡を刻んだスーパートリオバンド、クリームは解散となりました。
全6曲のうち、3曲がライヴ(1968年10月のL.A.フォーラム)で、残りはスタジオ録音です。
クリームのライヴアルバムのうち、ギターとベースとドラムスのバランスが均衡していて楽しく聴けるのがこのアルバムです。とくに「アイム・ソー・グラッド」でのクラプトンのギターは素晴らしく、フレージングも軽快で自由に弾きまくっています。
スタジオ録音の方はクラプトン、ジャック、ジンジャーのそれぞれ曲となっています。「バッヂ」はクラプトンのライヴでもよく演奏されている名曲で、ジョージ・ハリスンとクラプトンのクレジットになっていて、ジョージ・ハリスンも録音に参加しています。


ライヴクリーム 
1970年6月発売
曲目
エヌ・エス・ユー、スリーピィ・タイム、ローディ・ママ、スウィート・ワイン、ローリン・アンド・タンブリン

プロデュース               :フェリックス・パッパラルディ
ギター、ボーカル             :エリック・クラプトン
ベース、ハーモニカ、ボーカル       :ジャック・ブルース
ドラムス                 :ジンジャー・ベイカー
クリームの1968年のライブ音源です。1968年11月にすでに解散したクリームのライブとして1970年にリリースされています。
「ローリンアンドタンブリン」がフィルモアウエストで、それ以外はサンフランシスコのウインターランドでのライヴとなっています。「ローディママ」のみ67年スタジオ録音です。
このアルバムでは、なんといっても1曲めの「N・S・U」が一番です。クラプトンのギターはハードなディストーショントーン全開モードで、うねるようなグルーヴ感に浸れます。クリームのライブ盤3枚の中では1番好みの音です。


ライヴ・クリームVolII 
1972年発売
曲目
荒れ果てた街、ホワイト・ルーム、政治家、英雄ユリシーズ、サンシャイン・ラヴ、ステッピン・アウト

プロデュース               :フェリックス・パッパラルディ
ボーカル、ギター             :エリック・クラプトン
ボーカル、ベース、ハーモニカ       :ジャック・ブルース
ドラムス                 :ジンジャー・ベイカー
クリームのライヴは、「クリームの素晴らしき世界」のDISK2のライヴ、「ライヴクリーム」と「ライヴ・クリームVolII」、「グッバイ・クリーム」に分けて収録されています。
このアルバムは、1968年2月29日からの3回目のアメリカツアーの中のサンフランシスコのフィルモアウエストとウインターランドのライヴと、4回目の68年10月4日からのアメリカツアーの音源をもとに編集されています。
ここでのライヴでのお薦めは「ステッピン・アウト」です。最初の5分くらいまでのギタープレイが格段に素晴らしく、次から次へと出てくるフレーズは美しいというほかはなく、クラプトンの数あるギタープレイの中でも後世に残る名演といえます。まさにギターが歌をうたっているように聞こえてきます。


BBCライヴ 
2003年発売
曲目
スウィート・ワイン、エリッククラプトン・インタビュー1、包装紙、ローリン・アンド・タンブリン、ステッピン・アウト、クロスロード、猫とリス、列車時刻、アイム・ソー・グラッド、ローディ・ママ、エリッククラプトン・インタビュー2、アイ・フィール、フリー、エヌ・エス・ユー、フォー・アンティル・レイト、ストレンジ・ブルー、エリッククラプトン・インタビュー3、英雄ユリシーズ、間違いそうだ、エリッククラプトン・インタビュー4、悪い星の下に、アウトサイド・ウーマン・ブルース、テイク・イット・バック、サンシャイン・ラヴ、政治家、スーラバー、ステッピン・アウト

プロデュース                  :ユニバーサル・ミュージック
ギター、ボーカル              :エリック・クラプトン
ベース、ハーモニカ、ピアノ、ボーカル     :ジャック・ブルース
ドラムス、ボーカル             :ジンジャー・ベイカー
ロックにブルースを持ち込み、マーシャルのアンプとギブソンのギターでフルボリュームにして音を歪ませてライヴ演奏をした音楽スタイル。そのギタリストだったエリック・クラプトン。
クラプトンはいつからあのようなギタープレイをするようになったのでしょうか。
このBBCのライヴを聴いて、なにかわかるかなと思いましたが、既発のライヴアルバムのようなテンションは感じられませんでした。ともあれ、クリームが米国に渡り、フィルモアなどでライヴをするうちに、音がどんどん大きくなってギターを長々と弾き始めたのが1968年頃だったとすると、とんでもなく密度の濃い年代だったに違いありません。
2003年にして初お目見えとなったこのBBCライヴですが、どの曲も2〜3分の曲で占められていてちょっと拍子抜けといった感もなきにしもあらずです。長々と続くギターソロはつまらないという口の方で、「ストレンジ・ブルー」「サンシャイン・ラブ」といったヒットナンバーを知っている一般の洋楽ファンが聴く手頃なライヴ盤としてはお薦め盤といえます。