似非DSPシステム(仮称)の紹介―――
似非職人工房の提案する MSXシステム拡張の新提案
――― |
プロセッサ
パソコンの多くはCISC-CPU、セガサターン や プレイステーション 等はRISC-CPUを搭載している。DSPはAV機器などで採用されている。 DSP デジタル信号処理に適したプロセッサ。ハーバードアークテクチャのメモリ構成や高速な積和演算機能を特徴とする。DSP機能の一部は Pentium にも MMX命令 として入っている。 ADSP-2106xシリーズ アナログデバイセズ社 製の32bits浮動小数点DSPのシリーズ。メモリ空間は4Gワードある。今回の試作版では評価キットの関係で21061(40MHz)であるが 21065(60MHz)も検討中。SD-RAMとの接続性や価格、速度面で有利だからである。 |
■似非DSPシステムとは多くのカートリッジを1つの似非DSPで実現させることが出来れば、あなたの机の上もスッキリとします。 それだけでなく、DSPの高い演算能力を利用して、今まで出来なかった様な高品質な画像や音声の処理をMSXで実現する事も夢ではありません。 ■開発の背景MSXカートリッジの多くは、ハードディスクへのアクセスやメモリの増設、FM音源など、1つの機能しか果たさないものでした。何らかの専用LSI(FM音源チップなど)を核として作られていたからです。 もちろん既存のカートリッジのエミュレーションばかりではなく、三次元画像の演算や音声認識などもDSPで処理させるといった、さまざまな応用の可能性も併せ持っています。 ■システム構成似非DSPシステムは、 ADSP-2106xシリーズのDSP を核とした、MSXカートリッジバスのエミュレーション部およびホストインターフェース部から構成されています。 バスエミュレーション部は、MSX本体からのメモリやI/Oアクセスが発生した時に、DSPに対して割り込みを発生させます。この割り込みによって駆動されるDSP内部のバスエミュレーションプログラムは、MSXからのカートリッジに対するアクセス要求を判断し、適切なカートリッジのエミュレーションを行います。 ホストインターフェース部は、単なるカートリッジのエミュレーションに限らない、MSX(ホスト)とDSPとの共有メモリやDMAを介した密な結合を実現します。この時には、バスエミュレーションに使用していたDSPのプロセッサパワーを他の処理に回すことが可能になり、DSPの処理能力をフルに発揮させることができます。このホストインターフェース回路を使用した場合、MSXと似非DSPを含めたシステム全体を、一種のマルチプロセッサシステムとして動作させることが可能となります。 |
■多様な応用例まず、既存のカートリッジのエミュレーションが考えられます。PSG、SCC、MSX-MUSIC、MSX-AUDIO、MoonSound、マッパメモリや 似非RAM などのカートリッジのエミュレーションは、似非DSPの基本的な利用と言えます。特に音声カートリッジのエミュレーションでは、DSPからの音声出力をMSX本体を介さずに直接取り出すことが可能であるため、音声回路の貧弱な機種でも高品位サウンドを満喫することができます。もちろん、「と〜く○ん」といった、あまり普及しなかったカートリッジのエミュレーションをさせる事も楽しみ方の一つとしてあるでしょう。さらに拡張スロットもエミュレーションし、似非DSP一台で複数のカートリッジをエミュレーションしてしまう事も、利便を考えると必要になってきます。 また、300音同時発音が可能なPSGやステレオ出力のSCCなど、一見冗談のようなカートリッジを実現してしまうといった荒技も考えられます。「拡張スロット+グラディウス2+沙羅曼蛇+新10倍カートリッジ+SCCのステレオ化=新20倍カートリッジ(仮称)」といったすさまじいエミュレーションも可能でしょう。 もちろん、MPEGやJPEG展開、三次元処理機能つきの画像プロセッサというような新しいオリジナルのハードウェアを実現することも可能です。DSPのプログラミングによって、ふと思い付いたオリジナルのハードウェアを半田ごて無しで実現してしまうことができるというのも、似非DSPの大きな特徴と言えます。 ■開発進行状況現在は見た目通りで試作の段階、しかもハードウェアの組み立てがようやく終わった所です。まだ皆さんにデモンストレーションを行えるレベルには至っていません。 |
MSX-MUSIC FM-PACやMSX2+/turboRに搭載されているFM音源。広く普及した。 MSX-VIDEO(V9938)と共に開発されたFM音源ユニット。PCM/ADPCMの録音・再生が可能。価格の関係か、先のMSX-MUSICが主流。 Sunrise Swiss から発売されていたFM+WAVE音源カートリッジ。現在販売されていない。 と〜○まん
エミールソフト開発から発売されていたPCMの録音と再生が出来るカートリッジ。おしゃべり時計などのアプリケーションがあった。 画像プロセッサとしての可能性 MSX内蔵VDPと置き換わるというのは技術的に困難。別のI/O番地を利用したものになる見込みが高い。 |
DSPのアセンブラプログラミングの練習と評価を兼ねて、DSP単体で動作するSCC音源のエミュレーションプログラムを書いてみました。DSPボードにつないだスピーカーから、MSXの香りあふれるSCCサウンドが流れた時には、感慨深いものを感じました。開発機材揃えたいな。 (柏崎) | 半年前の 似非セミナー や個人的な機会に、今まで少なくない数の人に似非DSPの説明を試みたのですが、正直言って誰にも理解してもらえていない気がします。今回のペーパーでも不十分であることは否めず、やはり実物を用意する必要性を痛感しています。テクトロのTDS220欲しい。 (辻川) |
〒346-0016
埼玉県久喜市東3-1-7関口ビル403 辻川和広 方
似非職人工房
e-mail: tujikawa@hat.hi-ho.ne.jp
Copyright (c) 2001 ESE Artists' Factory, All rights reserved.