カメラのページ・FujiFilm FinePix4500(富士フイルム ファインピックス4500)



 
Fujifilm FinePix4500


 2000年発売(既に製造中止)。独自のハニカムCCDを採用した、コンパクトな単焦点デジカメです。外装色は4色(シルバー、ブラック、ブルー、ピンク)の設定がありました。購入時たまたまシルバーの在庫がなくてブラックにした(ピンクもありましたが、さすがにこれは論外)のですが、少々中途半端な感じもする“黒”(ダークグレーと言えなくもない)で傷も目立ちそうなので少々逡巡したのは事実です。でも、撮影時にあまり目立たないので結果的にはOKだったかも。割と気に入っています。



 搭載レンズは8.3mm(35mmカメラ換算で36mm相当)の単焦点です。デジタルズームは可能ですが、ズームレンズではありません。

 どんな商品でも“売れ筋”となるべく開発されるのは当り前。35mm一眼レフでもお手軽タイプでは35-70mm程度のズームレンズが事実上の「標準」レンズとなっている現代にあって、「単焦点レンズ」のデジカメなんてものが今後商品化される余地は限りなくゼロに近いでしょう。にも拘わらず当時この4500で単焦点レンズが採用された理由は、恐らくはコンパクト化のためだったのでは。実際、単3電池2本を収めたスクエアで薄型・フラットなボディは、小型のバッグでもちょっとした隙間に滑り込ませることができて、携帯にはとても便利です。

 デジカメらしい?つるりとしたボディですがホールドした感じも良好で、滑って落としそう…ということはなく、自然に安定して構えることができます。厚みが適当であること、ボディ前面の放物線状の意匠が効いているのでしょうか。


 レンズには正直言ってさほどコストが掛かったという感じもしません(笑)が、逆にキリキリとシャープさを追求した感じにならない、いい意味で曖昧さを残したような絵造りができます。ただ、レンズ前玉が前面ギリギリまで出ていることもあってか、逆光には弱い。窓辺の撮影みたいなシチュエーションでは却って自然な感じもしますが、屋外での逆光気味の撮影では結構メロメロになります。レンズ鏡胴前面には面積的に余裕があるので、黒紙等でフードを自作し貼り付けてやるといいのかも。歪曲収差は僅かに樽型で長辺側の画面の端に直線が来ると少々気になることはありますが、このクラスではどちらかと言えば少なめな方でしょう。

 ソフト的には、その場の光をうまく生かすことに長けており、ホワイトバランス(WB)はオートのままで結構イケます(実はこれってWBのオート補正の範囲が狭いってことなのかもしれませんが、タングステン光では赤っぽく、日陰では少々青っぽく発色するってのは、考えようによっては一番自然なのでは?)。またフジ独自のハニカムCCD(240万画素、記録は432万画素相当)搭載機を使ったのは初めてですが、割といい(失礼)のかも知れません。本機で撮影した画像をPC上で拡大してみると、単純な四角いピクセルの集合体ではなく、何となく大伸ばしした銀塩の画像で見えてくる粒子のような雰囲気になっています。レンズの性能に因る部分等とオーバーラップしているかも知れませんが、恐らくはCCDの画素間を補完するような制御になっていることが効いているのでしょう。

 あと、使い勝手の上で結構気に入っているのは、シャッター半押しでAE・AFロックすると液晶モニタにシャッター速度・絞り値が表示される点。絞り(F2.8・9.8の2段階しかない)の方はともかく、何分の一でシャッターが切れるのかをレリーズ前に把握できると安心感が違います。こういう発想は電器屋さんたるソニーにはないでしょうね。本機の最も優れている点の一つです。

 付属充電池は単3型ニッケル水素2本(1600mA)ですが、例によって2100mA等の容量アップ型に置き換えることで持久力が伸ばせます。そこまでしなくても、結構電池のもちは良いほうかと思いますが。ただ、CCDあるいは液晶モニタの仕様のせいか瞬間的な大電流が必要なようで、アルカリ電池は基本的に使えません。全く使えない訳ではないですが、新品でもすぐにローバッテリの警告が出てしまいます(他のカメラやスピードライトにはまだまだ使えるだけの容量が残っていても)。説明書にもアルカリ電池は“緊急避難”用であって、止むを得ず使う場合にはモニタを消してファインダーを使った撮影をしろ、と書いてあります。



 では欠点は…?というと、先ずは液晶モニタでしょうか。E990(ニコン)でもそうですが、晴れた日の屋外撮影ではハッキリ言って表示画像自体がよく見えません。また表示される画像の色調にはさほど違和感はありませんがやや厚ぼったく塗り潰したような印象があり、シャープネスではかなりの物足りなさを感じます。じ〜っくりと見ても、ピント位置の確認は難しいです。決して高精細と呼べる代物ではありません。

 撮像感度はISO200相当(固定)ですが、暗い場所でのピント検出が苦手なため“200”という数字から受ける印象よりも暗めの場所に弱い、というのが泣き所です。もともと小型軽量機ですからスローシャッターを切るのは難しい訳ですが、もう少し低照度側に強くてもいいかなぁという感じです。マニュアルモードでもMFはできないので、目測でピント固定といったワザも使えません。感度200固定ですが、仮に400や800があっても全く意味がないでしょう。



 この他、細かいことを言うとスマートメディアの出し入れがし難い(電池室とメディアスロットが接近しているためバッテリ端子に指で触れてしまい、皮脂で汚しやすい←接触不良の原因)とか、不満な点は幾つかあります。でも、モニタが外で見難いのは殆どのデジカメに共通して言える問題ですし、本機は比較的短所の少ないデジカメと言えるかも知れません。動画撮影を音声入りで比較的長時間(128MBで約6分。但し320×240pixel)行え楽しめる機能も搭載していますし、何よりも良好な画像が得やすいこと、手軽に持ち歩け、バッテリも汎用品が使える、ということで、よく出来たデジカメだと思います。


主要スペックは以下の通りです。

・撮像素子  : 1/1.7インチハニカムCCD
          (総画素数2.4メガピクセル)
・有効画素数 : 2.2メガピクセル
・記録画素数 : 2400 ×1800 pixel
           1280 × 960 pixel
            640 × 480 pixel
・レンズ : Super EBC Fujinon 8.3mm F2.8
        (35mm換算で36mm相当)
・液晶モニタ : 1.8インチTFT 11万画素
・記録媒体 : スマートメディア
・撮像感度 : ISO 200相当
・その他  : 動画撮影可能(音声同時記録)
・サイズ  : W85.5×H71.0×D28.5mm 重量155g(本体のみ)