カメラのページ Nikon 35Ti (ニコン 35Ti)



 
Nikon 35Ti


 コンタックスT2(注1)を皮切りに、沈胴式レンズ搭載のいわゆる高級コンパクトカメラが結構流行りました。35Tiを購入したのは確か社会人になって4年目位だったのですが、当時はお気に入りの一眼レフもご多分に洩れず使用頻度が著しく下がり、というよりも殆どカメラに触らない状態が続いていました。

 なにしろ一眼はどんな撮影にもほぼ対応できる万能選手と言ってよいのですが、まず第一に携帯にはおよそ不便な形状ですし、ラインナップを見て頂けばお判りのように私の所有一眼は重いものが多いので尚更です。「いくら良いカメラを持っていても使わないのでは意味が無い」等々、理屈は色々考えるのですが実際には持ち歩くことも無く(会社に持っていったりすると変人扱いされる恐れもありますし。ゲージュツを志すものはそんな迫害にメゲてはいけないとも思いますが、中々…)、写真との関係は疎遠になる一方でした。

 と、そこへ登場したのがこの35Tiです。これがあればカメラを常時持ち歩けるではないか!と考えたわけです。


 
 35TiがT2を大いに意識してデザインされたことは明白(サイズもほとんど一緒で、0.5mm厚いだけ。実はニコンオリジナルの革ケースはジッパー式で使いにくいので、私はT2のケースを使ってます)で、スペックも似たようなものでした。が、店頭で比較した結果、結局35Tiを選びました。理由は、

    といったところです。

 勿論気に入らないところもあります。

   等です。

先ず1.ですが、これは有名な話ですし、買う前から分かっていたことなので良しとしましょう。
また、2.も自分で照明のボタンを押せば済むことなので、まあ大した問題ではありません。
3.についてはX接点(と言ったってレンズシャッターですから、そのような適当なシャッタースピード)が欲しいところですが、まあ一時復帰モードで我慢することにしましょう(ただ、そのためには”SET”ボタンを押しながらメインスイッチをPにする必要があるのですが、これが非常にやりにくく、しばしば失敗して通常の撮影状態になってしまう)。
4.も、沈胴式ですから止むを得ないですよね。もしはめ込み式フィルタがあったとしてもコワイ気もしますし、またどうしても使いたかったら、自分の責任で使えばいいのですから。

 大問題なのは5.です。カタログによれば35Tiには一眼を超えるようなレベルのニッコールレンズが搭載されており、実際良いレンズだと思うのですが、折角800ステップ以上ものレンズ駆動をしても、測距ミスをしたのでは何にもなりません。

 最初のうち、なんだかピントがカチッとこないなあ、と思い、もしかしてこれは不良品か?と思ったのですが、色々実験をしてみると、被写体が近かろうが遠かろうがピントが合う時もあれば合わない時もあり、要するに精度が低いのだろう、という結論に達しました(いや、そんなことはないよ、という方!いらっしゃいましたら是非メールください)。

 さらに、35Tiはアクティブ方式AF(ごく一般的なコンパクトカメラと同じ)なので、これがイカんのか?と思ったのですが、人に聞いてみたところ、例えば、最近かなり評価の高かったリコーGR1(パッシブ方式)でも測距性能には不満足という声があり(注2)、必ずしもそのせいではないようです(コンタックスTVS・TVSUやミノルタTC−1のユーザーの方!あなたのカメラはどうですか?是非メールで教えて下さい)。

 結局は仕方が無いので、基本的に絞り優先モードで使うことにし、幸い距離メータが付いているので一々確認する(と言っても結局はカンなので、いっそのこと最初から目視で合わせ、絞っておくこともしばしば)ことで概ねOKということにしてます(写真は絞り優先モードでf5.6に設定した状態)。

 なお、名誉のために言っておきますが、さすがに露出制御はとても良好で、リバーサルでもほとんどの場合そのままでイケます。

 でも正直なところ、なんか消化不良みたいで嫌なんですけど… ニコンさん、何とかしてくれませんか!ついでに言えば、デート(日付)機構とパノラマ機構は不要です。

■ 35Ti追記 ■

 やろうかどうしようか、と随分迷っていた(というより怠慢?)ことを、 '99年に入って早々に実行に移しました。以下の2点です(上記「気に入らない点」参照)。

 ・強制発光・発光禁止スイッチの改造
 ・AFのチェック

 ご存知の方も多いと思いますが、35Tiより後発の28Tiでは、この強制発光・発光禁止スイッチは押しボタン式からスライドスイッチのセレクタに変更されており、35Tiのスイッチを28Tiのものに交換する改造をニコンのSC等でやってくれます(費用はおよそ¥7,500でした)。

 やってみて分かりましたが、改造の結果は非常に良好です。上記の気に入らない点1.〜3.がすべて解消されました。

 すなわち、@スピードライト自動発光(標準設定)にしておくと、低速シャッターを切れば済むところで早々に発光されてしまい、頻繁にキャンセルボタンを押しながら撮影せねばならず、Aさりとて、カスタマイズで自動発光禁止にセッティングすると、一時的に発光させたい時には強制発光ボタンを押しながらの撮影(しかも上記の如くスローシンクロになってしまう)あるいはカスタマイズの一時復帰操作という、いずれにしても操作性の良くないことをしなければならない、という2点の板挟みで悩んでいて、で、どちらかと言えばまだマシなAを選んでいたわけです。

 しかし、スピードライトの強制発光・発光禁止スイッチがセレクタ(強制発光・自動発光・発光禁止の3ポジション→)になったことにより、自分でカスタマイズ設定をする必要はなくなり、標準設定のままで発光禁止にしておくことが出来るようになりました。そして同時に、普通のスピードライト撮影(自動発光ポジション)、日中シンクロあるいは低速シンクロ撮影(強制発光ポジション)の切り替えも簡単なセレクタ操作一つで出来るようになりました。しかも、当然ながらファインダー内表示の照明(イルミネータ)もオートでなされるのです。

 まあ、強いて難点を言えばセレクタレバーの動きが多少軽すぎる(バラツキかもしれませんが)気はしますが、この改造は大成功でした。同じような不満を感じておいでの35Tiユーザの方には、是非とも改造なさるようオススメします。

 なお、気に入らない点の5.AFの件ですが、メーカーのチェックの結果特に問題はなく、不良品ではないことが確認されました。といって、別段AF精度の低さが解消したわけではありませんが、疑心暗鬼の状態からは開放されたわけで、後は自分の使いこなしでこの欠点をカバーしてゆけばよい、という、言わば覚悟が出来たのでなんとなくスッキリしました。ニコン日本橋SC(当時)のHさん、有り難うございました。