日本の医療保険制度

日本では、公的に運営される医療保険制度にて、原則全国民の医療費負担リスクをカバーしています。このことを国民皆保険制度と言います。日本の制度では、歴史的な経緯から、数多くの保険者(保険を運営する団体・組織)がありますが、原則として健康保険(健保)と国民健康保険(国保)の2つの基本的な形態で理解することができます。

健康保険(健保)のしくみ

健康保険(以下から”健保”と称します)は、保険者の種別によって、組合健保(組合管掌健康保険)と政管健保(政府管掌健康保険)の2つに分類することができます。主に公務員を対象とした共済(共済組合)という種別もありますが、基本的には組合健保と類似した保険として考えることができます(その他、日雇健保や船員保険等の種々の保険がありますが、ここでは規模の大きい健保のみを説明したいと思います)。組合健保は、主に規模の大きい企業やその業界団体が独自に組織したもので、対象者はそれら企業に勤める労働者と家族、保険者はその企業ごと(もしくは業界団体ごと)の組合です。政管健保は、それ以外の労働者と家族を対象にし、保険者は厚生労働省管轄の社会保険庁です(だだし2006年5月現在、その在り方に関して改正が検討されています)。

国民健康保険(国保)のしくみ

国民健康保険(以下から”国保”と称します)は、主に農林業業者や自営業者を対象者とした医療保険で、原則として健保加入者以外は国保に加入することとなっています。保険者は、市町村です(この他に同業者が集って設立された国保組合という保険者がありますが、ここでは代表的な市町村国保のみを説明したいと思います)。近年、農林業業者や自営業者以外の住民の加入が増えている傾向にあり、各市町村国保は厳しい財政運営に直面しています。


日本の老人保健制度・介護保険制度

従来、高齢者の健康を確保する政策は、福祉(高齢者福祉)の分野において、取り組まれてきました。しかし本格的な高齢化社会の到来を迎え、統一的な制度整備が必要とされ、老人保健制度(以下から”老健”と称します)が創設されました。老人保健制度では、保健事業と医療事業という2つの主要な事業あります。保健事業では、健康診断や健康づくりと言った健康確保、疾病予防のための事業を行います。医療事業は、高齢者の医療サービス利用に関する費用負担に関する事業となっています。
 老人保健制度が20数年経ち、高齢者を取り巻く環境の変化、および介護ケア・ニーズの高まりに呼応して、介護保険制度が創設されました。介護保険でカバーされるサービスは、主に施設介護サービスと居宅介護サービスの2つがあります。近年、介護保険財政の厳しさから、両サービスのあり方や報酬設定の見直しが実施されています。


名古屋における医療と介護・健康に関する研究

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