沖縄経済と財政
(2004年度夏季:集中講義)


連絡事項


基本情報


シラバス(June 24, 2004)

【講義内容】沖縄県では、沖縄振興計画をはじめとして、政府による多くの経済政策が実施されています。これら沖縄振興の施策においては、沖縄経済の現状把握とその財政制度の概要を理解することが重要な知識となっています。本講義では内田(2002)の教科書を利用して沖縄経済の概要について説明した上で、本教官が選択した沖縄における経済振興策や財政制度の概要を説明することとします。講義は、主に経済政策における政策形成能力の向上を念頭において、進めることとします。

【使用するテキスト・読書リスト】本講義ではテキストを利用します。以下に指定する予習範囲を読んでいることを前提として、講義を進めることとします。

参考文献1は、地域経済を分析するための基礎的なツールを説明した分かりやすいテキストです。参考文献2は、経済統計の意味や、戦後日本経済の歩みを知る上で不可欠な本です。参考文献3は、沖縄経済の現状をグラフ化したデータから鳥瞰した沖縄経済入門書です。

【他の授業科目との関連】指定はありません。

【単位要件】成績評価は、第1回目の講義時間中に説明します。

【その他】夏季・集中講義期間中は、このURLで授業情報を掲載します。

【講義資料】

以下のレクチャー・ノートやハンド・アウトは、PDFファイルで保存されています(PDFファイルとは、ページ設定のあるノート形式の文書で閲覧できるファイル形式です)。PDFファイルを読むためには、Adobe Acrobat Reader(free)をダウンロード・インストールする必要があります。ファイルのサイズが大きいので、CD-ROM付きパソコン雑誌の付録に入っていることがあるので、それを購入してインストールする方がいいかも知れません。

【以前の授業情報】


講義予定(逐次更新します)

以下の日程には、予備日を入れて余裕を持たせていますので、実際の進度に応じて変更する可能性があります。

  1. 月11日・6時限目:イントロダクション・沖縄経済の概要 この講義の方針と講義計画を説明した後、沖縄経済の概要について説明します。
  2. 8月11日・7時限目:沖縄における復帰特別措置と振興開発特別措置 この講義では、沖縄経済の現状に関する議論を紹介し、そのキーワードの意味を説明します。ここでは、受講者が沖縄経済のイメージを把握できるようになることを目指しています。
  3. 8月12日・6時限目:沖縄の産業構造と企業誘致策の帰結 ここでは前回に引き続いて、より詳しい沖縄経済の現状や歴史、その基本的概念を企業誘致策を中心に説明します。特に沖縄振興開発計画が実現しようと考えた目的の意義について説明します。
  4. 8月12日・7時限目:(コメント・シート1に基づく討論) この詳細は、講義時間中に説明します。
  5. 8月13日・6時限目:沖縄県財政と沖縄振興予算 この講義では、財政制度としての沖縄振興開発特別措置の流れを説明しようと考えています。そして沖縄振興開発計画と沖縄県の関係について検討することとします。
  6. 8月13日・7時限目:沖縄の金融市場構造 沖縄では、金融に関する関心が非常に低いことが指摘されています。ここでは、基本的な金融のしくみとその業態について説明し、沖縄における金融業の現状を説明します。
  7. 8月14日・2時限目:沖縄の労働市場構造 沖縄では年平均失業率が9%前後と非常に高い値を示しており、その失業対策が急がれています。この講義では、沖縄における失業の現状と、労働市場の特性について説明します。
  8. 8月14日・3時限目:(コメント・シート2に基づく討論) この詳細は、講義時間中に説明します。
  9. 8月14日・4時限目:沖縄におけるIT産業振興と経済学的含意 近年、沖縄における産業誘致や育成は、IT(Information Technology)と呼ばれる情報通信技術を生かした企業がその対象となっています。ここでは、IT産業の現状とその経済学的解釈について紹介します。
  10. 8月14日・5時限目:沖縄の観光産業の現状 現在、観光サービスは沖縄における主要産業の一つとなっています。しかしこれまで沖縄観光を包括的に分析したものはなく、沖縄観光のイメージは非常に曖昧なものとなっています。ここでは、復帰後30年に辿ってきた沖縄観光の変遷について説明し、沖縄観光の現状を検討します。
  11. 8月15日・2時限目:沖縄の物価と地価 沖縄は比較的物価が低廉な地域であるとされています。しかし家電製品をはじめ、県外から移入される製品については、その割高感が指摘されています。ここでは、沖縄の物価特性について説明することとします。
  12. 8月15日・3時限目:(コメント・シート3に基づく討論) この詳細は、講義時間中に説明します。
  13. 8月15日・4時限目:官主導の振興策の経済的帰結 最後に、官主導の地域振興策の帰結と、地域を振興するとはどのような意味なのか、そしてどのようなことが地域社会に求められるかを考えてゆきたいと思います。
  14. 8月15日・5時限目:(総括:コメント・シート4に基づく討論、授業評価) この詳細は、講義時間中に説明します。

沖縄経済を知るための参考文献シリーズ

沖縄経済の現状(全般)

内田真人著『現代沖縄経済論−復帰30年を迎えた沖縄への提言−沖縄タイムス社,2002年.

この本は、内田真人氏が日本銀行那覇支店長時代に、沖縄経済の全体像を経済データを駆使して取りまとめたものです。少し難しい内容も含みますが、沖縄経済の特徴を余すところなく捉えています。また沖縄という地域だけでなく、経済学一般の分析対象となるテーマも数多く含まれ、地域経済学の研究書としても好著になっています。

富永斉編著『図でみる沖縄の経済』緑風舎,2003年.

この本は、主に琉球大学法文学部の総合社会システム学科(経済学専攻)の教員が中心となって、沖縄経済の現状を図やグラフを利用して説明を試みた本です。またこの本は、1979年に旧版(山里将晃編著『図でみる沖縄の経済』新報出版印刷,1979年.)が出版されており、それと比較して読むことも興味深くなっています。

沖縄国際大学公開講座委員会編『沖縄経済の課題と展望』那覇出版社,1998年.

この本は、主に沖縄国際大学の商経学部の教員が中心となって、沖縄経済の現状と課題を取りまとめたものとなっています。内容は、大学が開催した公開講座の講義録を補筆して収録されています。沖縄経済の課題を包括的に理解するテキストとして、非常に高い価値を有しています。

その他の文献については、2003年度後期・財政学特殊講義U:沖縄経済と財政(琉球大学法文学部)を参照してください。


表紙