旅日記のコーナーです。

「18きっぷ」で行く吾妻線 温泉満喫の日帰り紀行
2005/3/6更新 (第32回)


 ▲山々をバックを走る吾妻線の列車
 こんにちは。当コーナーでは大変久しぶりの更新となりました。
 3月に入り、「青春18きっぷ」が使える初めての週末となった5日(土)、吾妻線(渋川〜長野原草津口〜大前)に乗って群馬県の名湯を楽しんできました。
 少し長くなってしまいますが、その感想などを記してみたいと思います。

■早朝、上野駅での乗り継ぎ合戦

 東京方面から吾妻線に乗る場合、あまり接続が良いとはいえず、朝の列車を逃すと2時間ほど間隔が開いてしまいます。
 それに乗るためには、上野5時13分発の高崎線始発電車に乗る必要があります。1日を有効に使うため、早起きをしてみました。
高崎線の列車
 ▲高崎線を走る新型電車。
 グリーン車が連結される列車も
 多く、料金別払いで「18きっぷ」
 でも快適な旅が可能に。

 東京5時2分発の京浜東北線に乗ったのですが、この列車が上野に着くのは5時9分。
 東北本線と常磐線の始発列車がいずれも5時10分発のため、上野到着と同時に"運動会状態"に……。
 ほとんどが無事乗車できたようで、わずか1分でも乗り継げるんだなあ、と感心してしまいました。私の乗る高崎線の始発列車は4分接続なので、もちろん楽々でした。

吾妻線と関東近郊MAP
■ローカルな雰囲気漂う吾妻線

 上野から普通電車で約1時間40分で高崎に到着です。7時25分発の長野原草津口行に乗り込みました。
 吾妻線は高崎より先の渋川が起点ですが、全列車が高崎方面へ乗り入れています。
早朝の列車は空いていた この路線には、窓に背を向けて座るロングシート電車もあるのですが、今回は東海道線色の古い電車が3両。しかも空いていて快適です。

 渋川を過ぎると単線となり、列車の乗り心地も多少悪くなりました。途中の駅では反対列車との行き違い停車もあり、次第にローカル線の雰囲気になってきました。
車窓には榛名の山並みが広がる
 昨夜、関東一帯で雪が降ったため、左手には雪景色と雄大な榛名の山並みを望むことができ、早朝の眠気さえ吹っ飛ぶ美しい車窓が続きます。

 途中の小野上駅を過ぎた辺りからは、左手に吾妻川が寄り添ってきました。吾妻線の車窓を楽しむ場合は、左側がおすすめかもしれません。
草津温泉行のJRバス
 ▲草津温泉へは駅直結の乗場から出発

■草津温泉の素晴らしき共同浴場

 渋川から1時間で長野原草津口に到着。駅名の通り、草津温泉への入口駅です。
 草津温泉行のJRバスは駅直結のターミナルから出発。約30分(640円)で草津温泉バスターミナルへ着きました。
草津温泉のシンボル「湯畑」
 ▲草津温泉のシンボル『湯畑』
 バスターミナルから5分ほど歩くと、草津温泉のシンボル『湯畑』があります。
 源泉を汲み上げて湯の花を採取する場所で、硫黄の香りと湯煙が漂う中、滝のようにお湯が溢れ出ています。

 昨今、沸かし湯や循環湯を使う温泉も多い中、ここは正真正銘の「温泉」であることが実感できる場所です。
千代の湯
 ▲「湯畑」近くにある千代の湯

 そして、草津温泉の素晴らしいところは、地元民用の共同浴場が18ヶ所もあり、そのすべてに無料で入られることです。

 早速、湯畑の近くにある『千代の湯』に行ってみました。

 ▲草津温泉街には風情ある街並みも
 5人も入れば満員になるような小さな温泉でしたが、湯質も良くほのぼのとした雰囲気が一杯でした。

 すべての温泉を巡ってみたい気分になりましたが、これは次回の楽しみに取っておくことにして、再びバスで長野原草津口駅に戻りました。

大前駅と列車
 ▲雪に埋もれていた終着駅・大前
■寂しい終着駅・大前へ

 長野原草津口からは、12時5分に出る大前行に乗って吾妻線の全線完乗を目指します。
 15分ほどで万座・鹿沢口駅に到着。万座温泉への入口駅であり、列車の多くがこの駅止まりなのですが、高架上に片面だけのホームで、少々、貧弱な感じもしました。


大前駅の駅名板 そこから5分ほどで、いよいよ吾妻線終着の大前駅にたどり着きました。
 片面ホームがポツリとあるだけの静かな無人駅で、駅前には嬬恋温泉の一軒宿「つまごい館」くらいしか見当たりません。列車に乗ってきたのはわずか5名。全員が私と同じ「鉄道マニア」でありました。

 1日5本しか列車が来ない終着駅。のんびりと温泉に入るというのもいいかもしれません。


■ダムに沈む「川原湯温泉」で良質な湯を堪能
川原湯温泉駅
 大前から折り返し列車に揺られ約25分、川原湯(かわらゆ)温泉駅に到着。下車しました。
 長野原草津口駅の1つ手前、渋川寄りにある駅で、800年もの歴史を持つ温泉地があります。

ダムに沈む…と書かれた川原湯温泉の看板も ここでは現在、『八ッ場(やんば)』という名のダム工事が進んでおり、近い将来には付近一帯が水没させられる予定になっています。温泉街はもちろん、JR線や国道も沈んでしまうため、その付け替え工事も進行中のようです。
国道と吾妻線の線路
 ▲線路(左手)も国道も付け替えに
 温泉の入口には「ダムに沈む川原湯温泉へようこそ」という看板も見受けられ、何ともいえない寂しさを感じました。

 駅から歩いて10分程度で温泉街へ着いたのですが、移転した旅館や家屋も多く、静まりかえっています。飲食店などもほとんどが閉店中。温泉地として寂れつつあることが伺えます。

川原湯温泉の共同浴場「王湯」
「王湯」の露天風呂
 ▲「王湯」には露天風呂も
 共同浴場の『王湯』に入湯。300円という良心的な値段で内湯と露天風呂が楽しめます。源頼朝が開湯したといわれるためか、建物には笹竜胆(ささりんどう)の家紋が大きく掲げられており、歴史の深さを感じました。

 貸切状態の内湯と露天風呂をはしごし、肌がつるつるする良質な湯を堪能しました。

 それにしても、今時ダムを作って街を沈めるなんて、時代錯誤のような気がしてなりません。

 特に「飲み水対策」などとして、東京都をはじめとした都県が税金を使って作っているかと思うと、風呂に入りながら腹立たしいやら情けないやらで、複雑な気分になってしまいました。


 以上、吾妻線沿線の素晴らしい温泉地を楽しみながらも、少し考えられさせらることもあった今回の「18きっぷ」日帰り紀行でした。


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