旅日記、徒然に。

冬直前の島旅。夜行船に乗って伊豆大島・新島へ
2004/11/24更新 (第30回)
 
 このコーナーもこれで30回目を迎えました。いつもご覧頂きありがとうございます。
 近頃、めっきり寒くなってきました。長い冬がすぐ近くまで近づいてきていることを痛感します。
 そんな中、伊豆大島新島に行ってきました。
利島をバックに航行する「かめりあ丸」

 以前にも少し触れましたが、私は鉄道や路線バスの旅だけでなく、日本の島々を全部巡ってみたいという思いを抱いているのですが、なにぶん島への旅はお金と時間がかかることが多く、関東でも未だ猿島初島へしか行けていません。

 今回、ようやく伊豆七島へ踏み出すことができたのは、来島者に1泊3000円の宿泊助成金を出すという公的支援事業(2005年1月まで)が行われていることが大きかったです。税金で観光客誘致を行うことの是非もあるかと思いますが、旅行者にとっては非常に有り難く"公的資金"を使わせていただくことにしました。

 以下、また冗長な報告記になってしまいましたが、ご興味のある方はお読みいただければ幸いです。


 ▼甲板・通路にまで人が寝る 大人気の夜行フェリー

大島・岡田港で
▲大島・岡田港に着いた夜行客船
 現在、東京から伊豆大島まではジェットフォイルが就航しており、わずか1時間45分で行けるようになっています。
 ただ、初めて行く島に短時間で行くのは味気ない気がしたので、往路は大型の夜行客船「かめりあ丸」で8時間かけて大島へ行くことにしました。
(船便の詳細は東海汽船へ)
 この夜行便は週末を中心に東京竹芝桟橋から伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島を8〜11時間かけて結んでいます。料金が最も安く、現地で時間を有効に使えることなどから高い人気があるようです。
夜行便「かめりあ丸」の甲板で
夜行便「かめりあ丸」の通路で
▲甲板にも通路にも若い人が…
 11月中旬のオフシーズンとも思える週末に乗ったのですが、数週間前から指定席(二等の座敷席でさえも全指定)が売り切れ、当日は「立席」の乗客が多数乗船。甲板に寝袋で寝たり、通路で敷物を引いて宴会したり、まるでお盆か正月期のような風景が繰り広げられていました。

 金曜ということもあるのか、客層も常連客と見られるサーフィン目的の若者や釣客が大半を占めており、離島へ渡る連絡船旅情というものはあまり感じられません。さすがは都心からの行ける離島観光地です。
 しかし、個人的には昔の鉄道全盛期時代の夜行列車の自由席のような感じがして、悪い気分ではありませんでした。
かめりあ丸の二等座敷席

 少し残念なのは、二等席が船底深い所にあり、かつ座敷には駐車場のようなラインが敷いてあって多少窮屈なことでしょうか。飲んで寝るくらいしか楽しみはありません。景色も見える通路で酒盛をする若者や釣客たちが少し羨ましく思えました。


 ▼ちょっと理不尽? 伊豆大島の二つの港
元町港の出港地案内
元町港の出港地案内
▲元町港前のバス停には
当日の出港地が掲示される。

 
船内の雰囲気にも酒に飲まれ、二日酔いのまま、朝6時に伊豆大島へ到着。今日は岡田港への入港です。大島には元町と岡田という二つの港があり、どちらに行くかは当日になるまで分かりません。

 夜行便は岡田に入港することが多く、それ以外の便やジェットフォイルは基本的に元町になるようです。元町港は大島の中心部にあって便利が良い反面、入江も何もない所にある港なので、西風や高い波には弱く、そんな時は良港の岡田に"避難"することになります。
元町港
 ▲街中心部にある元町港は西風に弱い

 どちらの港に着いてもバスがちゃんと接続しているのですが、船会社の都合で入出港地が変わったのにバス料金がかかってしまうのが難点でしょうか。(バスは東海汽船の子会社なのだから無料にしてくれても…)

 また、三原山へ行く始発バスは少し遅い時間までありませんので、元町港近くにある「御神火(ごじんか)温泉」で一風呂浴びて朝食をとるのもいいかもしれません。夜行便が着く日は早朝営業しており、入湯料割引もあります。


 ▼島内路線バスの1日フリー券を買い、三原山へ
元町港のバスターミナル
▲ほとんどのバス路線は元町港前の
バスターミナルから出発となる。

 
島内には「パノラマシャトル」という路線バスが走っており、ほとんどの観光地や見所に行くことができます。1日フリー券(3000円=2004/11現在)を買って、路線バスの旅を楽しむことにしました。(路線バスとはいえ、観光バスタイプの車両で運転していますが)
朝の三原山

 やはり大島へ訪れたらまず行くのが三原山。最近では1986(昭和61)年に噴火した活火山で島随一の観光地となっています。元町からバスに乗って25分で山頂口に到着。この先は歩いて散策です。

 火口展望台まではかなり遠い(徒歩約1時間)ので、途中で引き返したのですが、それでも黒い溶岩流がいたる所に見ることができ、噴火時のすざましさを感じることができました。


 ▼尾道のような風情残る港街・波浮(はぶ)に感動
波浮港

 
再び元町港へ戻り、次は島南部の波浮(はぶ)へ向かいました。ここは、古くからの天然良港で、昭和初期頃までは漁港として大変栄えていたそうです。当時の栄華を彷彿とさせる古い街並みも残っています。

 生活路線なので地元の人が大半で、路線バス旅の雰囲気が一杯の車内でした。約35分で波浮港へ到着。元町や岡田と違い定期船が来ない漁港のためか静寂な港です。
波浮港の街並み
▲波浮港の美しい木造家屋の街並み
 港のすぐ近くに木造家屋の小さな街並みがあり、その先には「踊り子の里資料館」がありました。波浮は川端康成「伊豆の踊り子」の舞台として有名で、当時の様子を再現した旅館が残され資料館になっています。
 そんな所を見ていても1時間くらいで観終わってしまう位の小さな港街。次のバスは昼過ぎまでなく、高台にある集落まで足を伸ばしてみました。階段坂を上っていると、尾道のような風情を感じます。
波浮の周辺地図
椿の花
▲道端に椿の花が咲いていました
 観光スポットの「旧陣の丸邸」を観ながら集落を抜け、大島一周道路に出ると、大衆食堂を発見。ちょうどお昼なので入ってみました。独占企業?ゆえか廉価とはいえない店でしたが、地元の人が利用する店なので色んな人の会話を聞いているとそれだけで楽しめました。
 再び港に戻り、バスが来るまで港を見ながらぼんやりと過ごしました。子供の遊び声だけが聞こえ、時が止まったような感じです。個人的には、この小ぢんまりした港街が大島で最も気に入った場所でした。

 ▼夜の元町、地魚と「くさや」で島焼酎を満喫

大島公園内にある椿資料館
▲大島公園内にある椿資料館
 夏場などは波浮から島の裏側を通って大島公園へ抜けるバスが1日1本だけあり、島を一周することができるのですが、冬は運休。元町へ戻りました。
 その後はフリーパスの"消化"?に大島公園行のバスに乗り、椿資料館や動物園を見て満喫。やはり料金を気にせず乗れる一日券は有難い存在です。

 大島では民宿の素泊は1泊4200円(どこの民宿でも同程度の価格です)。今回は3000円の助成金が出るので、実質的には1200円で泊まれることになります。
大島の焼酎と地元の食材使った料理で…(元町の居酒屋「おけい」)
 その分のお金を島に落として帰ろうと夜の街へ…。観光ガイドブックに載っている所は避け、地元の人が行きそうな居酒屋を見つけて入りました。地魚の刺身を肴に地元焼酎を1本開け、名物「くさや」にも挑戦。独特の匂いには参りましたが、食べてみると美味なのです。
 また、島の飲食店はどこも価格が高いという印象があったのですが、(観光客から回収してやろう!という雰囲気がにじみ出ている店が多い気がします)そんな中、ここは廉価でさらに満足の夜でした。


 ▼白い砂浜と蒼い海、南国の異国情緒あふれる新島へ
新島港に着いた「かめりあ丸」
▲新島港に着いた「かめりあ丸」

 翌日は早朝からフェリーで新島へ。大島から利島(としま)を経由し約2時間強の船旅だったのですが、新島が近づくにつれ波が高くなり、よく揺れました。さすがはサーフィンのメッカです。
 地元の人によると、冬場はこのような日が多いとのことです。

新島にて
▲美しい砂浜と蒼い海が続く
 港から街の中心までは白い砂浜を眺めながら歩いて15分ほど。路線バスもありません(村営無料バスが1日3本ほどありますが…)。
 夏はマリンスポーツで賑わうにしても、人口3000人に満たない小さな島で、大島に比べると見所は若干少ない気がします。
(新島の見所はこちら

 その分、透き通るような海や、南国の異国情緒あふれる石造りの家が建ち並ぶ街並みは素敵でした。


 ▼海の"新幹線"?ジェットフォイルのスピードは圧巻
ジェットフォイル「セブンアイランド」

 
新島からの復路は再び同じ船(東京からの夜行便が神津島へ行って折り返してきます)で大島へ。ここからジェットフォイル「セブンアイランド」に乗り換えました。
 「ジェットフォイル」は海上を"飛ぶ"ように走る超高速水中翼船で、一昨年(2002年)4月に就航。あのボーイング社が造っているそうです。大型フェリーだと5時間以上かかる大島〜東京間をわずか1時間45分で結びます。(夏場は東京から新島や神津島へも毎日運航)
かめりあ丸を軽々と追い抜く
▲「かめりあ丸」を海上で軽々追抜く

 今日は波が若干高いにもかかわらず、時速70〜80km/hで走っても揺れは少なく快適です。元町を1時間前に出港した大型客船を海上で軽く追い抜いたのは圧巻でした。

 大型フェリーに比べると運賃は4割程度高いのですが、時間を買うと思ったら安いものでしょうか。どことなく新幹線と似た存在に思えました。



大島〜新島間のフェリーから
▲大島〜新島間のフェリーより

 以上、また長くなってしまいました。
 今回行った伊豆大島と新島以外にも、東京都内には利島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、そして青ヶ島、小笠原とまだまだ行きたい島ばかりです。鉄道旅行の合間に、近所?の島旅も徐々に楽しんでいきたいと思います。


▼関連内容
2003/5/5 「初島、清水「塚間の渡し」、江ノ島−3つの小さな船旅」
2003/2/23 「週末にぶらり海を旅する。都会の中の無人島『猿島』」



▼前回10/31 「だいせん」「大阪近鉄」やり切れぬ思いだけ残る秋 を見る▼

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