旅日記、徒然に。

18きっぷでローカル線&温泉をめぐる南東北の旅
〜ムーンライト「えちご」・陸羽西線・鳴子温泉・陸羽東線〜

2004/3/14更新
 (第26回)

 長い冬がようやく緩み、暖かい春の日々がもうそこまで近づいてきました。

 2月の下旬から春の「青春18きっぷ」の発売が始まり、どこへ行くあてもないのに思わず1冊購入してしまいました。先週末、その"消化"に南東北へ行ってきました。
 前回に引き続き、また冗長な旅の報告記になってしまいましたが、よろしくお付き合いの程を…。

今回の「青春18きっぷ」の旅、ルート図

▼「18きっぷ」で金曜夜に旅立つ

 仕事が終わった金曜の夜、夜行快速で旅立ち、日曜日の夜に帰って来れる場所を…と考えました。今のところ首都圏から出る夜行快速は北へ向かう「ムーンライトえちご」(新宿〜新潟)と、西へ向かう「ムーンライトながら」(東京〜大垣)の2本に限られています。
 一週間前にサイバーステーションで指定席の状況を確認したところ、週末ゆえか「ムーンライトえちご」しか空いておらず、北へ向かうことにしました。

 「ムーンライトえちご」を使い、温泉に入って、かつ鉄道にもなるだけ乗っても無理のないスケジュールを、と考えた時に考えついたのが左のルートです。
 陸羽西・東線に完乗して、鳴子温泉に立ち寄り、その日は仙台で宿泊するというものですが、時間的にもかなりの余裕があり、18きっぷの普通列車の旅でもそれほど辛い旅にはならなさそうです。

▼"ブルトレ世代"が喜ぶ?快速「ムーンライトえちご」
ムーンライトえちご号
 ▲特急用車両を使う快速「ムーンライトえちご」


 新宿を23時9分に出る新潟行の夜行快速「ムーンライトえちご」号は、18きっぷで北へ向かう旅には欠かせない存在です。

 昨年(2003年)3月のダイヤ改正以降は、車両が特急用のものに変わったのを機に、かってのように深いリクライニングをする座席ではなくなりましたが、さすがは特急用車両ゆえか揺れや騒音が少なく、寝やすかったような気がします。

ムーンライトえちごの方向幕
 また、我々のような"ブルートレイン世代"が喜ぶ?国鉄型の塗装車両(上の写真のように国鉄時代からの塗装を変えていない車両のことです)を使っているのも、個人的には好感度が高い理由かもしれません。(多分、私のようなマニアだけですが…)

村上駅
 一杯飲んで気持ちよく眠りにつき、気がついたら終点の新潟…。2分の接続で村上行の快速列車に乗り換えです。この快速列車は窓に背を向けて座るロングシートで、景色も見られないためか、それとも通勤電車を思い出すのかは分かりませんが、とにかくよく寝られます。
 約1時間弱で村上に着き、ここから先はディーゼルカーで日本海を眺めながら北上!…のはずなのですが、今日は睡魔に負けて夢の中…。気が付くと酒田に着いていました。

※「ムーンライトえちご」と羽越本線の過去の乗車紀はこちらにあります。

▼陸羽西線の快速「最上川」(酒田〜新庄)の嬉しい演出
酒田駅に停車中の快速「最上川」

 日本海の車窓を犠牲にしてまで睡眠をとったのは、ここ酒田から陸羽西線陸羽東線というローカル線に乗って山形縦断の列車旅を楽しみたいからなのです。

 陸羽西線には「奥の細道 最上川ライン」との愛称が付いているように、最上川に沿って走る景勝ローカル線です。

 その陸羽西線の始発は、酒田の手前の余目(あまるめ)駅からなのですが、列車は酒田始発が多く、ここまで足を伸ばしてきました。
 ちょうど接続していたのが陸羽西線・新庄行の快速「最上川2号」です。酒田と新庄の間(約55km)を約50分で結び、途中の停車駅も3つしかありません。
車内の座席は窓側に向けることができる
 「Mogami-gawa LINE」というロゴマークの入った2両編成の新型ディーゼルカーのうち1両は、1人掛け座席が窓の方向に回転できる"展望仕様"になっており、車窓から最上川を楽しめるような配慮がなされていました。なかなか嬉しい演出です。
雪の中、かすかに見えた最上川
 しかしながら、今日はもう3月だというのにかなりの雪…。窓ガラスが曇ってしまい、最上川もぼんやり見える程度で、車窓を思う存分楽しめなかったのは少し残念でした。これから新緑の時期には、美しい車窓が期待できそうです。

新庄駅内の「ゆめりあ」
▼退屈しのぎにも最適?な新庄駅

 新庄駅から次に乗る陸羽東線の列車までは1時間以上の待ち時間があり、駅の中を少し覗いてみました。山形新幹線の始発駅とはいえ、実に豪華で広すぎるほどの駅構内なのです。
 というのも、駅と一緒に「ゆめりあ」という名のコミュニティー施設が併設されており、物産店や旅の情報コーナー、レストラン、映画館などがあり、時間をつぶすにはもってこいの場所なのです。もちろん休憩スペースもあり、列車の待ち合わせにも有り難い施設かもしれません。

▼陸羽東線(新庄〜小牛田)も快速列車で得した気分
快速「湯けむり」号

 新庄からは陸羽東線で山形県を抜けて、宮城県へ向かいます。

 陸羽西線の「最上川ライン」に対し、東線は「奥の細道 湯けむりライン」という愛称が付けられているように、沿線には鳴子温泉をはじめ、温泉地が点在しています。

ディーゼルカーに貼られたロゴマーク
 10時44分発、陸羽東線・小牛田(こごた)行の列車は「湯けむり」という名の快速列車。陸羽東西線ともに快速列車に乗れるなんて、なんだか少し得した気になります。
 深い雪に埋もれた瀬見温泉、最上と主要駅だけに停車した後、堺田の峠を越えると宮城県、これまでの雪が嘘のように急に青空が広がり、鳴子温泉に到着。ここで下車しました。

鳴子温泉共同浴場「滝の湯」の外観
▼素晴らしき共同浴場、鳴子温泉

 1000年以上の歴史があるという宮城県の著名な温泉地・鳴子は、駅を降りた瞬間から硫黄の香りが漂っており、名湯の雰囲気が一杯です。
 大きなホテルや有名な旅館もありますが、やはり温泉地では地元の人も使う共同浴場に入りたいと思い、向かったのが「滝乃湯」というわずか150円で入浴できる浴場です。
滝の湯の浴槽

 総ヒバ造りの浴槽がとても良い雰囲気で、温泉の香りが強く漂う乳白色のお湯につかると、夜汽車の旅の疲れも吹っ飛んでしまいます。こういう素晴らしい共同浴場に巡り会えると、旅をしていてよかったなあ、という気分になります。
鳴子温泉「滝乃湯」近くの居酒屋で
 ▲「滝乃湯」のすぐ近く。とある居酒屋。
 ここは昼間から開いています。

 温泉ですっかり気分が良くなり、昼間だというのについつい目の前の古びた居酒屋の暖簾をくぐってしまい…。
 宮城県の名物だという「うーめん」(温麺)をすすりながら、地元の名酒を幾杯か味わっていると、もうこの先の行程は一切中止し、この温泉地に泊まりたい衝動にかられました。
 が、何とか鳴子温泉駅に足を向け、次の列車で小牛田へ向かい、東北本線に乗り継ぎ仙台のビジネスホテルにたどり着きました。

仙台城跡にある伊達政宗騎馬像
▼1回250円の観光バスで仙台見物

 翌日は仙台から東京まで帰るだけのスケジュールなので、午前中は仙台見物をすることにしました。
 そんな短時間の観光に有り難いのが観光シティーループバス「るーぷる仙台」です。仙台駅を起点とし、あの伊達政宗像がある仙台城跡などを1周約1時間、250円で巡ってくれます。
るーぷる仙台の車内
 ▲「るーぷる仙台」の車内。
 朝からそれに乗って仙台城へ行き、政宗像を"目視"し、あとはバスに揺られて街の様子などを車窓からぼんやりと眺めていました。
 私のような横着旅行者?にはぴったりのバスで、乗っているだけで観光できるのですから、これほどいいものはありません。これから色んな都市でこういうバスを走らせてほしいと願う次第です。

▼東北本線の"ロングシート苦行"を回避する方法もある?
快速シティラビット号
 ▲快速「仙台シティラビット」号

 仙台から東京へ戻るルートは、海の見える常磐線経由(仙台・岩沼〜上野)にしようと思ったのですが、こういう時に限っていきなりの事故で列車は運休…、仕方なくスタンダードに東北本線で帰ることにしました。
 東北本線といえば、平凡な車窓とロングシート電車の"苦行"が頭をよぎったのですが、仙台11時37分発福島行の快速「仙台シティラビット4号」は、かっての急行型車両を改造した電車でやってきました。
かっての急行用車両の座席
 ▲窓側の肘掛けとテーブルが急行車の証

 快速なので小さな駅は飛ばしてくれますし、かっての急行用車両ですから、シートの幅も広く、快適でした。

 福島では昼食も兼ね、満員のロングシート普通列車などを2本ほど見送って14時10分発「矢吹行」(郡山の4つ先の駅)という少々マイナー?な普通列車に乗ると、再び同じ元急行用車両がやってきて、かなり嬉しい気分になりました。
宮城と福島の県境付近の車窓

 郡山から乗った黒磯行はついにロングシート電車でしたが、今回はかなり幸運だった気がします。
 また、昼間の東北本線は単調で退屈極まりない…とずっと思っていたのですが、ゆっくり眺めて見ると、宮城と福島を隔てる国見峠から良い景色が眺められたり、白河では駅から城跡が見えたり、車窓の変化も少なからずあり、今日は天気が良かったこともあるのか、それほど苦痛ではなかったことも幸いでした。

快速「フェアーウェイ」号
▼旅の終わりは特急用車両

 黒磯から先、東京方面へは土休日を中心に臨時快速「フェアーウェイ」号が運転されています。
 全車指定席なので510円の追加料金が必要ですが、黒磯から新宿まで特急用車両で直通してくれますし、もちろんロングシート電車も回避できます。

 黒磯駅前の大型スーパーで夜食とお酒を買い込み、一路新宿へ。
 列車名の通り、ゴルファー向けに走っている列車で、車内ではゴルフ後の打ち上げが始まることもしばしば…。少し騒がしいこともあるのですが、旅の終わりの寂しさを紛らわすには、悪くない雰囲気でした。

 鉄道好きな方なら知っていると思いますが、この列車は「ムーンライトえちご」車両をそのまま空き時間を使って運転しています。行きと同じ車両で同じく新宿へ…。振り出しに舞い戻り、旅が終わりました。

陸羽東西線のPRパンフレット
 ▲見所多い陸羽東西線はJRでも
 力を入れてPRをしているようです。

 以上、また長くなりましたが、週末に18きっぷで行った2泊3日、南東北への旅の報告記でした。
 18きっぷの旅では、特に夜行快速を使うと時に疲れてくることがあるのですが、時間に余裕を持ってプランニングをすると、案外、楽に行けるもんだなあ、と感じた次第です。
 あと、「ムーンライトえちご」から陸羽西・東線へ行くプランでは、両線の接続が非常に良好で、3月13日以降の土休日は東線に臨時快速も運転されるため、さらに時間短縮が図れます。陸羽西・東の両線は沿線に見所もたくさんあるので、これはぜひオススメです。

(※文中に記した鉄道の発着時間、各種情報などは2004年3月現在のものです)


▼前回2/11 週末、周遊きっぷで行った気ままな「山形冬紀行」 を見る▼

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