旅日記、徒然に。

週末、周遊きっぷで行った気ままな「山形冬紀行」
2004/2/11更新 (第25回)

 近頃、寒い日々が続いております。1カ月ぶりの更新となりました。
 今回はテーマもなく、なおかつダラダラと長い、"個人的な旅行の記録"になってしまいました。お時間のある方はお読み頂ければ幸いです。


 先日の土曜日、東京は久しぶりに暖かく良い天気でした。朝寝坊したにもかかわらず、こういう日にはついついどこか出かけたくなり、ふと時刻表を眺め、北の方へ向かうことにしました。

 JR東日本には、土・日曜日に東日本エリアの半分近くが乗り放題となる「土・日きっぷ」(16000円、新幹線・特急もOK。指定席も4回まで利用可。2004/4/3から18000円に)という大変便利な切符があるのですが、こういう突発的かつ気まぐれ?な旅行者の使用を防ぐためか、使用日の前日までしか販売しないという制限があるのです。

周遊きっぷの「福島・蔵王ゾーン」券
 そうして思いついたのが「周遊きっぷ」の利用です。
 かっての「ワイド周遊券」や「ミニ周遊券」の安さや利便性とは比べ物にならないほど、面倒で制限の多い切符ですが、周遊する場合には安くなるケースも多いですし、土日祝日、GW、お正月などでも使用制限が一切なく、いかなる時にも使えるのが魅力です。
 時計を見るともう午後2時、大して遠くへも行けそうにないので、宿泊地を山形に決め、「福島・蔵王ゾーン券」を使うことにしました。

新幹線「つばさ」の行先表示幕
 ところが、この「周遊きっぷ」は知名度がないのか、アルバイト的な窓口女性社員の研修が足りないのかは分かりませんが、発券してもらうまでにかなりの時間と手間を要しました。
山形新幹線「つばさ」号
 ▲山形新幹線「つばさ」号(山形駅で)
 長蛇の列に待つ人々に恐縮しながら、ようやく発券してもらい、山形新幹線「つばさ」号の自由席に飛び乗りました。

 この「つばさ」号は、東京から福島までは東北新幹線の「やまびこ」と連結して走り、福島から新幹線対応に整備された奥羽本線に入ります。ここは、1992(平成4)年7月に開業した日本で初めての「ミニ新幹線区間」です。
かっての奥羽本線特急「つばさ」号(1991年)
かっての奥羽本線客車列車(1991年)
 ▲かっての奥羽本線の特急「つばさ」号
 (上)と客車の普通列車(1991年撮影)

 奥羽本線といえば、かっての特急「つばさ」や赤い機関車に引かれた客車列車、板谷峠のスイッチバックなど、個人的には思い出深い路線です。
 この新幹線に乗っていると、そんな時代が嘘のように高速で快適です。もちろん、福島以降のミニ新幹線区間はそれほど高速でもないのですが、難所・板谷峠のスイッチバックもなくなり、スムーズに越えていきます。

 ただ、今日の山形県は何年かぶりの大雪だそうで、まるで北海道の石北本線に乗っているかのごとく、奥羽本線は雪深い車窓が続き、大変、風情がありました。
山形駅に停車中の左沢線列車
 ▲山形駅に停車中の
 左沢線のディーゼルカー
 その日は山形に宿泊し、翌日から山形付近を周遊することにしました。
 いよいよ「周遊きっぷ」の本領発揮です。ゾーン区間内なら特急列車の自由席も含めて何度でも乗れるのです。

 鉄道マニアらしく?「とにかく乗って乗って元を取ろう!」と、まず、左沢(あてらざわ)線というローカル線に「乗りつぶし」を試みたのですが、なんとこの線のディーゼルカーは、窓に背を向けて座るロングシート!しかもトイレさえ付いていません。
左沢線のディーゼルカーはロングシートでトイレなし…

 とりあえずは乗ってはみたものの、前夜の飲み過ぎの影響か腹痛に見舞われ、どこかの途中駅で下車し、すぐさま山形駅へ戻る羽目に…。
 なんとも情けないことです。

 次にどこへ行こうかと思案し、仙山線の列車が来たのでそれに乗って山寺で下車。朝の山寺(立石寺)見物を試みました。
山寺駅前の雰囲気
 ▲朝の山寺駅前。後方に見える
 山の奥に「奥の院」がある。
 山寺駅から往復約2時間。
 東北屈指の古刹だけあって、雪に埋もれた朝の街は、静かで趣深く、とても良い気分になります。

 根本中堂や芭蕉像を見ながら山門までたどり着き、300円を支払い、さあ、いよいよ奥の院へ!
 …と1000段もある石段に挑んではみたものの、深い雪と二日酔いでとても行けるような状況ではなく、わずか5分程度で断念。山門の係員に笑われながら、トボトボと山寺駅に戻りました。

 再び山形駅に舞い戻り、今度は山形新幹線に乗って南下することにしました。この「山形・蔵王ゾーン券」では、福島までなら山形新幹線に何度でも乗れるのです。
かみのやま温泉駅の駅名板

 温泉にでも入ってリフレッシュしよう、と新幹線で山形から一駅の「かみのやま温泉」で下車。
 ここは新幹線駅になった今でこそ、流行の平仮名&温泉付きの駅名になっていますが、その昔は「上ノ山」という普通の小さな駅だったように思います。ずいぶんと垢抜けた感があります。
上山城の近くにある共同浴場「中湯」
▲上山城の近くにある共同浴場「中湯」

 この上山温泉の良いところは、市内に7カ所もの共同浴場があり、わずか80円という料金で温泉に入れることです。

 駅から比較的近い「中湯」は、本通りから外れた裏道にあり、少々古びています。

中湯の湯船
 80円を払って中に入ると、ロッカーもなく、それほど大きくない風呂が1つ。客は地元のおじさんが一人だけ。湯船に入るとえらく熱く、おじさん曰く「最初は熱いが、そのうち慣れる」…。本当にその通りになり、熱いお湯を堪能しました。

 地元共同浴場の良き雰囲気が凝縮されているような温泉に感激し、近くの蕎麦屋で名物の蕎麦をすすりながら、地酒を一杯…。さらに良い気分になりました。
奥羽本線(山形新幹線)米沢駅
▲米沢駅駅舎

 上山温泉を後にし、奥羽本線をさらに南下、次の目的地を米沢にしました。
 米沢といえば上杉家、特に最近では、上杉鷹山が有名です。米沢藩政の改革手法や精神などを手本にしようと、よく経営雑誌などで名前を見かけます。

 そんな街を巡ってみたいと思ってやってきたのですが、外は雪で非常に寒く、どうも歩く気が失われてしまいます。
米沢市民バス
▲米沢市民バスの愛称は「ヨネザアド」号

 駅前に行くと、市内を循環する「市民バス」というものがありました。1回200円で市内を約40分で巡ってくれるというので乗ってみました。

 日曜日ということもあり、満員の盛況ぶりで、市民によく浸透していることが伺われます。
混雑する市民バス
 車体側面に可愛らしいイラストが描かれた小さなバスは、右に左に街のいたる所をグルグルと廻りながら乗客を拾っていきます。
 今回は時間がないので一周しただけですが、途中には、ルネッサンス様式の建物が目を引く重要文化財の「旧米沢高等学校本館」や博物館「伝国の杜」が車窓から眺められ、また上杉関係では「上杉神社」「上杉記念館」など、ほとんどの所はバス停から近い所にあります。一日乗車券もあり、観光にも十分使えそうです。
 こういうコミュニティバスを走らせ、かつたくさんの乗客が乗っていることは、何となく嬉しい気がしました。

 そろそろ帰京の途につくため、東京行きの「つばさ」の自由席に乗り込んだのですが、通路までギッシリの満員…。
 福島まではデッキで耐え、福島到着と同時に併結される「MAXやまびこ」に乗り移ろうとホームに飛び出たら、同じように考える人々とホームで"運動会"を繰り広げてしまいました。
国鉄型特急車両の並び(郡山駅で)
▲壮観な国鉄型特急車両の並び!(郡山駅)
実はどちらも快速列車。左は「猪苗代・羽鳥湖スキー」号
右は「あいづライナー」号。あいずライナー号のヘッドマーク
は懐かしい特急「あいづ」のものをそのまま使用中。
 とはいえ、私は東京まで乗る訳ではなく、次の郡山で下車しました。というのも、今日は「猪苗代・羽鳥湖スキー号」なる臨時快速列車が新宿まで運転されるのです。

 これは土日に運転されている快速「フェアーウェイ号」(新宿−黒磯)を会津若松まで延長運転している形の臨時列車です。510円の指定席券を買うだけで、特急用車両で新宿まで直行してくれるというのは、往復の特急料金は別に払う必要がある「周遊きっぷ」利用者には大変有難いのです。

 郡山から新宿まで約3時間半、米沢駅で買った牛肉弁当をつまみに、各地で買い求めた山形の日本酒を吟味…。飲み食いにはちょうどいい時間でした。

 久しぶりにテーマも目的もない気まぐれな旅行をしてきましたが、指定席にも乗れることを考えると、やはり、多少は計画して前日までに「土・日きっぷ」を買っておいたほうがいいのかもしれません。
 あと、酒代が旅費を上回るような旅は、自重しなければ…と思った次第です。


 以上、個人的な旅行の記録でした。最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!


▼前回1/10 「特急型車両なのに普通列車!で東海道本線の旅」 を見る▼

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