「旅日記、徒然に。」
2002年10月3日その2

「北の国から」に登場した21年間の鉄道名場面
−急行狩勝・富良野駅・根室本線を中心に−

「北の国から」では別れの場面には必ずといってよいほど列車が登場する。
物語の中での重要シーンも多く、鉄道風景とあいまって記憶に残る。
鉄道や列車の変遷も追いながら、これまでの鉄道名場面をまとめてみた。


※この頁の写真は放映中のテレビ画面をデジタルカメラで撮影したものを掲載しています。

■北の国から(ドラマ編・1981,10〜1982,3)−第1話−
 「北の国から」の物語は、五郎と純、蛍の3人が普通列車で
 根室本線・布部駅に降り立つところから始まる。
 3両の古いディーゼルカーに揺られ、空知川を眺めるシーンや
 古い駅舎で草太が出迎えるシーンなど、国鉄時代のローカル幹線風景は見所。
 現在、布部駅前には「北の国から処に始まる」と倉本氏直筆の碑が建っている。



■北の国から(ドラマ編・1981,10〜1982,3)−第17話−

 五郎と離婚した妻・令子が富良野にやって来た。
 富良野駅で帰りの列車を見送る五郎、純、雪子。
 その場に蛍はいなかった。
 列車が走り始め、令子が車窓をふと見ると
 空知川の河原で懸命に列車を追いかける蛍の姿があった。
 身を乗り出し懸命に手を振る令子、涙を流しながら走る蛍。感涙してしまう名シーン。
 まだ石勝線がなかった当時、急行「狩勝」の堂々とした編成にも注目。


■北の国から'84夏(1984,9)
 雪子に恋焦がれていた草太だったが、
 雪子は昔の恋人と結婚するため東京へ帰ってしまう。
 蛍は落ち込んでいる草太を見つけ、空知川で列車を見送るように誘う。
 ドラマ編の時、令子を見送るために蛍を空知川へ連れてきたのが草太。
 今回は逆となったが、2人、以前と同じ場所で同じ列車を見送る。
 札幌〜釧路の主輸送を石勝線に奪われ、短編成化した「狩勝」の姿がある。


 「'83冬」以来、純らと一緒に暮らしてきた正吉に
 札幌の母より迎えが来て、富良野駅で別れるシーン。
 「やっと街が静かになるぜ」と強がっていた純だったが、
 列車のドアが閉まると走って追いかけた。

 '84夏では急行「狩勝」での別れのシーンが2度あった。

■北の国から'89帰郷(1989,3)

 旭川の看護学校へ通学する蛍は富良野線始発列車の車内で、
 初恋の青年・和久井勇次(緒方直人)と出会うが、
 勇次は東京の予備校へ行くため富良野を離れることになってしまう。
 蛍は雪の中、全速力で走って勇次の乗った急行「狩勝」を見送る。
 名シーンに使われた急行狩勝の姿もこれが見納め。
 普通列車用のディーゼルカーまで連結した廃止前夜の姿が悲しい。
 


■北の国から'92巣立ち(1992,5)
 旭川の病院に住み込みで働く蛍。富良野にはまったく帰っていなかったが、
 富良野駅のホームには幾度か降り立っていた。
 帯広畜産大に入学し、帯広に住んでいる勇次に逢いに行っていたのだ。
 列車のデッキから麓郷の山を眺め、罪悪感にさいなまれているシーンや
 根室本線の美しい風景、地上時代の帯広駅が見所。
 このほか富良野線の車内で正吉に偶然出会うシーンもある。
 また、東京から子どもを連れて雪子が富良野にやってくる場面はあるが、
 もはや急行狩勝の姿はなく、リゾート特急列車が映し出されていた。



■北の国から'95秘密(1995,6)
 勇次のすすめで札幌の病院で働いていた蛍だったが、
 妻子ある医師と不倫関係となり、根室の落石へ駆け落ちしてしまう。
 突然、純が住む富良野のアパートを訪ねてきた蛍を
 深夜の新得駅まで送り届け、夜行列車に乗るシーンがある。
 特急「おおぞら13号」(現・特急まりも)を
夜汽車の寂しさ一杯に撮っている。


■北の国から2002遺言(2002,9)
 「'98時代」で草太が事故で死に、その牧場と借金を継いだ純と正吉。
 しかし経営は失敗し、借金だけを残し純は知床・羅臼へ出稼ぎに旅立つ。
 本編では一瞬だけ登場したシーンだが、番組宣伝等で繰り返し放映されていた。




 「'98時代」で蛍と結婚したものの、借金返済のため単身、本州へ渡った正吉。
 やっと正吉の居場所が見つかり、一緒に住むために富良野を離れる蛍と息子の快、
 その名を叫びながらいつまでも列車を追いかける五郎。
 北の国から、最後の最後となる別れのシーン。涙を誘う。
 たった1両きりワンマンで走ることになってしまった富良野線の列車に、
 21年という月日の長さを感じる。

                                               <終>

※この頁の写真は放映中のテレビ画面をデジタルカメラで撮影したものを掲載しました。

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