小笠原旅行術〜世界遺産の島旅案内
page 2  小笠原の宿泊・買物・飲食事情を知る

1.【小笠原の宿】「素朴」さが特徴、多客期は早期予約を

観光協会のガイドマップ
 ▲観光協会のガイドマップにはすべての宿を掲載

 小笠原は父島、母島ともに屋外でのキャンプは禁止となっているので、訪れる場合は必ず宿を確保する決まりになっています。

 例年3月に限り、父島停泊中の「おがさわら丸」に宿泊できる「ホテルシップ」(2等船室の素泊4000円)が行われていますが、それ以外の期間は父島約60件、母島に14件あるどこかの宿泊施設に最低3泊はすることになります。

 小笠原の宿の特徴を一言で述べると、「素朴」という言葉が最も似合いそうです。

 沖縄など南西諸島、あるいはグアム・サイパンあたりで見られるような本土資本の大型リゾートホテルめいた施設はなく、ほとんどが小規模の民宿か合宿所、あるいは"ホテル風旅館"といった感じです。食事も簡素で、本土の温泉宿に見られるような豪華料理をうりにする宿は見たことがありません。
 ホテル滞在自体を楽しむリゾート環境を求めるのなら、わざわざ小笠原など行かずに、沖縄やグアムあたりに行ったほうが旅費も安いですし楽しめます。

観光協会のサイトにて
 ▲観光協会のサイトでは空室状況を公開

 もう一つの特徴は、宿泊料金がそれほど安くはないという点です。

 決して高いわけでもないのですが、1人あたり相部屋形式で4000円、民宿素泊まり(自炊)で5000円、民宿2食付きで7000円、ホテル風旅館なら2食付きで1万円以上というのがだいたいの相場。多客期は割増料金になることが多いようです。
 また、相部屋を基本としている宿もあるので、予約の際に確かめた方がいいでしょう(相部屋のほうが安いし、楽しめるというリピーターも多い)。

 年末年始、ゴールデンウィーク、夏期は早い段階から宿が埋まるので、船のチケットを買う前でも先に予約をしておくのがお薦めです(ただし、宿によっては船便確定後しか受け付けない場合もある)。
 特に母島は宿の数が少ないので、早期の予約が賢明です。
「おがまるパック」パンフレット

 宿を確保するのが面倒な場合は、往復の船と宿がセットになった「おがまるパック」(6万円程度〜12万円)や、エースJTBのパックプラン(6万円超〜11万程度※選べる宿は父島のみで数が非常に少ない)などのパッケージプランを使う方法もありますが、多客時は早期に売り切れることも多いようです。

 父島の場合、主な宿泊施設は港に近い市街地の大村地区(一部は奥村)に固まっているのですが、山を越えた南の境浦と扇浦、小港地区にも10数軒あります。

 中心部なので買物や飲食、観光には便利な大村地区ですが、案外、海の見える宿が少なかったりします。
 その点、南の3集落にある宿は、海や山の自然を近くに感じられるのが利点です。また、路線バスで10数分もあれば大村まで移動できるので、それほど不便ではないかもしれません。

港の様子
 ▲大半の宿が港ヘ出迎えに来る

 母島の宿はすべて港の近く、静沢と元地の2集落に分散して建っています。元地は集落内に役場や商店、飲食店があるという点が特徴でしょうか。静沢は眺めが良いようです。狭い街なのでいずれも容易に歩いて移動できます。

 個人的な感想ですが、父島の宿(6畳個室タイプの民宿に宿泊)で良かったのは、船の到着後(11時半)すぐにチェックインができたことと、治安が良いので鍵をかける必要がないこと、市街地(大村)だったので観光の途中でも度々戻って休めたことでした。
 また、宿泊中は他の客もずっと同じ顔ぶれなので、どこか安心感も。たまたまこの宿はベランダが付いていて、海を見ながら夜な夜な酒を呑むのは密かな至福……。
 難点は、ゴールデンウィーク中だったので、相当に早く予約しないと、すぐに埋まってしまうという点でしょうか。3カ月以上前だったのに、幾つかの宿に満室だと断られました。ちなみに料金は1泊2食で1名7800円(多客期割増料金)でした。


2.【食料品の買物事情】スーパーは3店、夜間営業の新商店も
スーパー小祝
 ▲スーパー小祝(生協の真向かい)

 コンドミニアムタイプの宿などで、自炊をしながら宿泊しようと考える人も多いと思いますが、小笠原は太平洋の孤島ですから、食料品の買物事情はそれほど良いとはいえません。当然コンビニなどはありません。
 父島のスーパーは、大村に2軒と奥村に1軒(農協「パパイヤマート」)の計3軒、スーパーほど大きくはない商店も大村と奥村に1軒づつあります。

 このなかで、観光客がよく使うのが大村の「生協」と「スーパー小祝(小祝商店)」ではないでしょうか。
生協
 ▲生協では雑誌や6日分パックの新聞も販売

 ここでは食料品や飲料など、自炊に必要なものはおおむね何でも手に入れることができますが、船が入港してから数日経つと、生鮮品は売り切れることも多くなります。朝は7〜8時に開店しますが、夜はおおむね18時半には閉まってしまいます。

 夜間は生協横の自販機でカップラーメンや酒・飲料、タバコなどを買うことになります。また観光協会近くの東町にも酒・タバコ類の自動販売機があります。
2011年4月にオープンした佐藤商店は朝7時から24時まで営業
 ▲朝7時から0時まで営業中の
 「ミニコンビニ」的な佐藤商店

 夜の買物は主に自販機に頼っていた父島ですが、今年(2011年)4月下旬、役場近くの西町に夜12時まで営業の佐藤商店(元「悠悠」という食堂の場所)がオープンし、夜間でも最低限の食料品や日用品が買えるようになりました。島のミニコンビニとでもいえる存在で非常に便利です。
母島の農協
 ▲母島の農協(JA)売店
 父島にはこのほか、弁当など総菜を売る店が東町に2〜3軒あるので、昼間は何かと役立つかもしれません。

 一方、母島はスーパーがなく、農協・漁協など3軒の商店のみ。
 農協を除き、日・祝日は休み、農協もおが丸出港日の午後と翌日は休業になります。

▼孤島ゆえ物価はすべて割高
小祝商店にて
 ▲「特売」もあるが…

 「毎日、デパートへ行って定価で買い物するようなもの」。

 在住者に物価事情を尋ねると、そんな答えが帰ってきました。

 父島も母島も、食料や生活用品はすべて本土から船(おが丸・ははじま丸)で運んでいるので、すべてが割高になってしまいます。しかも6日に1回しか届きません。

 パンなどは運んでいるうちに賞味期限が迫ってくるらしく、2〜3日期限が切れたものも通常通り冷蔵庫で販売されていて、ここは遠い離島なんだなと実感させられました。


3.【飲食店事情】港付近に約20軒、どんな料理でも食べられる
島寿司
 ▲名物の「島寿司」(この店では1000円)

 父島は港付近から大村にかけて20店ほどの飲食店があり、和洋中(韓国料理もある)の各料理と寿司屋、居酒屋が揃っているので、外食の際に不自由はありません。

 元々本土で生まれ育った新しい住民が多いせいか、離島にしては料理のレベルも低くはないように思います。

 中には夜だけ営業する店もありますが、おおむね昼も開いています。

 価格は店にもよりますが、やはり食料品などの物価高を反映してか、安くはない(それほど高くもない)といったところでしょうか。

 母島の飲食店は4〜5軒ですが、なかには本土並みに豊富なメニューを揃えている店も近年オープンして、観光で訪れても困ることはなさそうです。

ラム酒(母島製)とオリオンビール(東京アサヒ製)
 ▲「ラム酒」は母島で製造
▼名物はそれほど多くない

 小笠原の名物料理は、亀の刺身や煮込みと島寿司がもっとも有名です。
 島寿司は八丈島などで出されているものと、そう変わりはないのですが、亀は小笠原ならではのものです。無人島の時代から漂流者や訪問者が食していたという歴史があります。

 このほか、島に上がったバチマグロなど5種類ほどの魚、トマトをはじめとした島で取れた野菜、パッションフルーツも名物といえます。
 酒は母島で製造しているラム酒とパッションリキュールが唯一の「地酒」です。

 沖縄などに比べると、食も酒も独自のものはそれほど多くはありません。味についてですが、これは現地に行って各人の味覚でぜひ確かめていただきたいと思います。


4.【買物事情】20店で土産物を販売、JAでは地元産物も
「まるひ」(右)と「アサヒ」
 ▲「まるひ」(右)と「アサヒ」

 父島には土産(みやげ)物を販売する店が20軒ほどあります。

 なかでも有名なのが、生協の並びのメインストリートにある「なんでも館アサヒ」と「フリーショップまるひ」です。

 本業は薬や化粧品、文具などを扱う老舗ですが、ビーチサンダル(この島ではギョサンという)や浮き輪なども売っていて、土産物も豊富です。

亀の肉
 ▲スーパーでは冷凍の「亀肉」も売っている

 ただ、この島では独自の土産品を作るのが難しいらしく、菓子類では本土製造の「それらしいもの」を「小笠原みやげ」というステッカーを貼って仕立てていました。それもまた、小笠原らしくて良いなと個人的には思います。

 一方、この並びにある農協の「JA東京島しょ小笠原父島支店農産物観光直売所」という長い名の店は、小笠原産のものばかりなのでお勧めです。ただし、農産関係の加工品しか扱っていません。

 また、このほかにも、手作りの細工品や絵はがき、シャツなど独自の土産物を売る店は市街地に多数あるので、巡ってみるのも面白いと思います。

 母島には2軒の土産物店があるほか、地元の産物は農協の売店などでも販売されています。

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