小笠原旅行術〜世界遺産の島旅案内
追記  財団法人「小笠原協会」とは何か?
▼小笠原協会は船運賃割引の「裏技」なのか

会報「小笠原」と季刊紙「小笠原」(小笠原協会発行)
 ▲年1回発行の特集号『小笠原』(左側の冊子)と
   年4回発行の機関紙『小笠原』(新聞タイプ)
 小笠原航路では、学割や団体・村民割引以外は、ほとんど割引制度が設けられていませんが、唯一、財団法人小笠原協会(事務所:東京・港、小豆畑孝会長)の「賛助会員」は、最大2割引で乗船することができます。

 そのため、安く往復するための「裏技」的な存在として、小笠原協会が紹介されているケースも多々みられます。

 一体、この組織は何なのか。
 公式なWebサイトなどがないため(2011年10月にWebサイトが開設されましたが、すぐ閉鎖=2012年1月追記)、筆者が直接聞いたり、機関紙などで得た情報をもとに、簡単に紹介します。

 一言で言うと、この協会は、小笠原諸島の日本返還運動を主導していた団体です。

 1965(昭和40)年5月、帰郷促進連盟など4つの返還運動団体間の足並みが乱れたために、「大同団結」によって新たに結成されたのが財団法人小笠原協会で、初代会長には福田篤泰・元防衛庁長官が就任。その後の日本返還への道筋を付けることになりました。

 小笠原が日本に返還された後は、主に旧島民の帰島支援や情報発信を活動内容とし、帰島民支援の一環として、負担を減らすために運賃の割引制度を設けているのです。

 観光で小笠原を往復する人々にとっては、まったく関係がないはずの制度なのですが、同協会の運営支援や小笠原振興への寄与として、「賛助会員」の制度も設けられており、企業や個人が1口4000円(次年度以降は1口3000円)の年会費を支払うことで、賛助会員になることができます。

 本来の趣旨からすると、決して安く行くための「裏技」ではないのですが、結果として観光事業者や旅行者らには、「賛助会員」の制度がそのように受け取られることも多いようです。

 一方で同協会も、そうした割引目的での使われ方を肯定はしないまでも、完全に否定するわけでもないようです。
 訪島者を送り込むことは、小笠原の発展に間接的に寄与できるからだとみられます。また、同協会への財政的な支援者になるという事もあるのでしょう。

 同協会の事業内容には、そうはうたわれていませんが、該当する部分を見ると「小笠原諸島の島民の連絡、親睦及び厚生に関する事業」にある「島内に経済効果をもたらし島民の福祉の増進に寄与している」という部分に関わってくるのかもしれません。


▼「小笠原好き」の定期情報収集にも

 小笠原協会の賛助会員には、以下のような「特典」があります。

1.小笠原海運の運賃割引
 2等:2割引/特2等および1等:1割引
 ※1カ月以上の訪島や他割引との重複は不可

2.機関紙『小笠原』の購読

 年4回の機関紙『小笠原』(通常A3版4〜6ページ)と年1回の特集号(冊子)が送付される

3.同協会主催の訪問・交流ツアーなどへの参加

 小笠原航路の運賃が高いために、どうしても「割引」の部分に目が行きがちですが、同協会の機関紙が定期的に送られてくることは、小笠原好きの人にとっては情報収集に最適ですし、特に年1回発行の特別号は特に読みごたえがあります。

 「小笠原の現状がどうなっているのか」を知る意味でも、賛助会員になることは悪いことではないように思われます。


▼「賛助会員」になるには?

 同協会の「賛助会員」になるには何の資格もいらないのですが、旧島民や現島民以外の人では、おそらく下記のような人に適しているようです。

 ・ 小笠原諸島が好きでたまらないので、何らかの貢献がしたい

 ・ 独自の歴史と文化を持つ小笠原諸島に興味があるので、情報収集がしたい

 ・ 小笠原諸島の返還運動や高齢化する旧島民の帰島状況について考察を深めたい


 といったところでしょうか。

 わざわざここまでお読み頂いた賢明な閲覧者の方に申し上げるのも失礼ですが、同協会の賛助会員という制度は、決して「運賃割引の裏技」ではないことを、今一度理解いただけたらと思います。また、本ページは同協会の公式発信ではなく、筆者(西村)の個人的な情報発信に過ぎない点も了解いただきたくお願いいたします。

 同協会についての詳細は、下記に連絡してみてください。


  財団法人 小笠原協会
 東京都港区海岸1-12-2 竹芝客船ターミナル2階
 電話03-3432-4921または03-3432-4922


 常駐の担当者が少ないので、電話には出られない場合もあるようです。
 東海汽船や「おがさわら丸」が発着する竹芝ターミナルの2階に本部が置かれていますので、平日の日中などに直接訪れるのも良いかと思います。小笠原村の東京事務所と同じ場所です。

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