ムーンライトながら・東海道昼特急 大阪〜東京 青春18きっぷ&格安高速バスの旅
page-4 デフレ時代の格安高速バスに乗って
西日本JRバスによる東海道昼特急のチラシ
 ▲格安高速バス東海道昼特急のチラシ

 大阪からの復路は鉄道ではなく、今話題となっているJR高速バス「東海道昼特急」で移動することにした。

 世はデフレ時代である。ハンバーガーや牛丼だけでなく、交通機関にもその波は押し寄せている。
 国内線飛行機の1万円運賃であったり、青春18きっぷの爆発的なブームもその一つといえる。そんな中で生まれたのが「東海道昼特急」や「青春ドリーム」といったJRの“格安高速バス”である。

 「東海道昼特急」はJRの名神・東名ハイウェイバスの廉価版・直行便として2001年12月に誕生した。料金は片道6000円、往復なら1万円というデフレ時代対応の運賃となっている。

 同じく高速夜行バス「ドリーム号」の廉価版として誕生した「青春ドリーム号」は使用するバス車両を古いものに抑えてはいるが、片道5000円という破格値である。

 昼特急はその名の通り、名神・東名高速道を経由して、昼間に大阪〜東京間を結んでいる。7時間40分もの時間を要する。

 誕生した当初、いくら運賃が安いとはいえ、夜行バスならまだしも昼間に8時間近くもかけてバスに乗る人など少ないのではないかと思っていた。
 世は不況である。お金のない若者だけでなく、出張費を浮かせたいビジネスマンや、時間を気にせず旅を楽しむシニアの利用も多く結構な人気を得ているという。
大阪駅桜橋口のJRハイウェイバス乗場
 ▲JRのハイウェイバスは
  大阪駅桜橋口前から出発

 そのため、東海道昼特急の増便はもちろんだが、最近では東京〜大阪間だけでなく、京都〜新宿間の「中央道昼特急」や大阪〜広島間の「山陽道昼特急」などの別バージョンまで登場している。

 大阪・京都〜東京や大阪〜広島など、新幹線移動が大きなシェアを占めていた区間に「昼間の高速バス移動」という新たな需要と選択肢を生み出したといえる。


 その昔、ワイド・ミニ周遊券の類で東海道本線の替わりに名神・東名道のハイウェイバスに乗ることができた。(※現在の「周遊きっぷ」でもその“伝統”は引き継がれており、東海道本線を経由する場合は利用可能だが、昼特急の利用は不可)
 東海道新幹線の高い料金や乗り換えの多い東海道在来線を避け、よくJRハイウェイバスを利用した。

 東海道本線の普通列車並みの時間は要するが、高速道路からの車窓も悪くはなく、車内も空いていて快適。今はなくなってしまったが、当時は音楽サービスやフリードリンク、映画放映まであって、至れり尽せりだった。

 大阪〜東京間なら名古屋で一度、乗り換えが必要だが、その時間を利用して食事もできたし、息抜きにもなった。途中のサービスエリアでは名産品も味わえた。ハイウェイバスには鉄道にはない移動の楽しさが隠されている。

 そんな訳で私は密かに“昼間の高速バスファン”だった。
 大阪〜東京の昼特急が誕生した時、その料金の安さとともに、昼間に直行便を設けたことが嬉しかった。外の景色も見えず、ただ寝るだけの夜行高速バスはどうも好きになれない。移動も景色を楽しみながら行けば「旅」となりうる。


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