ムーンライトながら・東海道昼特急 大阪〜東京 青春18きっぷ&格安高速バスの旅
page-2 夜中も色々賑やかな夜行列車が走る
車内検札中のJR東日本の車掌
 ▲ 車掌の車内検札は時間がかかる

 全車指定席ゆえか、東京出発時には車内は7割程の埋まり具合。ディズニーランド帰りらしき若い女性2人組が発す大きな大阪弁が多少耳につくほかは、車内はいたって静かだ。出発してすぐに車掌が指定券の検札に廻ってきた。

 『東京駅から大垣夜行に乗る時は、日付が変わる横浜駅までの乗車券を買って乗る』。

 まるで呪文の如く繰り返された“公式”通り、私も券売機で買った横浜までの切符を持つ。

  “ながら”指定券と日付の入っていない「18きっぷ」とともに車掌へ手渡し、翌日の日付を入れてもらう。ほとんどの乗客に行うその作業で車掌は時間を取られている。
 昔は裏技的なものとして、鉄道マニアが言い続けてきた“公式”も、今や一般大衆化しているようだ。

品川駅で発車を待つ臨時大垣夜行
 ▲ 懐かしい雰囲気残る臨時大垣行夜行
 山手線や京浜東北線の電車を追い抜いたり、抜かれたりしながら品川駅に到着。
 向かいのホームに懐かしい姿があった。23時55分、品川発の大垣行臨時普通電車
(※)
 「臨時大垣夜行」「救済臨(乗れなかった人を救済する臨時列車との意)」などと呼ばれ、学生の長期休暇時には必ず運転される臨時の夜行列車である。

 ※現在は「ながら91・92号」として全車指定席で運転。

 昔と同じオレンジと深緑色の国鉄型電車。車内はすでに満員。デッキにまで人が溢れている。かっての大垣夜行の雰囲気がそのまま残っており、何やらとても懐かしい。

 「懐かしい」という言葉を連発し、妻に昔の思い出などを得意げに語っていたら、呆れたように「そんなに懐かしければ、どうぞ一人で向こうの列車に乗り換えれば?」と一言。
 実のところ、懐かしいとは思うがデッキで立って夜を越す元気などもはや私にはない。黙ってムーンライトながらの夜を過ごすことにした。


 日付が変わって0時10分に横浜駅へ到着。ようやく座席のほとんどが埋まった。
 車内は微妙な静けさにつつまれており、どうも寝つけない。特急用車両ゆえか睡眠のリズムに最適な揺れもない。寝酒を飲みながら、流れる夜景を楽しむという夜汽車のロマンのようなものも今日は感じない。

 私の「不眠」とは無縁のように、妻はアイマスクや空気枕なるものを持参し、早々と熟睡状態である。少々、羨ましい。
深夜の小田原駅から多くの乗客が乗る
 ▲深夜の小田原駅で多くの人々が乗る

 大船、平塚、国府津と深夜の駅でも少しづつ乗客を拾いながら、列車は1時4分に小田原駅へ到着。

 この列車は東京と小田原の間は完全指定席だが、ここから9両のうち6両が自由席となる。席が空いていれば自由にどうぞ、ということなのだろう。
 そこをめがけて大勢の人が乗り込んで来たが、1ヶ月前の発売と同時に売り切れた人気列車ゆえか、空いている席はない。各車両のデッキは地べたに腰を下ろす人であふれた。

 “ながら”は9両編成のうち3両だけが東京〜名古屋間も指定席となっている(名古屋から大垣まではすべての車両が自由席)。その3両分の指定券をめがけて繁忙期は1ヶ月前から争奪戦が繰り広げられる。

 そんな状態ゆえ、私は横着をして1ヶ月以上前に旅行会社に入手作業を“丸投げ”し、指定券を購入した。昔ならドキドキしながら朝から「みどりの窓口」に並んだことだろうが、今はそんな元気もなく老獪な知恵を働かせた。苦労がない分、夜汽車の感動もないのだろうか。
JR東海区間では前面展望が楽しめる
 ▲ JR東海管内では前面展望が楽しめる

 1時23分、熱海駅に到着。深夜のホームで乗務員の交代作業。

 JR東海の運転手が乗り込むとすぐに運転室のカーテンがすべて開かれた。この電車の名称でもある「ワイドビュー」はJR東海自慢の車両である。深夜でも展望を楽しめるようにとの配慮だろう。

 すぐさま中学生位の鉄道ファンが運転席後方のデッキへ駆けていった。まるで昔の自分を見ているような素早い元気さである。

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