韓国鉄道紀行
page-1 大韓民国の首都・ソウルへ
ソウル上空
 ▲高層建物が多いソウルを飛ぶ
 乳白色の雲の中を抜けると、眼下に猥雑な街の様子が覗えた。
 新千歳空港15時00分発・大韓航空766便ソウル金浦空港行。薄いブルーの機体には赤と青の大韓民国の国旗、大極旗が描かれている。
 おおよそ国際線には不似合いな小さなMD型旅客機が、超高層アパートが乱立する異様な街並みの中に吸い込まれていくように高度を落した。

 日本の隣国、大韓民国。北海道の新千歳空港からでも空路わずか3時間。

 国内線に乗っているかのような短時間飛行だったためか、一瞬、どこに着いたのか分からず、不思議な感覚に陥った。

 ソウル金浦(キンポウ)空港という文字がハングルで標されている。
 JALやANAなどの外国機は別のターミナルへ追いやられているようで、駐機している飛行機は、私たちが乗ってきた独特の薄いブルーの機体、大韓航空機とダークブラウンのアシアナ航空機しか見当たらない。明らかにここは大韓民国という別の国なのだ。

  入国審査ではパスポートにスタンプが押されただけで、審査官とはお互い一言も言葉を交わさず空港を出る。すぐにガイドとおぼしき女性が我々の名を書いた紙を片手に流暢な日本語で我々を出迎えてくれた。
 とても韓国人には見えなかった。空港にいる人々も顔に、韓国らしいといえば韓国らしいほおが張った少しの特徴がある他は、日本人と何ら変わることがなく、逆に未知なる言語を用いていることが不思議にさえ覚えた。

 そのせいか、海外旅行独特の緊張感がない。

  ガイドに案内され、銀色のコルゲート板が側面に張られた少し古くさいバスに乗り込む。左ハンドルでアメリカンな雰囲気もあるが、どこか抜けきれていない部分がアジア的で、親近感は沸くがそこがまたエトランゼとしての緊張感をなくさせる。

 バスが走り始め、風景が流れ出すと気分が一変した。

 やたらとクラクションが鳴り響く粗暴な運転、発展途上な街並み、河川では大きな橋梁が建設途中のまま放置され、その下で軍隊が大規模な軍事演習を行っている。コンクリートが剥き出しになった超高層マンション群の建設現場の隣には、スラム化した住居地域が点在する。

 ここは、やはり日本とは違うのである。
ソウル市内のネオン
 ▲ソウル市内の夜の風景。

 韓国の首都・ソウルは人口1100万人、東京にほぼ匹敵する大都市だが、この高速道路から見える郊外の風景を眺める限り、アジアの発展途上国の街のようにさえ見えた。

  ホテルの位置する市内中心部は、日本の都会と何ら変わりなかった。夜の街のネオンは日本のそれより、けばけばしく、派手だ。人通りの多さも東京や大阪と変わらない。

 国家の財政状況が極端に悪いこの国では、ソウル中心部以外は未だ都市整備の手が回っていないようだった。


 
※上記は1999年当時の状況を記したもの。
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