旭川発の旅記事
あさひかわ いちにち旅紀行−1
残雪眺めのんびり湯治
〜標高1300Mの秘湯「大雪高原温泉」に行く〜
(1997年7月掲載)
大雪高原温泉 裏大雪の深い山の中、大雪高原温泉という一軒宿の温泉がある。
 冬は完全に閉ざされ、6月から10月の間、わずか半年足らずしか営業しない。そんな大雪の秘境というものに魅(ひ)かれ早速行ってみた。

 国道39号線を上川町に向かって走り、さらに層雲峡を越え、士幌へ向かう国道274号線に入ると大雪ダムが見える。少しすると山へ向かって砂利敷の道路が分岐している。大雪高原温泉はここから約10km、標高1350mの地点まで車で登らなければならない。

 砂ぼこりを立てながら曲がりくねった細い道を行くと、少し心細くもなってくる。しかも付近には「熊が出ます。絶対に車から降りないで」との看板がチラホラ。そういえば6月初旬だったか、宿の従業員が熊に出くわしたと新聞に出ていた。

 とはいえ、夏場は車の往来が多くなるのでほとんど熊に出くわすことはない、とのこと。少しホッとする。代わりにキツネが餌を求めて車に寄ってくる。エキノコックスは怖いが熊よりマシである。

 約30分近く走ると、ようやく一軒宿である「大雪高原山荘」が見えた。ロッヂ風の立派な建物である=写真上。昭和39年に建設、道内では最も高い場所に位置する温泉宿だ。

 付近は高山植物の宝庫で、登山コースにもなっているため登山者や家族連れなどで賑わっている。「湯治も兼ねて日帰りで森林浴に来られる方も多いようです」と同山荘の宮崎支配人。

 80種あまりの高山植物や石狩川の源流、針葉樹の原始林、数多くの沼など、とにかく付近は自然で一杯だ。そのため、自然好きの皇室の方々にも気に入られ、三笠宮一家や昭和天皇もかって訪れたほどだ。

 メーンである温泉に入る。少し色がかっている酸性硫化水素泉で、高血圧や動脈硬化、リウマチにいいらしい=写真下。
温泉 未だ雪も残る大雪の山並みを眺めながらお湯につかるのは格別だ。登山の後ならさらに気持ちがいいだろう。

 お風呂の後は、同山荘自慢の山菜そばをいただく。新鮮な山菜がふんだん。山深いこの地で食べるからまたおいしい。

 旭川から約2時間でこんな秘湯があるのを知らなかった。
 今度は色づく秋に泊りがけでのんびりと来たいものである。

 ※「大雪高原山荘」上川町高原温泉 旭川からR39、273を経由して約120分。10月上旬まで営業。日帰り入浴可。
データ等は1997年7月当時のまま)
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