湖西線 北陸本線 普通列車に揺られて 青春18きっぷの旅
page-5 灰色の日本海 砺波から越後の国へ
滑川(なめりかわ)駅
 ▲滑川駅。海が見えるのはまだ先。

 富山から先は、日本海に近い場所を走る。10分ほどで「ほたるいかの町」と書かれた滑川(なめりかわ)駅に着く。かなり海は近いはずなのだが、まだ見えない。

 左手には宇奈月温泉へ行く富山地方鉄道が併走する。幼い頃、憧れていた京阪電車の特急車両が色を塗り替え、たった2両で走っていた。懐かしい人に出会ったかのような感じさえする。

 黒部、入善(にゅうぜん)と日本海沿いの街の駅に停車するが、海は見えそうで見えない。一駅ごとに乗客が減っていき、泊駅でほとんどが降りてしまった。


 乗客がほとんどいなくなり、やっと“鈍行列車の旅”に戻った頃、左手に日本海が広がった。
北陸本線の車窓から見える日本海
この先、直江津までは日本海を眺めながらの旅となる。
 今日は小雨模様。灰色の空に深く沈む冬の海、誰もいない静かな砂浜に大きな波が打ち寄せる。この風景を見るために、長い普通列車の旅も耐えてきたような気がする。

 列車は、越中宮崎に停車。この付近の海岸はヒスイの原石が見つかることから、ヒスイ海岸と呼ばれているのだという。しかし今日は雨。
 雨に濡れた灰色の海岸は寂しく、そんな華やかな雰囲気はない。

 市振という駅を過ぎると、いよいよ新潟県。有名な親不知(おやしらず)・子不知(こしらず)海岸が広がるが、列車は長いトンネルに入ってあまり見えない。
北陸本線・親不知駅付近

 トンネルを抜けると、今度は北陸自動車道のコンクリートに視界を遮られながら、親不知(おやしらず)駅に着く。

 旅人が波にさらわれていたのは昔の話。今では鉄道と高速道路で楽に越えられる。

 切り立った崖の下を走るためか、トンネルが続く。昔からの街道に沿って走っているので、近年新しく開業した鉄道の如く、トンネルだらけで海が見えない訳でもない。

 北陸本線のこの付近は、車窓の変化が最も多くて楽しい。列車も空いている。

 一旦、海岸線とは離れ、糸魚川に到着。特急に追い抜かれるため、9分間の停車。一体、これまでに幾つの特急に抜かれたのだろうか。それだけ特急列車の本数が多く、普通列車のスピードが遅いということになる。

北陸本線の有間川駅
 有間川駅に停車。次が終着の直江津
 糸魚川を出た列車は、一路、終点の直江津を目指して走る。浦本という駅を越えると、何度かトンネルに入って能生(のう)駅に着く。

 今度は長い頸城トンネルに入り、暗闇の中で列車は停車。筒石という駅がある。トンネルの中に駅を作らなければならない程、この付近の海岸線は険しい。次の名立駅もトンネルの合間にある。

 駅前に海が広がる有間川駅を過ぎると、またトンネル。抜けると小さな街並みが広がり、15時25分、終着の直江津に到着。

 福井から5時間、北陸本線の長い旅は終わったが、今度は東京へ帰るための旅をしなければならない。ここから先もまだ長い。

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