湖西線 北陸本線 普通列車に揺られて 青春18きっぷの旅
page-4 歴史深さ感じつつ、金沢から富山へ
北陸本線福井−富山間の路線図

 牛ノ谷という駅を過ぎ、緩やかな峠を越えるとそこからは加賀の国。
 100万石、前田利家。枕言葉のように彼の名前と石高(こくだか)が出てきてしまうが、実際に100万石がどうすごいのかは、勉強不足ゆえに分からない。

 石川県に入って初めての駅、大聖寺に停車。次は加賀温泉駅。山代・山中・片山津温泉方面への下車駅。さらに観光客が増える。

 芦原、山代、片山津、和倉など、この辺には有名な温泉地が多い。越前・加賀方面へは、度々、温泉巡りをしたが、これらの著名な温泉へは行ったことがない。

 社員旅行、宴会、無礼講、芸者、コンパニオンなど、良からぬイメージが頭に浮かぶ。どこか心の中で、本当は行ってみたいと思っているのかもしれない。
金沢駅に停車中の直江津行普通列車
 ▲ 金沢駅では31分もの長時間停車中

 今日、卒業式の学校が多いためか、各駅では高校生が多く乗って来る。列車の姿を見かけて、雨の中、傘もささずに駅へ向かって走り出す生徒もいる。
 粟津、小松と過ぎる頃にはデッキまで満員になった。

 金沢市近接の松任駅でさらに乗客を乗せ、11時54分、列車は金沢駅に着いた。31分間の停車。旅行者だけを残してほとんどの乗客が下車した。

 今年、NHK大河ドラマの舞台とあって、金沢駅はいつもに増してお祭りムードだ。

 大河ドラマの舞台になると、放映中は観光客が大挙して押し寄せるというから有難いことだろう。それでなくとも金沢は観光地なのだから、今年は「観光客バブル」になるのかもしれない。

 30分という微妙な時間では、食事店に入ることは難しい。駅のそばスタンドで済ます。この辺りの駅弁は名物だが、デパートの「駅弁フェア」で有難がって食べ過ぎた感もある。せっかく現地まで来たのにもったいない。
金沢駅駅名板

 金沢駅は1990年に高架駅となった。今でも構内もホームも美しい。以前、真夜中の夜行に乗るため、この駅で半分夜更かしをしたことがあったが、治安が非常に良かった。

 夜中に駅を開けていると、よからぬ人々の溜まり場にもなりそうだが、金沢駅は静かだった。街の中心部とは、少々、離れているという理由があるのかもしれない。


 12時25分、再び同じ列車に乗り込む。駅でぼんやりしている間に、列車はまた混雑していた。
 北陸本線には、福井、金沢、富山の県庁所在地を含め、敦賀、武生、鯖江、加賀、小松、松任、高岡と人口5万人を超える「中都市」も7市ある。北陸3県内の移動もかなり多いのだろう。

 列車は、能登半島付け根の内陸部を横断する形で北へ走る。金沢近郊の平坦な風景が続く。津幡駅で、能登半島へのJR七尾線の線路と別れ、倶利伽羅(くりから)峠に差しかかる。歴史深い古戦場、加賀と砺波(となみ)の国境だ。

 倶利伽羅峠をトンネルで抜けると、富山県初めての駅、石動に着く。いするぎ、と読む。クイズにでも出そうな難読駅名。ここは小矢部(おやべ)市の中心地。
 小矢部川の鉄橋を越え、再び平坦な風景の中を走り抜けると富山県第2の都市・高岡に着く。ここで多少の乗降。
富山駅駅名板

 旅行者と地元客が入り混じり、相変わらず車内は賑やかだ。
 正面の座席に座ったのは、まだ高校を卒業して間もない若い女性の2人組。東京の音楽大学受験に失敗したのだという。「でも東京に行かなくて良かったんかも。やっぱり地元が落ち着くね」と明るく話している。

 家族のつながりが他県よりも濃いと言われる富山県。生まれ育った故郷と家族を大事にするのは大切だよ、と私自身のことは棚に上げて、心の中でエールを送る。

 車窓が退屈だと、どうしても人の話に耳がいってしまう。
 列車は、越中大門、小杉と過ぎ、神通川の鉄橋を渡る。13時20分、富山に到着。6分の停車。乗客が入れ替わっただけで、混雑ぶりは変わらない。

前のページに戻る
前のページへ
湖西・北陸本線 普通列車に揺られて のTOPへ
「湖西・北陸本線 普通列車に揺られて」のトップへ
次のページに進む
次のページへ
鉄道紀行への誘い ホームへ