湖西線 北陸本線 普通列車に揺られて 青春18きっぷの旅
page-3 福井駅と“長距離鈍行列車”の風景
福井駅
 ▲ 現在、高架工事を行っている福井駅

 
 9時10分に敦賀を出発。列車は、轟音をたてて全長約14キロの北陸トンネルに入る。日本で7番目という長さのトンネル。

 これを越えるとようやく"越前"という気分になる。以前、この付近をよく車で走った。国道にはトンネルがないため、この区間だけ北陸自動車道に乗ったりもした。福井への山越えは辛かった記憶がある。

 10分ほど走り続けて、南今庄に停車。駅付近には「今庄そば」という看板も見える。今庄町は手打ちそばが名産だ。今庄、南条、武生、鯖江と福井近郊の主要市町で乗客を拾い、車内は満員になった。県の中心地が近づくにつれ、普通列車の乗客は多くなる。

 9時58分、この列車終着の福井駅に到着。次の列車までは40分近くある。やっと息抜きの時間に恵まれた。

 福井駅は、将来の北陸新幹線開業を見据え、駅高架化の大掛かりな工事をしていた。
 駅構内では、今年、加賀・前田利家のNHKドラマが放映されている影響か、福井ゆかりの武将の紹介から、福井城の発掘調査の詳細まで所狭しと展示されている。
京福電鉄の福井駅
 ▲今にも列車が来そうな京福電車の福井駅

 そういえば、福井城址には現在、福井県庁が建っている。堀と木々に囲まれた戦国の香りが残る中に近代的なビルが建つ。このアンバランスさは、ある意味、見物でもある。

 JR福井駅のすぐ隣には、昨年6月の事故以来、運転が休止されている京福電車の駅舎とレールがそのまま残っていた。現在、廃線か第3セクターで存続するかで議論されているという。今にも電車がやって来そうな雰囲気がある。次に来た時には、再び走っていてほしいと願う。

 高架工事やら京福の問題やら、福井駅の周辺は何やら慌しい。

福井発直江津行の普通列車
 ▲福井から直江津まで直通する普通列車


 10時38分の列車は、ここ福井から金沢、富山を通り、新潟県の直江津まで直通する数少ない長距離の普通列車。

 直江津までのわずか250キロを5時間近くもかけて走る。途中の金沢で31分、富山で6分、糸魚川で9分と停車時間も多いが、それにしても遅い。のんびりしていて嬉しくなる。

 3両編成の直江津行・普通列車は、地元客よりも18きっぷの旅行者で満員になった。

 福井駅を出た列車は、近郊の春江、丸岡で乗客を乗せ、著名な温泉地・芦原(あわら)温泉駅に着く。観光客が多く乗り込んできた。
北陸本線福井近郊の車窓
 ▲福井近郊の車窓は天気も悪くとても退屈


 平凡な田園風景が続く。車内は混んでいて、車窓も退屈。外は雨模様。

 車内の乗客を眺めると、先程からよく見た顔ぶれも多い。鉄道好きの"同志"は一見してすぐに分かるが、それ以上に18きっぷを使っての移動や旅行をしている人が多く、賑やかだ。一体、どこまで行くのだろうか、と想像する。

 隣のボックスに陣取る派手な格好の若い女性は、あるロックバンドの追っ掛けのようだ。今日は高岡のライブハウスでの公演。そのバンドが行くところは一緒に日本全国飛び回っているらしく、そのために「彼氏とも別れてしまった」と話している。

 車窓が退屈なためか、若い女性の話を盗み聞く老人のようになってしまった。

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