ヨーロッパ鉄道紀行
page-10 中都市・シュツットガルトで
 ドイツ南西部のシュツットガルトは人口56万人。南ドイツではミュンヘンに次いで第2の都市。観光地として名高いシュヴァルツヴァルト(黒い森)の玄関口にもなっているが、何と言ってもあのベンツの本社があることで有名だ。駅舎屋上にはベンツマークが誇らしげに回転している。
シュツットガルト駅舎
 ▲屋上でベンツマークが廻るシュツットガルト駅舎

 1つでも多くの国を廻るためにはドイツにも滞在する必要があったし、ちょうどスイス経由でオーストリアへ抜けるルート上にもある。シュツットガルト室内管弦楽団など音楽の街としても有名とのことで、妻の強い意向もあってここで一休みすることになった。

 ロンドン、パリといった大都会とは違った中都市ならではの落ち着きがある。人種も入り混じってはいない。逆にアジア人を珍しそうな目で見られるのは少し辛い。まったく心得がないためかドイツ語の挨拶さえ口から出ない。

 駅前のホテルは5つ星だった。バックパックのスタイルは少し恥ずかしい。鉄道会社経営のステーションホテルが空いておらず、やむなくここになった。1人あたりの1泊料金は東京のビジネスホテル程度だが、フロントの女性は、全員が当然のように滑らかな英語を話した。やはり5つ星である。

 社長室のように大きなビジネスデスクが置かれた部屋に戸惑いながらも、とりあえずテレビをつける。ホテルではまずその国のテレビ番組をチェックすることにしている。

 5つ星のホテルらしくケーブルテレビが入っており、20チャンネル以上はある。アメリカのCNNやイギリスBBCもあるが、ここまで来て英語放送は見たくない。

 チャンネルを回していくと、ビートたけしさん出演の人気お笑い番組「風雲たけし城」に似た映像を見た。ドイツ人も間抜けなお笑い番組を作るもんだ、と思って見ていたらビートたけしさん本人がブラウン管に登場した。10数年も前の日本の番組をドイツ語に訳して再放送していた。番組表には「タケシキャッスル」。多チャンネル化で番組自体が足りなくなっているのだろうか。ドイツまで来てビートたけしの古い番組を見るとは思わなかった。

 駅前から伸びる大通りは歩行者専用のショッピングストリートとなっていた。
 デパートがあり、スーパーもあり、商店街には日用品店、書店、飲食店。映画館や郵便局、教会まである。いかにも中都市の駅前といった感じで、生活に必要な物は何でも揃う。長旅の物資調達には最適な街だ。

 デパートも郵便局もCDショップも一通り冷やかした後は本屋で立ち読み。「MANGA」と書かれた棚では日本の流行作家の漫画本が独語に訳され売っていた。
 最後は教会。重い扉を開けてみる。聖書を片手に礼拝を待つ人々は老人ばかり。年を取らないと信心深くならないのは日本人と同じらしい。

 海外長期旅行の初心者らしく、3日ほどの暴飲暴食で腹と胃をやられ、いつの間にか体が濃い食事を受け付けなくなっていた。
ドイツビールの広告
 ▲コースターにもドイツビールの広告

 観光案内所で聞いた中国料理店で夕食。
 華僑人の態度の悪さを我慢しながら、安くも旨くもない米料理をいただく。ビル4階から外を見ると眼下に買物大通り。旭川の買物公園で食事をしているかのような悲しく情けない気持ちになった。

 帰り際に駅の売店でビールとチーズを大量に買い、部屋で一気に飲み干す。

 こんなことだから腹も胃も壊すと分かっていながらも、ドイツのビールの旨さと安さに感激し、安らかに睡眠。明日からは濃厚なドイツ料理でビールを飲みたいものだ。

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