鉄道紀行への誘い〜作者雑記
旅や鉄道の内容を中心に、日常の出来事も綴っています

2006年4月坂町駅

■2年半ぶり再開、全線完乗で見えた地方の衰退
(2008年1月13日)


 大変ご無沙汰しております。約2年半ぶりにこの「雑記」を書いています。

 ちょうど2年半前の2005年8月、これまで鉄道の旅を続けてきたなかで、一度も乗ったことのない路線がまだ多く残っていることに気づき、JRと旧国鉄関連の第三セクター鉄道に全部乗ることを決意しました。いわゆる「全線完乗」「乗りつぶし」「乗りつくし」などと言われている類の行為を、突然始めてしまったのです。

 一つの区切りとして、幼少時代から親しんできた旧国鉄の路線には全部乗っておきたいという思いになりました。もう一度この国を鉄道で旅するきっかけが欲しかったのかもしれません。

 それからというもの、週末や長い連休を迎える度に、北は青森から南は鹿児島まで、時には重箱の隅をつつくような未乗車区間や路線にも出かけ、日本の鉄道に乗る旅を重ねてきました。
 例えそれがごく個人的なつまらない目標であっても、目的があったからこそ行ける地域や場所があり、そこで今までに見たことがない風景に出会えたことは、この上なく楽しく幸せなことでした。

 そして2006年の5月、日光線日光駅で日本のJRと第三セクター鉄道の「完乗」を終えました。達成感や充実感というよりも、1年もたたないうちにあっけなく目標を失ってしまったことが悲しく、それ以降、鉄道を使った旅らしい旅をあまりしていません。

 今回、日本のさまざまな場所に出かけて痛感したのは、地方都市や地方路線の衰退が一段と進んでいるということです。

 第三セクター鉄道の多くは廃止の危機に瀕し、JRの地方ローカル線では極限までに列車の本数が減らされていました。誰も乗り降りのない荒れ果てた駅、はぎとられた線路、バスよりも小さいワンマン列車。村や町が消え、どこまで行っても続く「市」。歴史や地域を無視したかのような平仮名の市町名。消費者金融の看板ばかりが目立つ地方都市の駅前。撤退したデパートの廃墟、昼間でも眠っているような商店街。

 旅が楽しかった半面、目を覆いたくなるような光景を幾度も見せつけられ、言葉にならないような虚しさを感じたのも事実です。

 昨今、鉄道や鉄道の旅がブームとなり、ノウハウ的な情報が氾濫しています。その反面、毎年のように地方の中小鉄道が消えていき、鉄道旅行の醍醐味であった夜行や長距離列車も廃されるばかりです。このブームはレクイエムか、はたまた自棄なのかとさえ思ってしまいます。

 この国の鉄道や鉄道旅の未来に対する悲観的な思いは年々強くなるばかりですが、何かを書き残すことでまた自分の中で新しい発見や風景に出会えるかもしれない、そんな幽かな思いを抱きながらこの雑記を再開しました。

 日々更新というわけにはいきませんが、できるだけ定期的に更新していきたいと考えていますので、また本サイトとお付き合いの程、よろしくお願いいたします。(2008/1/13)

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