米国鉄道紀行 雑記編
ボストン(BOSTON)市内を東へ西へ【2】
「T」マークのボストン地下鉄はなかなかユニーク>>Click!
世界中のエリートが集結するハーバード大学へ>>Click!
まるで音楽会のような「ボストンポップス」公演>>Click!
「T」マークのボストン地下鉄はなかなかユニーク
地下鉄の入口は「T」マークが目印
 ▲乗り場は「T」マークが目印

 ボストンは歴史の街だけあって、地下鉄もアメリカで初めてのものとされている。

 運営しているのは「MTBA」(Massachusetts Bay Transport Authority)というマサチューセッツ州営の交通局で、地下鉄のほか、近郊へのコミューターレール、バスなどの公共交通を一手に引き受けている。丸い「T」マークが目印だ。

路面電車が乗り入れるグリーンライン
トロリーバスが走るシルバーライン
 ▲上は路面電車のグリーンライン、
 トロリーバスが走るシルバーライン

 現在は5路線(レッド、ブルー、オレンジ、グリーン、シルバー)が運行されている。総営業キロは100キロ超に過ぎないが、ユニークな路線が二つある。

 「グリーンライン」は郊外からの路面電車がそのまま地下に乗り入れており、2〜4両の列車がのんびり走っていて、地下鉄なのにどこか落ち着ける雰囲気が漂っている。

 「シルバーライン」は電車ではなく、架線から電気を取り入れて走る「トロリーバス」。バスなのに地下鉄路線網に組み入れられており、地下駅でも楽に乗り換えができるようになっている。

 空港にも乗り入れているので、案外、乗る機会が多いかもしれない。
ボストン地下鉄の路線図
 ▲路線図(MTBAサイトより)

 これらの地下鉄路線を使えば、ローガン国際空港(Logan Airport)も、アムトラックのサウスステーションも、ハーバード大学も、市内のほとんどの観光地へアクセスすることができる。

 また、ブルーラインを除き、中心部以外は地上を走っている路線があるので車窓も楽しめる。ボストン観光には欠かせない交通機関である。

地下鉄のチケット

 運賃は1乗車につき1.25ドル(約140円)均一(一部郊外では加算もある)。1日券は7.50ドル(約860円)だから地下鉄やバスに6回以上乗るなら元が取れる。
地下鉄 ボストン・サウス駅の自動改札機
 ▲サウス駅の自動改札機

 乗車の際は基本的には「トークン」(token=専用のコイン)を購入して改札口のバーに挿入してホームに入るが、ボストンサウス駅では領収書まで出る自動券売機や自動改札も導入されていた。

 車内や駅は比較的清潔に保たれていて、治安の悪さはあまり感じなかった。


▼関連リンク
MTBA(Subway)(英語:公式サイト、路線図、運賃案内など)


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■世界中のエリートが集結するハーバード大学へ
ハーバード大学構内

 次の目的地は、ボストン近郊のケンブリッジ(Cambridge)にあるハーバード大学(Harvard University)である。

 ここは米国最古の私立大で、世界に多数のエリートを輩出している。日本で最も有名な海外大学かもしれない。

 私などがハーバードへ行ったところで何ら用事はないのだが、秀才が集まる有名大学はこの目で実際に見てみたいものである。赤門くらいしか用がないのに、わざわざ東大を見に行くようなものだろう。
地下鉄ブルーライン
 ▲地下鉄ブルーライン

 コロンブス・ウォーターフロント公園に近い「ブルーライン」のアクアリウム駅(Aquarium)から地下鉄に1駅だけ乗る。次の駅で「オレンジライン」に乗り継ぎまた1駅、ダウンタウン・クロッシング(Downtown Crossing)駅から「レッドライン」(ALEWIFE行)に乗った。ボストンの地下鉄は、案内も行先表示もしっかりしていて乗り換えは比較的楽である。

 チャールズリバー(Charles River)の鉄橋で地上に出た。後は地下であまり面白くはないが、5駅でハーバード(Harvard)駅に着いた。案外近い。
 チョビ髭で蝶ネクタイ、丸眼鏡という、いかにも「老教授」らしき風貌の人が車内にいたので、彼をそっと尾行。迷うことなく大学までたどり着けた。

                      ◇
黒い法服のようなものをまとった学生
 ▲法服のようなものを着た学生

 構内には観光客も多いが、四角帽子に日本の裁判官が着る黒い法服のようなものをまとった学生がかなりいる。

 それでなくてもエリートなのに、こんな格好だと、さらに賢そうに見える。白人、黒人、アジア系と人種も実に多彩で、いかにも世界の有名大学らしいリベラル(?)な雰囲気がある。

大学構内は緑が多い
 ▲構内は緑が多い
 今日は何かのイベントが行われるらしく、ステージが組まれ、椅子が置かれている。

 卒業式なのかと思って何人かの学生に聞いてみたが、それは明後日だという。今行われている行事が何なのかは、我々の英語理解力不足で要領を得なかったが、卒業関連のイベントなのだろう。学生同士が笑顔で握手したり、抱き合ったりしている。

 この中に将来のノーベル賞候補者がいるかもしれぬ、一体、彼らはどういう境遇でここに入学したのか、などと勝手な想像と疑問を頭の中に浮かべながら、そんな光景を眺めていた。

                      ◇
付近には大学グッズの店も
 ▲近所の大学グッズ店

 構内を適当に散策する。ジョン・ハーバード(John Harvard=創設者)の銅像を目視した後に外に出て、門前街の土産店などを冷やかしているうちにバス停を見つけた。

 どこに行くあてもないが、来たバスに乗ってみた。

 「ある愛の詩」に出てきそうなグランドや学生アパートなどが建ち並ぶ中を抜けると、郊外の住宅街に入った。


郊外は外を走るグリーンライン
 ▲地上を走るグリーンライン
 どこへ走っているのか皆目分からず、不安になってきた。車内にいた初老の婦人に聞くと親切に教えてくれて、電停の前にあるバス停で下車。「グリーンライン」の路面電車が見えた。

 これを幸いに、帰路ボストン美術館(グリーンライン「E」の沿線にある)まで足を伸ばしてみたが、既に閉館している。残念ながら17時で終わるのは日本と同じであった。


▼関連リンク
ハーバード大学について(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より。日本人出身者の紹介や下部に関連リンクも)


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■まるで音楽会のような「ボストンポップス」公演
ピザ店の店内で

 ボストン美術館から歩いてYHまで戻り、一憩して再び外に出た。夜は8時からポップスの公演に行くので夕食をとろうと思う。

 ユースホテルのすぐ近くにピザ屋があり、店先のテラスでは学生風の若者がビール片手に宴の最中である。

 彼らの楽しそうな顔に引き寄せられるように店に入る。ここは日本でいうところの「学生街の居酒屋」といった雰囲気だ。

 ビールの種類も多く、すべてを飲み比べてみた。アメリカの淡白なビールの中では、ボストン発祥の「サミュエル・アダムス」だけは苦くて別格である。気分が良くなってきて、音楽会へ行く気力が失われそうになった頃、危険を察知した妻に引っ張られるように店を後にした。

                       ◇
ボストンシンフォニーホール
 ▲ボストン・シンフォニーホール

 マサチューセッツ通り(Massachusetts Ave.)を南に7〜8分歩くと、煉瓦色の大型倉庫といった様相の「シンフォニーホール」(Symphony Hall)が現れた。

 朝にチケットを買いに来て以来二度目だが、よく見ると付近の壁には小沢征爾のイラストが描かれている。
 あのユニークなおじさんも実はすごい人なのか、と無知な感想を妻に述べたが、「何言ってるの?」と言った顔をした。
左から交響楽団、ポップス、音楽祭の案内パンフレット
 左から交響楽団、ポップス、音楽祭
 それぞれの案内パンフレット

 ガイドブックなどで得た私の表面的な知識を披露すると、、ここを本拠地とするボストン交響楽団(BSO=Boston Symphony Orchestra)は、全米一の実力があり、世界的な人気を誇っている。

 そんな楽団に2002年まで約30年間に渡って、小沢氏が音楽監督を務めていたという。絵になるだけのことはある。
夜のシンフォニーホール外観
 ▲夜のホール外観

 同楽団の定期公演は毎年9月から4月まで行われており、8月は郊外で音楽祭がある。
 それ以外の5月から7月の間は「夏向きの音楽を楽しんでもらう」として、一部の楽団員による「ボストンポップス」(Boston Pops)が結成され、クラッシックに限らず、様々な音楽を演奏しているとの事である。

 今日はその「ポップス」の公演日である。
 交響楽団の定期公演の場合、チケット入手は困難を極めるらしいが、こちらはかなり楽に手に入り、かつ21ドル(約2420円)と安価であった。(最低ランクの席は17ドルだったが売り切れていた)

                       ◇
1階では食事をしている
 ▲1階ではディナーも

 長方形のホール内は三階建て。室内の造作はそれほど大袈裟でも豪華という訳でもなく、質実剛健といった感じがする。

 指定された3階右隅の席に座る。下を見下ろすと、1階部分は座席がすべて取り払われ、テーブルと椅子が幾つも置かれている。正装に名札を下げた中年以降の男女がひしめき、飲み食い社交の真っ最中。
 高級レストランで音楽会をやるかのような雰囲気で、一般席の2、3階とはまったくの別世界である。

指揮者のキース・ロックハート氏(案内パンフレットより)
 ▲指揮者のキース・ロックハート氏
 (公演の案内パンフレットより)

 午後8時ちょうどに公演が始まった。
 本日の演目はチャイコフスキーだそうだが、開始早々、後方のスクリーンにはボストンの名所旧跡やレッドソックスなどこの街に関する派手な映像を流しながら、ニューイングランドの賛歌(A Hymn to New England)を披露する。
 豪華生演奏をバックに観光PRビデオを見ているような気分になる。

 合間には指揮者のキース・ロックハート(Keith Lockhart)氏自らがマイクを持ち、かなり長い時間をかけて喋る。観客を幾度も笑わせた後、ハーバード大の卒業賛歌らしき曲(Fair Harvard)を開始。スクリーンには歌詞が出て、1階の客を中心に大合唱が起こっている。

 従来のクラッシック演奏会とはかなり趣(おもむき)が違い、まるで「紳士淑女の音楽会」といった様相である。呆気にとられているうちに、会場がようやく静かになり、本題のチャイコフスキーが始まった。

「星条旗よ永遠なれ」を演奏中のステージ
 ▲「星条旗よ永遠なれ」の
 アンコールで公演終了
 静粛になったといっても、演奏中にもかかわらず1階からはグラスを落としてガラスが割れる音が聞こえてきたりして、なかなか騒々しい。

 咳を我慢しなければならないような厳粛さはないので、私としては楽である。

 休憩を二回はさんでチャイコフスキー(妻によると珍しい演目があったそうであるが、私には皆目分からない)が延々と続き、カクッと記憶が飛ぶようになってきた頃、突如、運動会などで聞き覚えのある「星条旗よ永遠なれ」(Stars And Stripes Forever)がアンコールで演奏されはじめた。

 舞台上には巨大な星条旗が降りてきて、観客席には天井から大量の風船が落ちてきた。

 風船を手にした客がそれを割るバンバンという音を場内に響かせながら、公演は終了。どこか狐につままれたようなクラッシックコンサートであった。


▼関連リンク
ボストン・ポップス・オーケストラについて(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より)
ボストン交響楽団(公式:英語、公演案内など。メール登録でチケット予約も可)
YH近くのピザ店「Crazy Dough's Pizza」(英語)

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 この日もボストンYHに宿泊し、翌朝、朝一番のボストン発「アセラ・エクスプレス」でニューヨークへ向かった。次のページはニューヨーク編です。

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