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page-4 鉄道好きの為の科学博物館へ
シカゴ中心部から産業科学博物館への交通地図

 次の目的地はシカゴの南郊外にある「シカゴ科学産業博物館」(Museum of Science and Industry)で、ガイドブックには「鉄道や航空機、自動車に興味がある人なら見逃せない」などと書いてある。

 合金ロボットのような昔の流線型車両「ゼファー」号の写真も載っていて、無理をしてでも行ってみたい気にさせられる。

 ここへは、市内バス(CTA)か「メトラ」の電車線(Electric Line)、あるいは地下鉄「グリーンライン」とCTAバスに乗り継いでも行くことができる。先ほどとは違う路線にも乗ってみたいのでメトラで行くことにした。

 メトラの電車線は、ミシガン湖に面したミレニアム公園(Millennium Park)の地下にあるミレニアム・ステーション(ランドルフ<Randolph>ストリート)駅から発着する。
 ここは高架鉄道ループ内のランドルフ/ワバッシュ(Randolph/Wabash)駅から近い。

メトラ電車線のミレニアム・ステーション(ランドルフ駅)
 ▲メトラ電車線が発着する
 ミレニアム・ステーションは
 公園の地下にある
 高架鉄道を降りて、ミレニアム駅まで行ってみたものの、次の列車は一時間半後までなかった。今日は日曜日、全面運休しないだけいいけれど、週末のメトラは極端に列車本数が少なくなる。

 とりあえずバスで行くことにして、ミシガン通りを少し歩き、オーケストラホールへ。ここはシカゴ交響楽団の本拠地だ。ホール横にあるシンフォニーストアで妻が機嫌よく買物するのを横目に、私はいかにも知ったか顔でシカゴ響のCDなどを眺め、手持ち無沙汰に過ごす。
シカゴ中心部と科学産業博物館を結ぶ6番のバス
 ▲やっと6番のバスが来た

 そこから少し歩き、ヒルトンホテル横の人気(ひとけ)のない停留所で「6番 Jackson Park Express」のバスを待ったが、時刻表もなく、いつ来るのかも分からない。

 こういう時に限って、逆方向や違う通りにはバスが来たりして、余計なストレスが溜まってくる。時刻表がないとこうも不安なものかと思う。

 10数分待ってもう地下鉄で行こうと諦めかけた頃、行先表示に6と書かれた満員のバスがやってきた。
シカゴ科学産業博物館の建物
 ▲シカゴ科学産業博物館

 バスはミシガン湖沿いの自動車専用道路を25分ほど飛ばし、郊外の住宅地に入る。

 下車客が多くなってきた頃、神殿のような科学産業博物館の建物が見えた。

                        ◇

ゼファー号

 銀ピカの「ゼファー」は入ってすぐに展示されていた。
 この巨大な流線型ディーゼルカーは、斜陽化しつつあった旅客列車の切り札として1934(昭和7)年にシカゴ〜デンバー間に投入され、平均時速124km/hを記録した、と説明書きにある。

 後に南満州鉄道「あじあ号」を引いたパシナ型蒸気機関車にも影響を与えたというその独特のデザインは、先頭部はどことなく銅鐸(どうたく)にも見え、全面ステンレス製のためか、もし突っ込んで行けば小山の一つくらいは砕きそうな力強さがある。鉄道が活き活きとしていた頃の華やかな車両であった。

 館内にはHOゲージ鉄道模型の超大型ジオラマもあり、シカゴの街並みまでが模型で再現されている。子どもたちと一緒になって興奮気味に眺めていると、呆れて鉄道以外のコーナーを回っていた妻が迎えにきた。

                        ◇
55・56・57丁目駅とメトラ(電車)

 博物館の付近に「55・56・57丁目」(55th-56th-57th Sts)なる恐ろしく愛想のない合理的な名の駅があり、ここからメトラ電車線が出ている。

 1時間に1本も列車がない割には島式ホームを2本有し、乗客もそれなりにいて日本の大手私鉄駅のような賑わいがある。
 先ほど乗った面長大型客車にパンタグラフと運転台を付けただけのような「電車」がやってきた。それにしても不恰好な外見だとは思うが、メトラには日本で製造した車両も多いので、あまり悪くも言えない。
55・56・57丁目駅ホーム
 ▲55・56・57丁目駅のホーム
 乗客もそれなりにいる

 終点のシカゴ・ミレニアムステーション(ランドルフ)駅へは7駅、15分ほどで着くが、列車は次の53rd St./Hyde Parkに停車した後、駅を通過し始めた。

 駅でもらった冊子状の時刻表を見ると、各駅停車にはなっているが、時間の横に「F」マークが付いた駅は「Flag Stop」といい、下車する場合は乗務員に申し出て、乗車する場合は運転士から見えるようホーム上に立っておくこと――などと注釈が書かれている。都心の電車線なのにバスのような合理性である。
ミレニアム駅の真新しい切符売場
 ▲ミレニアム駅の切符売場

 結局、フラッグストップ4駅のうち3駅を通過して、定刻より1分早く終点のミレニアム・ステーションに到着した。

 ミレニアム駅にはファッションビルのごとく真新しい地下街が形成されつつあるけれど、先ほどのオギルビー駅と同じく、メトラの無骨な車両や雰囲気とはあまりつり合ってはいない気もした。


>>page-5 レイクショア・リミテッド号(1)

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