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ビッグバン

20世紀の始めまでは宇宙は無限の過去から永遠の未来に向かって限りない広がりを持っていると考えられていました。アイン・シュタインでさえも、自分の発表した方程式に定常でない解があることを知り、宇宙項と言うものを追加し、宇宙を定常に持っていこうとしました。彼は後年、これを後悔したと伝わっています。

ではどうしてビッグバンが起こったと推定さるのでしょうか ?? ロシア生まれのアメリカの物理学者ジョージ・ガモフ ( Gamow, G. アメリカ ) が1946年に「宇宙は爆発、膨張している」と主張したのが始めです。最初はあまり注目されませんでした。ガモフは次のようなことを予言 (主張) しました。

  1. 宇宙は過去ほど高温、高密度であり、過去のある時点で超高温、超高密度な状態から超巨大な爆発 (破裂) から広がり始めた。つまり始点がある。
  2. 宇宙の温度が1億度以下に冷える間に素粒子ができ、核融合反応が起こり、ヘリウム原子核が作られた。
  3. 宇宙のが1万度以下に下がる、陽子と電子がが結合して水素原子が主になるため、光と物質の相互作用がなくなり、光が遠くまで届くようになり、宇宙が明るくなった。
  4. これ以降、物質の相互作用が切れた光子は宇宙の膨張とともに薄められ現在では電波として宇宙を満たしているはずである

宇宙が膨張している観測結果は以前よりハップルから発表されていましたが、1969年の絶対温度3°Kの背景輻射が決めてとなりました。ベル電話会社研究所でアンテナ、電波を研究していた、アモ・A・ペンジャス ( Penzias, A. )とロバート・W・ウィルソン ( Wilson, R. )が発見しました。実際は発見したというよりノイズとしてどうしても取り除けなく、プリンソトン大学のデッィケ ( Dicke, R. )により後追いでビッグバンの爆発のエネルギーの名残と解釈されました。

ガモフのビッグバンモデルでは説明しきれない「地平線問題」や「平坦性問題」を説明する理論として初期宇宙の急激な膨張を仮定したインフレーション宇宙モデルが提案されてます。この理論は日本人の佐藤勝彦やアラン・グース ( Alan Harvey Guth ) によりほぼ同じ時期に発表されています。佐藤は別の呼び名で発表していましたが、インフレーションというイメージと一致していたのか? この呼び方が定着しています。


ところで、膨張しているとすれば、逆に、どんどん過去に遡れば、小さくなっていくということのなります。ほぼ0になるまでの時間は約150億年となります。これはハップルの法則から計算されます。ハップルの法則は

v = HR

v : 銀河の後退速度、 H : ハップル定数、 D: 銀河までの距離

で表されます。従って、遠い銀河ほど速い速さで遠ざかっているこのになります。

宇宙の境界までの距離えを R、ビッグバンから現在までの時間 ( 銀河の後退した時間 ) を T とすると

境界までの距離 R = v x T

宇宙の境界の広がる速さ v= H x R

∴ R = H x R x T        ∴ T = 1 / H

となります。つまり、ハップル定数の逆数が宇宙の年齢を現すことになります。現在では、H=50〜100km/sec.Mpc *1程度と考えられて ( 測定されて ) います。現在でも測定精度を上げる努力がなされています。これを用いて計算すると年齢は100〜200億年となります。


*1 Mpc:メガパーセク。パーセクとは天文学で使われる距離を表す単位で 1pc = 3.08568 × 1016m。

[2006/07/07][2006/09/24 改定]



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