アボガドロ数を使って分子の大きさを推定
「超の世界」でアボガドロ数を使って分子の大きさを推定していました。計算を少し省略していましたのでこれを、追試してみます。
気体1モルは22.4リットルでこの中にはアボガドロ数(6.0x1023)の分子が含まれています。気体の場合は分子が自由に動き回っているので、分子以外の空間が大きな体積占めています。ほとんど分子だけにするため、水蒸気を氷にするように、気体を固体にします。このとき、通常体積が1000分の1くらいになります。
22.4リットルの 1 / 1000 は0.0224リットル=22.4cm3となります。これをアボガドロ数で割ると1ヶの分子の大きさが求まります。これを計算すると3.73x10−23cm3となります。これは体積を示していますので、1辺の長さにするには3乗根をとればよく、約3.33x10−8cmとなります。これは3.3Å となり、原子の大きさが約1Å なのでほぼ妥当な数値と思われます。
ここで、「気体を固体にすると通常体積が1000分の1になる」ということが妥当かいなか? ちょっと気になりました。一番身近な H2O の場合、水蒸気(気体)、水(液体)、氷(固体)となりますが、水1モルは18g、つまり約18cm3となります。通常は液体から固体に
なる時は少し体積が減少しますが、水の場合少し特殊で液体(水)から固体(氷)になる場合1割ほど体積が増加します。従って、水蒸気の場合は22.4リットルが約20cm3になり、1000分の1はだいたい妥当な値と推測できます。
ところで、水1リットルを半分、半分、半分・・・・・・・・・・・と小さくしていくと何回ぐらいで分子にたどりつくでしょうか? 上記の分子の大きさを使って計算してみます。水の容積を分子の大きさで割れば何倍かわかります。水1リットルは10003です。
計算すると 1000 / 3.73x10−23cm3 = 2.68 x 1025倍になります。
半分、半分、半分・・・・・・・・・・・と小さくしていくということは1/ 21、1/ 22、1/ 23・・・・・・・・・・・としていくことになります。
従って 2.68 x 1025 = 2n の n を求めればよいことになります。両辺の対数をとり計算すればは n もとまりますが 210 ≒ 1000よりおおよそ計算できます。
2.68 x 1025 = 2.68 x 103 x 8 +1 ≒ 280
つまり水1リットルを80回ほど半分、半分、半分・・・・・・・・としていけば分子にたどりつくことになります。
[2006/08/02]