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お城の寒冷対策

 付け焼刃で仕込んだ瓦の知識からの推測です。同じ重さの水と氷では氷のほうが体積が大きく、従って瓦に水がしみ込み寒くなり凍ってくると割れる恐れが生じます。対策として

  • 木で瓦の形をした下地をつくり上に金属を張る金属瓦の使用
  • 耐久性を高める。釉薬を塗って焼きあげと表面がガラス質なり水が浸透しにくく耐久性が上がる。

などがあります。以下に私の知る例を示します。

お城の寒冷対策の実例

城名
実例
弘前城 (青森県)
銅瓦
木で瓦の形をした下地をつくり、銅板を貼った銅瓦。
金沢城 (石川県)
鉛瓦
瓦の形をした木に、鉛板を貼った鉛瓦。初めは鉛が銀色ですが時を経るにつれ白くなり装飾のためとも。
丸岡城 (福井県)
石瓦
土瓦では冬季に割れることが多く、足羽山山麓から産出される笏谷( しゃくだに )石を使った石瓦
福井城 (福井県)
石瓦
丸岡城と同じように足羽山山麓から産出される笏谷( しゃくだに )石を使った石瓦
会津若松城 (福島県)
赤瓦
鉄分を多く含む釉薬を施した瓦。釉薬により赤茶色に焼きあがり『赤瓦』と呼ばれます。
津和野城 (島根県)
施釉瓦
釉薬を懸けた瓦
新発田城 (新潟県)
海鼠壁
下見板張だと、雪が凍りつき、腐蝕が早く進み腐蝕防止に塗る柿渋も雪の凍結が融けると剥がれてしまう。漆喰壁では雪蝕けの際、屋根瓦の黒色墨が軒下で跳ね上り汚れてしまい、美観を保つことが難しい。

[ 2012/11/25 ]

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