用語集

国字
日本で漢字をまねて作られた文字が、その時点までに中国・その方言文字及び漢字圏諸国に同じ字形が存在しなかったものを国字と定義する。「佚存文字」であったものが、発見されて日本のものより古ければ、国字ではなくなる。
和製漢字
一般には国字とほぼ同義で使われていますが、この辞典では「国字・国訓・和製異体字・当用漢字新字体(常用漢字・JIS拡張新字体を含む。この3つに関しては同じ字形が中国等にないこと)・位相文字(方言文字・個人文字・職域文字が中心)など」を含む広い概念で扱っています。
佚存文字
笹原先生が作られた用語です。漢字として過去存在したが、その後失われた文字。「栂」も「馬王堆漢墓」が発見されるまで佚存文字でした。
新在家文字
連歌の懐紙のために造れる文字と、『文教温故』に例と解説があります。「俤・凩・鵆」などが例示されています。
古壮字
中国南部の少数民族「壮族」が用いる文字で、「字喃」と関係があるといわれています。同形・同意の文字が多い。
反切
漢字音をあらわす方法の一つ。AB反もしくはAB切で、Aの母音とBの子音を組み合わせて音をあらわす。
字喃(チェノム)
13世紀から19世紀に使われたベトナム漢字。漢字の字形そのままでその音を借りるものと、漢字を組み合わせて新たな文字を作るものがある。さらにそれらを組み合わせるものもある。『字喃字典』参照。
国訓
(1)「沖」の「おき」、「森」の「もり」、「鮎」の「あゆ」など漢字に日本独自の意味を加えたものをいう。(2)漢字の字形の一部を変更したり、(3)漢字を組み合わせたりして新たな文字を作った場合、その文字自体が漢字にあった場合国訓と区別できないので国訓に含む。「椿」・「柾」などは(3)であろうが、(1)ともいえる。
合字
「麿」のように2文字をそのまま合わせて1文字としたものと、文字の一部を減じて1文字に合わせた仏教系に多い「省画合字」がある。

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