欲望という名のルアー
マ〜スキ〜
A lure Named Desire


水辺に立ち、木片やプラスチックあるいは金属でできた擬似餌を投げ続ける。
釣人達によって狙われる対象魚は、自身の捕食対象物とは似ても似つかぬその物体に
ある物は魅了され、またある物は怒り、そして食い付く。

この釣りに魅せられたされた人々は
身体の末梢がちぎれそうな程の寒さの中、
熱射病で倒れそうな炎天下の中、
数メートル先すら見えなくなる様な大雨の中、
どんな悪状況下であっても、ただひたすらルアーを投げ続ける。

睡眠時間を削り仕事を放り出し、数時間あるいは数日かけてパラダイスを求めては彷徨し
そして1匹の魚との出会いに至上の喜びを見出す。

これが境地に達してくると、その場でルアーを投げ続ける事自体
あるいは、釣りに行ったという事自体に快楽を見出し、
「釣れるも良し、釣れぬのもまた良し」
という、まさに太公望の様な余裕の心境にまで達する事もあるのである。

釣果を求めないという事じゃないよ、意にそぐわぬ釣法やルアーを用いる事無く、
好きなルアーで好きな場所を好きな様に釣る為、あえて釣り難い手法を用いる事もあるって言えば良いのかな〜


ここで急に自分自身の話に…
タックルボックスを覗いてみると、
あるわあるわ、前述の境地とは程遠い欲望が渦巻くルアーの数々。

まず目に付くのが3本フックのオリザラ。
ザラって良く出る割には、乗りが悪い時ってない?
これが続いた時、
「出た魚全部取ってやる!」と欲望丸出しにした改造を施したのがこれですね。
全部釣る
もし、これをやってみたいという人がいたらクリアカラーのザラを良く見てね。
どうすれば3本フックにできるかすぐに判る筈。 (でも本当は2本で充分かな)

更に、
サーフェイスリグなのにリングを介して取り付けられたフックを持つルアーがポツポツと…
これって見た目のスマートさには欠けるけど、それなりの理由がありますのや、だんな〜
サーフェイスリグを用いてるルアーって大体アメリカ製だよね?
アメリカ製ルアーのフックって、いくら研いでも「なんだかな〜」って感じの物が間々あるよね。
そこでフック交換となるんだけど、元々付いるフックは大体ロングシャンク。
ところが店頭で見かける交換用フックだと、ほとんどの物がショートシャンク。
だからサイズを変えずに交換だけすると、ボディーとフックポイントがグッと近づいちゃうのよ。
乗りを良くしようとしてフック交換してるのにこれじゃあ逆効果だよね。

そこで、交換用フックのサイズを1ランク上げるか、スプリットリングをかませるという訳なんです。

これをやると当然フックの自由度が増してボディーに付く傷が増えるんでそれが嫌な人は真似しない様に。
あと、ロングシャクで良いフックを知ってるよーという情報をお持ちの方は教えて下さい。

で、このスプリットリング利用を更に発展させた(悪用した?)ルアーがこれだ!
魚よ掛かれ〜(祈)
げに恐ろしきは、人の世の尽きる事無き欲望なり。(笑)

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