Last Update 11-OCT-2003
ヤマト光機 Pal jr.
Pal jr.
Yamato OPT Pal jr.

おことわり
以下はあくまでも聞きかじりの素人仕事です。
はっきり言って、たまたま動いてラッキーだったというレベルです。
間違っても高価なお手持ちのカメラで真似などしないように...

ネットを見て回っていたら謎のジャンクを発見。
値段と興味心に刺激されて 「ポチッとな」 してしまいました。


状況
シャッターが切れないので部品取りにという事です。
早速チェックしてみるとシャッター羽根が見えません。
巻上げてみても全くチャージされている気配はなし。
「羽根の固着だろう」
程度に軽く考えていたんですが、羽根の破損あるいは欠品だと断念ですね。


分解
まずはシャッターをみてみます。
前玉の位置をメモしてからネジ3本を緩めて外す。
続いてカニ目 (かな?) を外してカバーも外す。
あとはシャッター速度切り替えリングを外せばあっけないほど簡単にシャッターへ。
チャージ
まずはチャージできない原因をチェック。
下部の丸い部分が回転しそれに付いた棒がシャッター羽根を動かすリングを回します。
矢印部のバネが変だったので元の状態を想像しながらかけ直す。
しかし、それでも押し量が少ないためちゃんとチャージできません。
ここの部品に磨耗や変形は見られないんですけどね。
とりあえず足りない分を手で押してやればなんとかチャージできます。

続いてシャッター羽根を確認。
羽根の乗ったリングをピンセットで回してみると羽根が現れました。
羽根自身に損傷がある訳ではなさそうです。
しかし羽根を閉じた状態でシャッターを切っても必ず開きっ放しになります。
しばし観察を続けてから考える。
バネ
多分、羽根を閉じる方向のバネ (赤で描いたところ) が欠品なんだわこれ。
これに気が付いたので早速代用バネを適当に切り出して付けてみる。
テンションの調整にかなり手間取りましたがなんとか動き出しました。


チャージ
チャージの不具合を調べるため鏡胴を外します。
フィルム室内に見える2本のネジを外し、画面サイズ決定用の部品を外します。
するとネジが4本見えるのでこれを外せば鏡胴が外れます。
チャージはボディー側、鋸状レールがシャッター側の歯車を回すラック&ピニオンです。
シャッター内部に磨耗が見られないと言うことは、このかみ合わせのズレが原因ですね。
調子を見ながら組み直す事で無事チャージできるようになりました。


動作不安定
一通り不具合を改善し、後は試写を残すのみ。
期待に胸を膨らませながら作業後の後片付けを行って就寝。

翌朝早速動作チェック…
変です、羽根が閉じきらなかったり、バルブになったり。
おかしいなと思いながらもシャッター羽根をジッポオイルで拭き拭き。
すると再び正常動作が戻ってくる。
しかし、翌日はまた不安定。
一体これを何日繰り返したことか…
トップ OPEN
次に現象が現れたらシャッター羽根まで分解かな。


情報不足
このカメラ、Pal jr. という機種はもちろんメーカーの情報すら見つからないです。
ft 表示のみの目測機なので輸出専用機であろうと思うのですが。
Pal jr. (Made in Japan)
レンズ  :Luminor Anastigmat 1:3.5 F=45mm
シャッター:B,25,50,100,300
絞り   :3.5-16
このカメラの情報をお持ちの方は教えて下さい。

教えて頂きました
大和光機工業株式会社、東京都大田区駒込東にあったメーカー。
PAX というシリーズを発売していて、中古は高額で取引されているとの事です。
ちなみに PAX Jr. というカメラが1959年に発売になっており同一スペックだそうです。
果たしてこれと同一機種なのかどうかは不明ですが。
PAX で検索するとポツポツ情報が出てきます。
でも PAL で検索するとドイツのページで 40-55 ユーロという価格が出てくるのみです。
希少性云々は良く判りませんがお気に入りなので大事に使いたいと思います。
有用な情報ありがとうございました。


使ってみる
小さくて感じのいいカメラですね。
試写
Kodak TRI-X 400 XTOL (1:1)
1本目の試写は今ひとつでしたが、2本目以降は大丈夫の様子。
現像に問題があったのかな。
2ショット
大きさを見てもらうため Pen S と2ショット。

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