Last Update 23-JUL-2003
イルフォード SPORTS MAN
ILFORD Sports Man
ILFORD Sports Man

おことわり
以下はあくまでも聞きかじりの素人仕事です。
はっきり言って、たまたま動いてラッキーだったというレベルです。
間違っても高価なお手持ちのカメラで真似などしないように...

彩織さんよりお預かりしたカメラです。
珍しいカメラに触る機会を頂き、ありがとうございます。


状態確認
トップカバー右肩のネジが1本欠品です。
巻上げ、巻止め、絞り機構には問題ありませんがシャッターが切れません。
レンズは割と綺麗ですね。

ネット上で検索しても情報が見つからないので備忘録も兼ねて情報を記載。
ILFORD SportsMan (Made in Western Germany)
レンズ  :DACORA Kamerawerk Reutlingen dignar 1:2.8 45mm
シャッター:VARIO (B,25,50,200)
絞り   :2.8-22

シャッター
裏蓋を開けるとシャッターユニットを固定する4本のネジが見えます。
ここを外せば即シャッター周りにアクセスできそうです。

結果的にはこれが余分な手間を増やした原因となりました。
シャッターの問題ならば素直に前から攻める方がお勧めです。

順に分解を進めていくうちに結局ここまで進んじゃいました。
VARIO裏側
シャッター羽根とそれを動かすリングまわりには油がべっとり。
外せる部品を外して洗浄後再組立てで無事シャッターは動作し始めました。

組立て後、動作検証をしてみると…
なんと巻上げ動作 (チャージ動作) に連動して羽根が開いてしまうトラブル発生。
仕方ないので、ひたすらシャッター動作を検証。
一晩考えた末の結論は分解時に外れてきた以下画像の赤いバネ。
詳細な再現図(笑)
写真を残してたつもりだったのですが見つからないので詳細な図面で再現 (笑)
赤が問題のバネです。
ちなみに黄色がガバナで、緑がチャージ部ね。

バネの位置は問題ないがテンションのかかる方向を逆にすべきである。
しかし、逆に取り付けるためには棒状の引っ掛かりが必要な筈。
ここでハタと気が付きました。
実は裏から攻めていくと、絞りとシャッターとを分離する4本のネジがあります。
このうち1本のネジだけが長くて ??? だったんです <-- メモしとけよ
長いネジをここに使う事で見事問題のバネを正規の方向へかけることができました。

これで正常動作を取戻すことに成功です。


トップ&鏡胴
あとはファインダーのクリーニングに挑戦。
右肩のネジ、巻き戻しつまみとその下のネジを外してトップカバーオープン。
ファインダ
クリーナーで拭いてやることで大分綺麗になりました。

シャッター作業時に気が付いたんですが元々鏡胴周りの組みに誤りがあったようです。
被写界深度リングの位置などがズレていました。
ズレた状態での前玉の位置をメモしていたので結局ピント調整が必要になりました。
バルブがあってよかった。
ILFORD de オロナイン
ILFORD 100 DELTA D-76 (1:1)
実はフィルムカウンターに問題を含んだままです。
26 枚目の時だけカウンターが進みません。
とりあえず撮影自体には支障がないのでこのまま対応していただく事に。

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