リサイクルショップのジャンク籠で発見。 「エレクトロのクロか~」 と思ってよくよく見るとちょっと違う。 エレクトロ35CCでした。 ■ 状況 ファインダー横の電池蓋を開けて中をチェック、液漏れ跡はありません。 黒塗装はぶつぶつが一杯浮いてますが、電池無しでシャッターは切れるし距離計等も問題なし。 早速 LR44 を4個重ねて少し嵩上げしてから動作チェック開始。 本当は 4LR44 という現行のアルカリ電池を使用します。 でもこれが意外に値が張るのでとりあえず 100円均一電池で代用ね (笑) バッテリーチェックボタンを押すとちゃんとフィルムカウンターが光ります。 よしよしという事でシャッターを切ると…… バルブになっちゃいました。 どんなに条件を変えても常にアンダー警告矢印が表示されバルブになっちゃいます。 しかも、電池を抜くか、再チャージするまでバルブ状態は解除されません。 う~ん、悩む。 ■ 分解 レンズ周りのカニ目を外し順次分解しシャッター周りをチェック、特に変な箇所は見当たらず。 続いて貼り皮を剥がしてレンズボードを外し見える範囲の結線状況をチェック。 これも特に問題ない様子で、各種接点部分や半固定抵抗を軽く磨いても状況は改善せず。 これはもう Cds の不良としか考えられない。 職場からテスターを借りてきて再チャレンジ。 まずは最も怪しいと思われる Cds の抵抗値をチェック。 あれっ? 予想に反してある程度の導通がある、しかも明暗に応じた抵抗値の変化もある。 移植用の Cds まで調達してたのに、Cds はシロって事ですね。 結局地道にリード線1本1本の導通チェックを実施。 しかし努力もむなしく断線を見つけることができません。 ここで半ば諦め気分で電池を入れてみると、なんと普通に動作し始めました。 導通チェック時にハンダ部を拭いたり接点を磨いたりしてたことが功を奏したんでしょうかね? ■ 特徴 CC はいわゆる大物エレクトロよりも一回り小型になっています。 Cds も鏡胴内レンズ上部に移され、露出警告矢印はファインダー内表示のみとなっています。 レンズは COLOR-YASHINON DX 35mm/F1.8 とワイド化されています。 しかしシャッター最高速は 1/250 までと1段省略されちゃいました。 それと最も特徴的なのはその絞り形状、まるでクリオネのような形になります。 この形状、発売当時にも問題として指摘されていたようですね。 ■ 使ってみる 実はレンズ1枚目の裏に汚れがあり洗浄したかったのですが前群が分解できませんでした。 力技でプライヤーまで使ったのに、非常に強固に締め付けられて歯が立たなかったです。 なんでだろう? ファインダーが妙に見難いですね、倍率小さいのかな? それと、やたらと Over 警告が多発します。 曇り空の元 ISO100 のネガ入れて F5.6 や F8 で Over 警告が出るので更に絞っていく。 しかし F16 まで絞ってもその警告が消えないことがちょくちょくあります。 結局無視して F8 あたりで撮った結果は問題なし。 底部の半固定抵抗いじっても改善しないので Cds 受光部に細工しちゃおうかな。 経年劣化と考えると感度低下だと思うんですが、こんな風に逆に出ることもあるんですね。 まあ単なる調整不良とも考えられるんだけど… 個人的に 35mm という画角は結構好きかも。 50mm 近辺のレンズを使うとファインダー覗いてから一歩下がる事が多いんだよね。 |