巻戻し機構が通常の上部位置に戻されたミニスター2です。 その昔、買おうかどうしようか悩みながらカメラ屋のガラス棚を随分覗いた機種です。 若干難ありの現状品だったんですが、その頃はまだ壊れたカメラは買えなかったんで。 いつの間にか売れちゃってちょっと後悔した覚えが。 そういえばミニスターってずっと Mini-Star だと思ってましたけど Minister なんですね。 小さくないのに何でミニなんだろうという謎もこれで解消。 これで夜も眠れます (笑) ■ 状態チェック ジャンクで安かったので思わず通販で購入。 早速梱包を解いてみると、いきなりトップカバー上の露出メーターがピョコっと動き出す。 さらに巻上げてシャッターを切ってみても、軽い油切れ程度の様子。 セルフも特に問題なさそう。 ファインダー覗いてのピント合わせも、2重像の動きを含めて正常。 どこがジャンクなの??? 最後に、裏蓋開けてバルブでレンズ・チェック! と思ったが、 「あれっ、裏蓋が開かない」 巻戻しクランクを持ち上げても裏蓋は開かない。 底面についた怪しいスライドスイッチを動かしても裏蓋は開かない。 それなら、と言うことでマイナスネジ2本を外して底蓋を外し動作解析。 底面のスイッチを O 側にスライドさせた状態で押込むと裏蓋が開く仕組みでした。 前玉には結構な拭き傷がついてますが、まあ写るでしょう。 ■ トップカバー 巻上げレバー、巻戻しクランク、フィルム感度設定カニ目、ネジ3本で外れます。 ファインダーカバーを外してみると… あっ、これってプリズム? う〜ん、レンズシャッター機でプリズム使用のものに始めて出会いました。 拭ける部分だけクリーナーで拭いて元に戻します。 ■ シャッター レンズ前玉(群) はただねじ込まれているだけなので左に回すだけ。 続いてロックネジを半回転させて、イボイボリングを外せばシャッターとご対面。 各軸受け部にちょっとだけ注油しておきます。 このカメラは LVS 式となっています。 シャッターに到達するには LVS リングを外す必要があります。 LVS リングを外す際にはどの位置でリングを外したかメモしておいた方が良いでしょう。 外した状態でリングをグルグル回すのも止めといた方が良いと思います。 まあ、正しくはまる位置は一箇所だけなんで (多分) どうでもいいと言えばいいんですが。 ■ 使ってみる 露出メーターの指示する値を鏡胴部の LVS リングに移して使います。 LVS リングを回すと絞りリングが逆回転します。 更に、絞りでの設定範囲外になると今度はシャッター速度が切り替わっていきます。 いや〜、よくできてますね。 プログラムシフト的な使い方もできるので結構面白いかも。 このカメラ、巻上げのフィーリングが良いんですわ。 非常に軽くて、なんか高級感があるっていうのか、 内部でチャージ動作の 「カチッ」 という極わずかな変化が気になるぐらい良い。 やはり高級機だったんでしょうね。 ■ 追記 このカメラ LVS システムのせいか人気度合いは今ひとつの気がします。 開放値 F2.8 というスペックもエレクトロ等に比べると押しが弱いのかな。 個人的にはこの LVS という仕組みも含めてこのカメラ大好きです。 |