マミヤ35です、かっこいいです。 リサイクルショップでたまたま見つけたシャッター固着品です。 値段が高かった (それでも数千円ですが) ので1〜2週間考えたんですがやっぱり買っちゃいました。 状態としてはチャージはできますがシャッター切れず。 本来ネジれば外れるはずの前玉の枠が、固着したフィルターと一緒にくるくる回って空回り。 フィルムカウンターはピクリともいわず。 絞りや、距離計は問題なし。 外観は年式相応 (昭和32年) にくたびれてますが、レンズは大丈夫そう。 ■ Let's Try あらゆるネジが固着しかけており、注意しないと危険な雰囲気です。 CRC やベンジンをしみ込ませながらゆっくり作業します。 まずはトップカバー。 あまりにも緩まないので、「逆ネジ?」 と思わせた巻上げレバーのカニ目 <-- 順ネジでした 巻戻しノブのカニ目、マイナスネジ数本を外してから開けます。 距離計が変わってますね、小さなミラーからハーフミラーまでの光路はパイプの中です。 フレームが書かれたガラスがあるのですが、肝心のフレームは残骸と化してました。 ファインダー左端に縦線だけがかすかに見える (笑) 続いてシャッター。 前から攻めようにもフィルターの固着がビクともしません。 で、まずは正面マイナスネジ4本を外してレンズボードを外してみます。 手でチャージしてからシャッターを切ると、「パシャン!」 速度は相当怪しいですが無事シャッターが切れることを確認。 ここまでくれば、やるしかあるまい。 と言うわけで、全く外れないフィルターのガラスを慎重に、「バリン!」 ついに、割っちゃいました <-- 良い子は真似しないように フィルターガラスの破片を丁寧に取り除きます。 で、ゴム栓を当ててレンズ銘板をクルリとやると…… 今までの苦労は何だったの、というぐらいあっさりと前群が外れました。 本来フィルター枠と前群を固定している筈のイモネジは3本とも内部で外れてました、やれやれ。 実はここまでやってもいまだにフィルター (枠のみ) は外れていません。 万力とパイププライヤー使わないと駄目かも… ■ シャッター シャッター速度調整リングを外し、いよいよシャッターに御対面。 洗浄と注油を実施してから動作検証。 シャッター羽根を動かす赤丸。 チャージと開放を制御する緑 <-- これが甘いとチャージ時にシャッターが開く レリーズの上下運動を回転運動に変えてを緑を動かす黄色 <-- これが甘いとシャッターが切れない この黄色のパーツに磨耗があって緑を十分に動かしきれない時がある。 特に最短〜2mぐらいの距離にヘリコイドを合わせた時にこれが顕著に現れる。 部品の細かな調整を試みるも結果は良くない。 そこで、金属板をかませて磨耗部分を補ってみることにします。 「薄くて、加工しやすく、耐久性のありそうな金属板」 そんな都合の良い物ないかな? ということで思いついたのはフロッピーディスクのスライドシャッター部。 黄色部品の磨耗部に被せれば良いのでしょうが、非常に小さな部品で作業は難しい。 そこで黄色部品を押込む矢印部分に2つ折りした金属板を被せます。 結果は上々、接着剤で固定してから再度組み立てます。 注意! 油断してるとすぐに赤丸部品が浮き上がり、緑がその下に潜り込みます。 これに気づかず、シャッター速度調整リングを押込むと緑が簡単に曲がります。 こうなるとチャージ時にシャッターが開くようになっちゃいますので要注意。 逆にチャージ時にシャッターが開く個体はここの曲がりを直せば復活するかも… ■ フィルムカウンター あとはフィルムカウターのみ。 ところが、このフィルムカウンターが意外なほど難物。 コイツが乗っている巻上げレバーの材質が非常にもろくてちょっと力をかけたらいきなりポキッ! この部品だけ表面加工もガタガタでとても雑だし。 この部品に付けられた真鍮のリングが巻上げ時にカウンター1枚分づつずれる筈なんだけど… 1日 CRC に漬け込んでも完全固着のままです。 力をかけると更に部品が痛みかねないので取り敢えずこのまま保留にしておきます。 折れたレバーは接着剤でくっつけ、更に金属板を貼って補強しときました。 それでも、強度的にはまだ不安かも… ■ おまけ パリパリの貼り皮も全部剥がして張替えました。 ネジ類の固着、もろい巻上げレバーには困ったものですが全体的には非常にいい感じです。 残るは撮影の腕だけですな (涙) ■ 2003/11/08 追記 ひさびさに、引っ張り出してみる。 色々いじってるうちに結局巻上げレバーはまた折れちゃいました。 直してもまた折れそうなのでそのまま持ち出す。 あ〜、右手の親指が痛い。 |