 

ヘッドの先端にはシグネイチャー・モデルの証しのクラプトンのサインがある。
そしてブラック・フィニッシュのモデルだけに"BLACKIE"の文字が入れられている。 |
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結構使い込んでブリッジは錆が出ているし、BODYのキズなども渋い感じになってきている。ネックの杢目はそこそこ出ているが、プレイヤーから見る状態ではそれほどトラ目は見えない。製作時の木取りに気をつかってくれればいいものを...。
レースセンサー(GOLD) + TBX + Mid Booster(+25db)はノイズレスでストラトらしいサウンドから図太いサウンドまでカバーするのでオールマイティに使いやすい。もともとGOLDのレースセンサーは中域が控えめなPUなのだが、この普通なら強烈すぎる+25dbのブースターとのマッチングは非常に良い結果をもたらしている。何よりお気に入りなのはヴィンテージ・タイプでありながら22フレットであること。
ボディはアルダー、ネックはフレイムメイプルでヴィンテージタイプのトレモロブリッジが装備されている。
コントロール系を詳しく説明すると、TBXはセンタークリックが通常のトーンコントロールのフルアップ位置にあたり、0方向へ回すとハイカット、10方向へ回すとハイブーストとなってブライトさが増す。MID BOOSTは中低域をフルアップで25db増強しハムバッキングPU顔負けのサウンドを出す、EMGのSPCの強力版といえるもの。
シグネーチャー・モデルというと敬遠しがちな人も多いがコイツだけは先入観なしに試して欲しい。何故なら長年の相棒であったブラッキーが寄る年波には耐え切れず寿命があと僅かであることを悟ったクラプトンが、ブラッキーにかわる相棒を作って欲しいとFENDER社に依頼し作り上げたのがこのクラプトン・モデルなのであるから悪かろうはずが無い。
クラプトン・モデルというと極端なVシェイプのネックとして知られ一般には彼の長年の相棒ブラッキーも極端なVシェイプだと思われているが、ネックのシェイプを決定する際に数種類のサンプル品の中からクラプトンが選んだのは彼のもう一つのお気に入りであるオールド・マーチンのネックを参考にしたサンプルのほうであった。
もうひとつの彼のこだわりはトレモロブリッジでトレモロ自体が作動できないように木片で固定されている点である。それならば最初からノントレのフィクスド・ブリッジで良いのではと思いがちだが、スティール・ブロックやスプリングがサウンドに与える影響は多大で、それなしにお気に入りのサウンドを作り出すことが不可能であることを彼は知っているのである。
もともとカスタムショップ(C/S)のE.C.モデルはより高級感を求める日本人ユーザー向けに山野楽器がフェンダー社にフレイムネック仕様で発注して作らせたものであったが、最近ではクラプトンの意向でマスタービルダー(以下MB)物以外は殆ど作られておらず新品の流通が非常に少ないようである。だから確かにフレーム・ネックは魅力的だが値段が異常に高い(たぶん足元を見ている楽器屋の仕業もあると思う・・・。) MB物と違いただのC/Sは基本的にボディ自体はライン物と同じものが使用されているはず(ラインの中から良さげなボディを選んでC/Sものに使っているのかもしれないが)なのでネックだけで実売価格が2倍以上も違うのはいかがなものでしょう。 フレイム・ネックに拘りのない方はライン物をたくさん試奏して音の良いものを選んだほうがお得でしょう。事実、ライン物を使用しているプロ・ミュージシャンも結構多い。まあ私の場合はトラ党なので迷わずC/Sを選びましたが。 ただMB物はやはり格段にレベルが違うようですので(ボディ材のレベルが違うのだからあたりまえですが)、今からただのC/Sを探すくらいなら一生ものと心を決めてMB物にしてはいかがでしょうか。でもMB物も最近ビルダーの意向で反りにくいプレーンなメイプルのネックだけにするとのことですので新品の欲しいトラ党の方はお早めに。 |
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こちらは元祖BLACKIE
まだヴィンテージ物が安かった70年代に
クラプトンが数本の50年代のストラトを購入し
その中から良いパーツだけを使って
組み立てたと言われている。
現在はきっと安息の日々を送っていることでしょう。 |
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