YAMAHA
SAS‐T '88

   
 古いP誌の野呂一生氏の所有機を掲載した記事でこのモデルのブラウンカラーのものが、プロトタイプであり市販されなかったと紹介されていたが、野呂モデルとしてではなくSAシリーズの派生機種SASとしてちゃんと発売され現在もSAS−1500として続いている。(ヘッドは野呂モデルと同様のデザインが採用されている。)

 SAにロック色をプラスする指向で開発され、BODYサイズを小ぶりにしたため取り回しはしやすいがカッタウェイも小さくなりロックギターでの肝とも言えるハイポジションが異常に弾きにくい。BODY厚も薄く設計されている。
 コントロール類はシンプルな操作系をめざしたのかこの手のセミアコにはめずらしく1VOL・1TONEで、TONEポットのみにヤマハお得意のバイサウンド・スイッチが組み込まれており、フロント・リア同時にコイル・タップされる。(現在のSASシリーズは2VOL,2TONE)

 BODYはTOP、BACKともバーズアイ・メイプルでピックガードも同じ材で造られている。指板はエボニー。PUはこの機種の為に開発されたアルニコを使用したパワーのあるLIVE GHIが搭載されている。ネックは3ピース・メイプルでナットは牛骨を使用している。

 なお前出の野呂氏所有のブラウン・カラーの機種はBODY、ネックともバール・マホガニーが使用されている。品番はSAS−Tと同じだがフィニッシュによって材が全く違うのは結構珍しいのではないかと思う。

 中古で入手したが、試奏時には問題なかったが自宅に持ち帰って音出しすると、リアPUから音が出ない。すぐにリペアに出したが、直って3日ほどでまたリアPUから音が出なくなってしまった。それ以来1PUギターとして使用している。実はもうとっくに時効になってしまったから言うが、一括払いのカードで購入したが購入時にサインするときには気付かなかったが(我ながらいいかげん)、1ヶ月半後の決済ではプライスカードから「0」がひとつ少ない金額でしか引き落とされていなかった(逆に「0」が一つ多くても当然気づかずにそのままサインしていたので今考えても恐ろしい)。まあこの事を知ったのも半年後でたまたま通帳をチェックしたからである。バーコードで管理している店だったのでたぶん最初に登録ミスしていたのだろう。

 がさつな性格が災いしているのか単にテクニック不足なのか(たぶん相乗効果)、いまだにコイツをうまく鳴らすことができずガサガサした音しか出せない。マホガニー・モデルのほうであればもう少しましな音が出せるだろうが・・・。6千円ギターじゃあんまり文句は言えないけど(一歩間違えれば60万円ギターになっていた。お〜怖)。