RICKENBACKER
230 GF
Glenn Frey Signature model




 
ジョー「ちょいと貸してくれ」
グレン「まるであんたがリッケンと契約してるみたいだな(笑)」
 
 RICKENBACKERの230シリーズをベースに1992年に限定生産されたEAGLESのグレン・フライ・モデル。
 230シリーズはいわゆるスチューデント・モデル(入門用モデル)で、よく目にする他のRIC達とは違い非常にシンプルなつくりとなっている。RICからシグネイチャー発売のオファーを受け、音楽ビジネスの狂気と複雑さを20年以上も味わったグレンが自然回帰とともに、シンプルな夢のギターをつくろうとし、そのベースとして選ばれたのが230シリーズであった。(まあ以前からブラックのシンプルなレス・ポールJr.を愛用していたが。)

 メイプルBODY、メイプルNECKはボルト・オン・ジョイントされ、指板には小さなドットのポジション・マークがつけられている。BODY、NECK、指板すべてがJETGLOと名付けられた艶ありブラックでフィニッシュされている。ペグはシャーラーM6。
 PUは2NHと呼ばれる細身だがハムバッキング・タイプでカバーには「RIC」の刻印があり、BODY裏面よりボルト止めされている。コントロールは小ぶりで使いづらい3ポジションのセレクターと1VOL、1TONEのみでやはりシンプル。それらとともにコントロール・パネルにはグレンのサインと「LIMITED EDITION」の文字が入れられている。

 1000本限定生産されそれぞれに証明書が付属しているが、最初の100通には直接グレンによってサインがなされている。所有のものはシリアルナンバーとともに1000本中の47本目であることが示され、グレンによって直筆サインされている。

 96年ごろ毎月の出張先である富山市の楽器屋で見つけていたが、新品なのに打痕があったり製品自体の仕上げも良くなかった(フレット打ち込み時に指板サイドの塗装がかなりやられている)。しかも値段が結構高かったので購入には踏み切れなかった(誰も手を出すような代物ではなかったのでいつまでも売れ残っていたのだろう)。そうこうするうちに富山の担当を外れる事になり最後の出張時に値引き交渉して定価の半額以下で購入した。実は購入時には証明書に直筆ものとそうでないものがあることを知らなかったので今にして思うととても幸運である。そうと知っていればもう少し高くても無理して買っていたはず。店員も直筆サインのことを言わなかったのでたぶん知らなかったのだろう。

 一見するとサウンドを云々するようなつくりのギターには見えないが、PUとメイプルBODYのマッチングが良いのか出音は意外とレンジが広く、またPUの選択により暖かく柔らかいトーンからブライトなトーンまで出せる。その辺が気に入ったのかEAGLESのステージではグレン本人ではなく、ジョー・ウォルシュがスライド用ギターとして使用している。グループ内のメンバー(しかもいわばサイドギタリスト)のシグネイチャーモデルを使っているリードギタリストはそうそういない。あいかわらず変なジョーおじさんである。
   

↑JOE    二人は仲良しってか    GLENN↑

こちらは愛器LP Jr.