最近のモデルにはヘッドにマイクのサインが入れられている |
|
JAZZギタリストとしてはめずらしくソリッド・ギターであるフェンダー・テレキャスターを使いつづけているマイク・スターンがYAMAHAとエンドースしてヤマハ版
MY TL として作り上げたのがこのシグネイチャーモデルである。 BODY材は2ピースの超軽量スワンプ・アッシュ(カタログ上はライト・アッシュ)、ネックは1ピース・メイプルだがヘッド落ちしないようにとBODYとのバランスに気を使ったのか軽量な材が使われている。形状はVシェイプ。これまでにもスワンプ・アッシュBODYのギターを手にしたことはあったが本物のスワンプ・アッシュがいかに軽いかを知ることができた。 ハードウェアは各弦独立して調整できる6WAYだがビンテージ・タイプのブリッジやナット、ペグ、フロントPUにダンカンの’59を採用するなどビンテージ色を醸し出している。 しかしながらリアPUには同じくダンカンのTL用ホット・レイルが採用されておりここがいかにもMSモデルと感じさせる。ホット・レイルはシングルサイズのPUだが2本のブレードとターン数の多いコイルを持つハイパワー・ハムバッキングPUで甘く太い中低域とロング・サスティーンを特徴としている。テレキャスターの枯れた音やシャープさを期待して入手すると大きな間違いを犯す。あくまでも、バップから突然ハードな超絶ロックギタリストに変身するMSに対応したギターである。こいつをYAMAHA往年の名機FシリーズAMPに突っ込むとそのままMSの音がするらしい。 イナタいブルース系ロックにも結構ハマル。惜しむらくはフロント・リアとももう少しエッジ感があればオールラウンドに使いやすいのであるが・・・。せめてコイルタップできるぐらいの小細工を効かせて欲しいところ。 YAMAHAの前にエンドースしていたSADOWSKYの2番煎じの感は否めないが、SADOWSKYが定価60万円していたことを考えると文句は言えない、なによりMS自身がエンドース・メーカーがどこになろうが望むギターが変わっていないことの証明でもある。 マイク・スターンは人気があるが(ちょっとワン・パターン気味で飽きられかけてる)、JAZZともROCKともいえないある意味中途半端な存在になっているためか、あえてこのモデルを選ぶユーザーがいないのだろう(JAZZ指向の人ならやっぱりフルアコ・セミアコだろうしROCK指向ならレスポール・ストラトがまず候補になる)そのためか残念ながら人気がないので、中古市場で安くなっている。PUをビンテージタイプに交換してスワンプ・アッシュBODYを楽しむのもいいかもしれない。 ―――正直言ってPUの甘さに対しBODYが軽すぎて受け止めきれていないのでタイトさが出ない(せめてネックだけでもしっかりしたものであれば)。 −追記− YG1998.03によると取材用ギターはやや重めであるとのことです。アッシュは生育条件によって重量にかなりの個体差があるみたいですね。メーカー問わずカタログにライト・アッシュって書いてあってもかなり重いものがありますから、もしかしてホワイト・アッシュ(激重でしょ)に比べりゃライトだろってことなんですかね。記事には「重めのボディなのでシャープかつタイトなサウンドでピッキングに対するレスポンスの良さも申し分ない」と書いてあります。 じゃあいったいマイクがそしてヤマハがつくりたかったのは軽い木を使ったモデルなのか重い木を使ったモデルなのかと言うと、やっぱりマイクのようなハードな音をだすのならある程度重いBODYのほうがいいはずですよね。と考えるとなんだ私のPacificaはハズレってわけですかぁ〜。い〜んだイザとなったらシングルPUに載せ換えちゃうもんね〜。 でもマイク所有のテレキャスって重いの軽いのどっちなんでしょうか。ご存知の方ぜひともご一報ください。(2002.01.06) ↓ 早速大変興味深い情報をいただきました。ある海外のギター誌のWEBによるとYAMAHAから送られてきた2本の取材用MSモデルはかなり重いものと羽のように軽いものだったとのこと。まるで2バージョンを作り分けてるかのようですね。そしてマイク所有のMSはかなり重いブツだとのことです。マイク・サウンドを求める方はぜひとも重いヤツをお選びください。軽いほうを買っちゃったマイク・ファンの人はあきらめてやっぱシングルPUつけてヴィンテレ・サウンドにしちゃいましょうね。 んで〜、マイクのフェンダー・テレキャスのほうもやっぱり重いんでしょうかね、引き続き情報をお待ちしてま〜す。(2002.01.08) マイクのF社と見られていたTLはネックはF社だがボディはカスタム・メイドである。通常のTLに比べボディが厚めに作られているとのこと。(2002.05.11) |
|
ちゃんとYAMAHAも使っています(2000年LIVE) |
こっちはカタログ用PHOTOだが ギターは左の写真と同じ個体である。 撮影用に用意されたものでなく ちゃんと使用機で撮影したことが判る。 |