Gibson
Les Paul
Slashed Block Inlay Brothers

SUPER 400
'45〜  1930年代より生産されていたフルアコの最高級機SUPER 400は戦後エレクトリック化されSUPER 400CESとして生まれ変わった。そのネックのポジション・マークとしてデザインされていたのがこのスラッシュド・ブロック・インレイであった。
 その後1961年にはSUPER 400と並ぶ最高級機であるJOHNNY SMITH(アーティスト・モデル) にもこの象眼が採用されている。

 以上の2機種にL-5を加えた3機種がGIBSONの最高級ラインであるが、そのうち2機種にこの象眼が採用されていることからGIBSONがこのデザインをいかに高く評価していたかがお判りいただけるだろう。
  
LES PAUL 25/50 ANNIVERSARY
'78-'79

A Gibson Les Paul "25/50" Anniversary guitar,
given by John Lennon to his son Julian, 1979
 GIBSON LES PAUL MODEL発売25周年(決してカスタム発売25周年ではない)とレス・ポール氏の音楽活動50周年を記念して発売された限定生産モデル。ハードウェアはANNIVERSARYにあわせてGOLD & SILVERが採用されている。

 少なくとも1,842本がカラマズー工場で生産されたとの資料があるが、個人的には3,000本以上生産されていると思う。通常のシリアルナンバーに加え4ケタのナンバーを持ついわゆるダブルシリアル。
  
LES PAUL LIMITED EDITION
'79  左の写真のギターの所有者である(過去形か?)ニール・ショーンによると、60年代までの高品質なギターを生産しなくなったGIBSON社に嫌気がさしたカラマズー工場のベテラン職人の一人が、退職前に精魂込めて作り上げた限定生産モデル。

 ネックはもちろんボディのトップ、バック、サイドのすべてがフレイム・メイプルでおおわれているスペシャルモデル。たった3本しか作られなかったと言われている。

 きっとこの老ビルダーは若き頃にあのBURSTをつくっていただろう。そして78年からは当然25/50 ANNIVERSARYの生産に関係していたに違いない。会社から許された人生最後のギターを作る際に身近にあった25/50の部材を使ったであろうと想像することは困難なことではない。
  
LES PAUL SUPER CUSTOM
'84  上記のLIMITED EDITIONのリイシューとして○ケベ楽器が企画し日本ギブソンを通じてGIBSON社に発注されたカスタムショップエディション。日本国内のみで発売され海外のギブソン資料本にはあまり取り上げられていない(*)。生産本数は100本以下と思われる。ナッシュビル工場でつくられた。




*「Gruhn's Guide to Vintage Guitars」には記述がある。しかし、(ジャーニーのボーカリスト)STEVE PERRYの所有機がプロトタイプになっていると誤記されている。
  
LES PAUL CUSTOM / 400
'91-'92  カスタムショップ製。何を目的に企画されたかの資料は無い、単にSUPER 400の象眼を使っただけかと思われる。この象眼に塗りつぶしのフィニッシュは似合わない・・・でもBrother。
   
LES PAUL SUPREME
'02  2002年のWINTER NAMMにおいてギブソンより出品されたLP Supreme。セミホロウ・チェンバー・ボディ構造を採用しており幾分軽量に仕上げられているだろう。ポジションマークが21フレットまで入れられている点に注目。(なんだヤリャできるんじゃねぇか)「SUPREME」とは「最高」の意味である。トラスロッドカバーが光っているがブラスパーツなのであろうか。