ROLAND
G-505
GR GUITAR SYNTHESIZER CONTROLLER



本来のアームバーはクロームであるが
入手時には付いていなかったため
とりあえず間に合わせのものがつけてある。

さすがアンプメーカーでもあるROLAND
シリアルナンバーはプレートに刻んである。
 

 2002年の自分へのクリスマスプレゼントはこれであった。長年探しつづけていたが、色が違ったり、シンセ本体とセットでバカ高かったりして手を出せずにいた。程度のいいレッドが出てきたので(やっぱりシンセ本体と一緒で高かったが)丁度数本の手持ちのギターを整理していてたまたまキャッシュがあったため思わず手が出てしまった、普通なら見送る値段だったんだけど・・・。


 80年代中期のニールのメインギターは、ギターメーカーとしては全く認知されていないROLAND製であった。ギターシンセのコントローラーとして発売された定価10万円のギターである。82年の来日ステージでも大半をこのG505でこなし、レコーディングでも多くの曲で使用されているまさにお気に入りの1本である。

 新し物好きのニールは70年代からギターシンセの活用に取り組んでいたが、80年代に入ってポリフォニック化され実用に足るマシンに仕上がるとポップなロックミュージシャンとしてはレコーディングやステージで最も活用したギタリストの一人であった。
 とは言え、現在でも発展途上のギターシンセを全篇で弾きまくっていたというわけではなく、ステージでの多くはシンセを使わないギター本体のサウンドでこのG505を使用していた。つまりギターシンセのコントローラーとしてだけでなく、ギター単体としてのG505のサウンドを気に入ったからこそメインギターとしていたのである。


 ローランドと富士弦がタッグを組んだ富士ローランド社は’77年初代ギターシンセGR−500+GS−500を生んだ。その後もローランドと富士弦とのコラボレートは続き、このギターシンセコントローラーG−505の製造もその木工技術力に定評のある富士弦が担当している。なるほどニールのお気に入りになるのも納得できるストラトタイプとしては極太1ピースメイプルのネックである。ボディ材はコスト重視でセンを使用しているが(重めの良質なセンはボディ材として決して悪くは無い)、組み込みの良さがそれをカバーしているのであろう。ブリッジはオリジナルのシンクロナイズドタイプのトレモロ。ローランドのギターシンセ・コントローラーとして初めてトレモロ・アームを採用した機種である

 ピックアップは3シングルのほかにブリッジ直近にシンセ用ピックアップが付けられている。リアピックアップの左右にある丸いボタンはシンセサウンドにビブラートをかけるタッチセンサー。 ニールは入手した当初はストックのままで使用していたようだが後にS・S・Hに交換している。フロント・ミドルは不明だがリアは当然PAFである。



 ちなみにエリック・クラプトンも82年製G−505を所有していた。例のオークションで売りに出されおよそUS$30,000で落札された。これによりG−505は公に取引されたなかで日本製エレキギター史上最高価格のギターとなったのである。
  
  

ローズ指版はオプションらしい